Maker Faire Tokyo 2016レポート 巨大風車あり!ドローンあり!Fusion 360作品を一挙公開! - 3D Fab|新しいデザイン、ものづくりを紐解く

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Maker Faire Tokyo 2016レポート 巨大風車あり!ドローンあり!Fusion 360作品を一挙公開!

Maker Faire Tokyo 2016には、ものづくりが好きな「Maker」の作品が多数出展されていました。Maker Faire Tokyo 2016の全般的なレポートは、別記事として掲載していますが、ここでは、Makerの間でも利用者が急増しているFusion 360関連の話題をまとめて取り上げます。

Fusion 360の公式ブースに採用製品が多数展示

Maker Faire Tokyo 2016では、オートデスクがFusion 360の公式ブースを出展。サービスを使ってデザイン・設計された製品が多数展示されていたほか、Fusion 360に関する質問に答えてくれるスタッフが常駐していました。すでに利用しているユーザーはもちろん、これからFusion 360を使ってみたいと考えている方が、熱心に質問をしている姿が見られました。

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Fusion 360のブースは、比較的大きなスペースが割かれていた

fusion_2.jpgFusion 360のブースには、Fusion 360を使ってデザイン・設計されたさまざまな製品が展示されていた。左はスマートロックの「Akerun Pro」、右は光るスマートシューズの「Orphe」

fusion_3.jpg手前がFusion 360を使って作られた義手

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こちらは、Fusion 360の3D CAD機能とCAM機能を利用して切削されたサングラスフレーム。能登ヒバの間伐材を利用している

Fusion 360を使った作品が大幅に増加

Maker Faire Tokyo 2016では、昨年に比べて、3Dプリンターを活用したものづくりに取り組む人の中で、高機能かつ使いやすいFusion 360が人気を集めているようで、他のサービスから移行するユーザーが増加しています。日本大学藝術学部デザイン学科3年生の津田智美さんは、以前は123D Designを使っていたそうですが、数ヶ月前からFusion 360を使い始めて、その使いやすさに驚いたそうです。津田さんは、パラレルワールドからこちらの世界に物体を持ってくることを想定した時どのようなデザインができるかという研究を行っています。

3Dプリンターや手芸用品などを扱うショップ「クラフトハウス」店長の栗元氏は、Fusion 360を使ってさまざまなモデリングを行っています。会場でも、Fusion 360を使ってモデリングしたジャイロリングを販売していました。また、3Dプリンターの組み立てキットの販売や製作ワークショップなどを行っているGenkeiは、新型3Dプリンター「TITAN 3」などを展示していました。このTITAN 3自体が、Fusion 360を使って設計されています。会場で配布されていたTITAN 3を含む製品総合カタログ内では、製品のイメージにFusion 360のレンダリング機能を利用して描かれたCGを採用しています。一見では実機の写真と区別が付かないほどのクオリティでした。

tsuda_1.jpg 日本大学藝術学部デザイン学科3年生の津田智美さん。123D DesignやFusion 360を使って、「Parallel World / Fiction」プロジェクトの研究を行っている

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津田智美さんがデザインした「タネ銃・ペット銃・ココロの銃」(これは123D Designを利用してモデリングしたものだが、現在はFusion 360を利用して新たな作品のモデリングを行っている)

crafthouse_1.jpg 3Dプリンターや手芸用品などを扱う「クラフトハウス」のブース

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クラフトハウスが販売していたジャイロリングは、Fusion 360を使ってモデリングし、3Dプリンター「AFINIA 3D」で出力したものだ

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Genkeiブースに展示されていた新型3Dプリンター「TITAN 3」は、Fusion 360を使って設計されている

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TITAN 3を上から見たところ。プラットフォームはかなり大きい

Fusion 360とPythonを操るスーパー小学生渾身の作品が展示

Maker Faire Tokyo 2016の入り口を入ってすぐの場所に、大きなタワー型のメリーゴーランド「レインボーメリーゴーランド」が展示されていました。実はこのレインボーメリーゴーランドは、小学6年生のkogameさんが自分一人の手で作り上げたものです。メリーゴーランドの回転機構の歯車などは、kogameさんがFusion 360を使って歯車などの機構部品を設計し、3Dプリンター「ダヴィンチ 1.0 Pro」を使って出力したとのことでした。さらに、タワーの中央部分には小型WebカメラとRaspberry Pi 3が搭載されており、会場の様子を自動的に撮影、5分ごとにTwitterにアップすることができます。この写真自動アップロード機能のプログラムも、kogameさんが自分でPythonを使って開発したものです。3D CADとPythonを使いこなす、まさにスーパー小学生ですが、Fusion 360は使い勝手がよく、独学ですぐに使えるようになったとのことです。

そのほか、超小型Bluetoothリモコンロボットコアユニット「bCore」やサバイバルゲーム用残弾カウンター、背中の襟口に装着する冷却装置「スゴ涼」など、Fusion 360を使って設計された作品が、来場者の注目を集めていました。

