PLENGoer Roboticsが「PLEN CUBE」で挑む、新しいパーソナルロボットの世界 - 3D Fab|新しいデザイン、ものづくりを紐解く

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PLENGoer Roboticsが「PLEN CUBE」で挑む、新しいパーソナルロボットの世界

Fusion 360の活用事例を紹介するこちらのコーナー。 第6回目は、PLENGoer Robotics株式会社のパーソナル・アシスタント・ロボット「PLEN CUBE」を取り上げます。

大阪に本社を構えるPLENGoer Robotics株式会社は、日本で10年間、小型ロボットを開発してきた株式会社プレンプロジェクトと中国でトップクラスの生産技術を持つGoerTek inc.のジョイント・ベンチャーとして、2016年3月に設立。 PLENGoer Roboticsは、2017年1月にアメリカで開催されたCESで、開発中のパーソナル・アシスタント・ロボット「PLEN CUBE」を初披露し、注目を集めました。 今回は、PLENGoer Robotics CEOの赤澤夏郎氏とCOOの富田敦彦氏にお話を伺いました。

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左からPLENGoer Robotics COOの富田敦彦氏、同社CEOの赤澤夏郎氏、同社ソフトウェアエンジニアのジェームス・ギラー(James Giller)氏

今までにない「パーソナル・アシスタント・ロボット」を世界へ

これまでは「一家に一台」ロボットを普及させようというのが、家庭用のサービス・ロボットを開発する企業のテーマでしたが、PLENGoer Roboticsは、さらに一歩進んで「一人が一台」のロボットを利用するという独自のテーマを掲げました。そこで開発されたのが、一人でどこへでも持ち運べる小型ロボット「PLEN CUBE」です。

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パーソナル・アシスタント・ロボット「PLEN CUBE」のプロトタイプ

PLEN CUBEは、その名の通り、一辺が約7.5cmの立方体(CUBE)形状の小型ロボットです。 手のひらに乗せられるサイズながら、カメラ、液晶ディスプレイ、スピーカー、マイク、ジェスチャーセンサーなどを内蔵しており、カメラでジェスチャーを読み取る他、マイクの音声認識機能で声による指示も認識することができます。 他にも、内部に搭載されているサーボモーターで、頭の向きを自由に変えることができるだけでなく、静止画や動画の撮影や音楽の再生も可能です。 また、赤外線を利用した家電のコントロールなどもできます。

開発当初はペンギン型!現在のカタチに至った理由は・・・

PLEN CUBEの開発当初は小さなロボットが動いて人についてくるというイメージだったため、プロトタイプはペンギン型でした。 しかし、「一人一台」というテーマを掲げた以上、持ち運びやすく扱いやすいものを追求し、その結果シンプルなキューブ型になったそうです。

「この試作機のほうがいろんな機能を搭載していて、ロボットらしかったのですが、はたして普通のユーザーが使いこなせるのかなという心配が残りました。『パーソナル・アシスタント・ロボット』として名乗る以上は、生活の中で、いつも使う人の近くになければ意味がないと。そういった思いから、持ち運びがしやすいことや、気軽さなどを意識した結果、デザインも機能もシンプルになり、現在の、キューブ型になりました。」(富田氏)

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開発当初のイメージ。小型軽量というコンセプトは同じだが、愛嬌があるデザインであった

「PLEN CUBEはデザイン的にも、いわゆるロボットロボットしたデザインじゃなくて、基本はインテリアというかシーンに溶け込むような外観で、動き出すと、『おお、ロボットだ!』と驚いてもらえるところを狙っています。PLEN CUBEには、ユーザーからの問いかけを理解すると、『うんうん。わかりました」とうなずくように反応するので、ロボットとのコミュニケーションに楽しみを持つことができます。」(赤澤氏)

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PLEN CUBEによる音楽再生の様子。音楽にあわせて可愛らしくダンスをする

メインターゲットは自分自身

PLEN CUBEの主なターゲットについて訊いてみました。

「他のサービス・ロボットは、子供やお年寄りをメインターゲットにしていたりするものが多いのですが、私たちは、ごく一般の人たちにも気軽に使ってもらうようになってほしいと思っています。たとえば、iPhoneの使い方が多様化しているように、このPLEN CUBEもそんな風になってほしいなと。ですから、まずは開発する私たちが、自分が欲しいものをつくりたいというふうに考え、自分自身をターゲットにしているのです。」(赤澤氏)

「本当はどんどん賢くなって、いろんな局面で助けてくれるロボットにしたいと思っていて、例えば、お母さんが家で料理中に手が使えないときに、ロボットが子供の様子を見て、それをタブレットに映像を映すとかできたら便利かなと。 そうやって、なるべく技術に縁がない普通の人でも楽しめるように広げていきたいなと思っていますね。」(富田氏)

PLEN CUBEは、2017年2月に、アメリカの「Kickstarter」を利用したクラウドファンディングを開始する予定とのことです。

「いきなりスマートフォンに取って代わるロボットというのは、正直ハードルが高いと思っています。だけど、スマートフォンをみんなが使うのは前提として、それ以外にもうひとつ何か買うときの選択肢に入ってくれればなぁと思っています。」(富田氏)

kickstarterの後は、日本でのクラウドファンディングや通常販売に向けた量産も視野に入れているそうです。また、開発環境もオープンにする予定で、ユーザーが開発したアプリケーションも利用できるようにしたいとのことです。

Fusion 360の利点を最大限活用できた開発現場!

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プレンプロジェクトのPLEN2と同じく、PLEN CUBEの開発にもFusion 360が使われており、今回は設計も全てFusion 360を使って開発されました。

「PLEN CUBEの開発は、外部のメカデザインの方やマレーシア在住のエンジニアの方と連携して行いました。こうした遠隔地とのコラボレーション作業には、クラウドベースのFusion 360がとても便利でしたね。さらに外装は全て外注なのですが、それぞれの担当者から外注先にCADデータを送るにも、Fusion 360を活用しています。」(赤澤氏)

PLEN CUBEをパワーアップさせるための挑戦

最後に赤澤氏は、今後やってみたいことについて次のように語りました。

「サービス・ロボットは、私たちにとって初めての領域です。その領域で小さいロボットって、市場的にはまだほとんどないと思いますので、今後も全く別の違うものを開発するというよりは、PLEN CUBEの後継や、それと連携するものを開発していきたいと思っています。ちなみに、プレンプロジェクトのほうも継続していますので、引き続き、小型人型ロボットやそれに付随するようなコンテンツを開発していきたいと思っています。」 (赤澤氏)

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