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小学6年生のkogameさんが製作したレインボーメリーゴーランド。WebカメラとRaspberry Pi 3が搭載されており、会場の写真を5分ごとにTwitterにアップする仕組みになっている

vagabond_1.jpgVagabond Works氏が展示・販売していた超小型Bluetoothリモコンロボットコアユニット「bCore」。bCoreホルダーやbCore活用例のペンギン型ロボットなどの設計に、Fusion 360が利用されている

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bCoreを使えば、プログラミングや電子回路の知識がなくとも、スマートフォンで操作できるロボットを製作できる。ブースでは、Maker Faire特別価格でbCore関連製品が販売されていた

kureus_1.jpg クレウスのブースに展示されていたサバイバルゲーム用残弾カウンター。筐体はFusion 360を利用して設計されている

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残弾カウンターのアップ。ヒンジ部分の設計にもFusion 360が使われている

sugosuzu.jpg スゴイラボが展示・販売していた「スゴ涼」。Fusion 360を使って設計されたもので、背中の襟口に装着し、外気を背中に吹き付けることで涼感を得ることができる

オリジナルマインドがFusion 360のCAM機能を推奨

SOHO向けの小型CNCフライス組み立てキットで有名なオリジナルマインドは、同社の新製品「GOIGOI」や開発中の新型CNCフライス組み立てキットなどを展示していました。CNCフライスは、積層型の3Dプリンターとは異なり、塊を削り出して形にする切削型の加工機器です。CNCフライスを利用するには、CAMソフトが必要になります。CAMソフトは単体ソフトとしても販売されていますが、Fusion 360のCAM機能は、単体CAMソフトと比べても高機能で使いやすいため、オリジナルマインドでは、Fusion 360のCAM機能を使うことを推奨しているとのことです。

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オリジナルマインドのブースの様子

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現在開発中のCNCフライス組み立てキット「KitMill RD」改良製品。展示されていた切削品サンプルのほとんどは、Fusion 360のCAM機能を利用して削り出されたものだ

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CNCフライスではアルミなどの金属を削り出すこともできる

Fusion 360を駆使して設計された次世代ドローンの講演に注目が集まる

8月6日には、会場のプレゼンテーションエリアで、「人命救助を目的とした、オープンソース次世代ドローンの開発」と題した講演が行われました。このプロジェクトは、元々、埼玉大学3年生の小笠原佑樹氏と株式会社協和エクシオの粂田瞭氏でスタートしたものですが、イクシー株式会社の小西哲哉氏、オートデスク株式会社の藤村祐爾氏がデザインや設計をサポートするためにチームに加わり、試作機を完成させました。従来のドローンは、デザインがあまり洗練されておらず、プロペラが剥き出しで、森林の中などを探索するには適していませんでした。X VEINは、そうした場所でも遭難者などを発見できるように、X字型のボディでプロペラをカバーしていることが特徴です。また、軽さと高い剛性を両立させるために、昆虫の羽根の翅脈 (しみゃく)のような網目構造の外装を採用しています。ボディの基本設計はもちろん、この複雑な網目パターンも、藤村氏がFusion 360を使ってデザインしたものです。実際に試作機の飛行デモも行い、注目を集めていました。

xvein_1.jpg8月6日に「人命救助を目的とした、オープンソース次世代ドローンの開発」と題した講演が行われた。左から小笠原佑樹氏、粂田瞭氏、小西哲哉氏、藤村祐爾氏

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X VEINの試作機を持ってそのデザインコンセプトについて語る小西氏

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この講演は関心が高く、多くの来場者が集まっていた

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X VEINの名前の由来。上から見ると「X」字型をしていることと、昆虫の羽根の翅脈を意味する「VEIN」からこの名前がつけられた

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X VEIN試作機の飛行の様子。講演ブースで操縦していたため、あまり高くは飛ばさなかったが、安定した浮上を実現していた

xvein_6.jpgX VEINの外装の複雑な網目パターンも、すべてFusion 360を使ってデザインされている

本講演の資料は、コチラで見ることができます。

初心者向けのFusion 360無償ワークショップも開催される

また、8月7日には、Fusion 360エヴァンジェリストの藤村氏によるFusion 360の無償ワークショップが開催されました。このワークショップは、Fusion 360を初めて使うという人を対象にしたものですが、Fusion 360をこれから使ってみたいという方がたくさん集まり、藤村氏の解説に熱心に耳を傾けていました。

seminor_1.jpg 8月7日には、Fusion 360エヴァンジェリストの藤村氏によるFusion 360の無償ワークショップが行われた

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Fusion 360の無償ワークショップ参加者は、真剣に藤村氏の話に耳を傾けていた

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簡単なモデリングのやり方と3Dプリンターで出力するためのSTL形式でのエクスポートの手順が解説された