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32bit版と64bit版の違いは?変更手順や実施時の注意点を紹介

「パソコンの32bit版と64bit版の違いがわからない」と感じたことはありませんか?
32bit版のパソコンと64bit版のパソコンでは、一度に処理できるデータ量が異なるため、処理速度やメモリ容量などが異なります。
現在主流なOSとなるWindows 11の前身・Windows 10には32bit版と64bit版がありますが、2025年10月14日のMicrosoftでのサポート終了にあたって、「今のパソコンが32bitなのか64bitなのか知りたい」「今使っているパソコンでWindows 11を使えるのか」と考えている方も多いでしょう。
特に32bit版のパソコンを使っている場合、通常の方法ではWindows 11にアップグレードできないため、手順を正しく理解することが重要です。
この記事では、パソコンの32bit版と64bit版の違いや、自社のパソコン環境を確認する方法、32 / 64bit版それぞれのパソコンでWindows 11を使用する方法やアップグレード手順のWindows 10から64bit版のWindows 11にアップグレードする方法を詳しくご紹介します。アップグレード時の注意点も挙げているため、ぜひ最後までご覧ください。
パソコンの32bit版と64bit版の違い
パソコンには32bit版と64bit版の製品があり、それぞれ処理性能や使用できるストレージ容量などが異なります。まずは、32bit版と64bit版の違いについてご紹介します。
そもそも「bit」とは?
bit(ビット)とは、binary digit(バイナリーディジット)の略で、コンピューターが使うデータの最小単位を指します。bitは、以下のように数が大きくなるほど処理できるデータ量が増えます。
bit数は、1bit=2通り、2bit=2の2乗=4通り、3bit=2の3乗=8通りといった計算で行われ、各bit数で処理できるデータ量は次の通りです。
bit数 | 処理できるデータ量 |
---|---|
1bit | 2通り |
2bit | 4通り |
3bit | 8通り |
4bit | 16通り |
5bit | 32通り |
10bit | 1024通り |
20bit | 約104万通り |
32bit | 約42億通り |
64bit | 約18京4500兆通り |
このように、bit数が増えるごとに処理できるデータ量は変化し、32bitと64bitにおいては、処理できるデータ量にかなりの差があることがわかります。
処理速度
パソコンの処理速度は、CPUの性能によって異なります。32bitよりも64bitのCPUのほうが一度に処理できるデータ量が多いため、64bitのほうが処理速度が速くなります。
そのため、64bitのCPUであれば一度で処理できるデータを32bitでは複数回処理を重ねなければならないこともあるため、特に高負荷な作業を行う際は32bit版のパソコンの場合、快適に作業を進められない可能性があります。
ストレージ容量
32bit版のパソコンの場合、ストレージでは2TBまで使用できます。一方で、64bit版のパソコンでは4TB以上のストレージが使用可能です。
32bit版のパソコンでは、2TB以上のストレージを使用する場合、2TB以内に収まるようパーティション(分割)する必要があります。64bit版のパソコンでは、分割せずとも4TB以上のストレージを使用できるため、大容量のデータを保存したり、複数のOSをインストールしたりすることが可能です。
メモリ容量
メモリは、CPUが処理するデータを一時的に保存する際に使われますが、32bit版のパソコンでは4GBのメモリ容量までしか認識できません。一方で、64bit版のパソコンでは2TB以上のメモリに対応しており、一般的なパソコンで使われる16GBや32GB、64GBといったさまざまな容量のメモリを認識できます。
4GBのメモリでは、ウェブブラウジングやメールの送受信など簡単な事務作業は行えますが、複数のアプリやブラウザを起動したり、動画編集など負荷のかかる作業を行ったりすると、メモリ不足によって正常に動作しない可能性があります。
上記のように、64bit版のパソコンでは大容量のメモリも使用できるため、複数アプリ・ブラウザの同時使用はもちろん、動画編集やCADなどパソコンに負荷のかかりやすい作業も快適に行えるようになります。
32bit版と64bit版のどちらを選ぶべきか

上記では、32bit版と64bit版の主な違いをご紹介しました。64bit版のほうが処理性能が高く、多くのデータを保存できるため、64bit版のパソコンを使用したほうが作業効率を高められるように感じられますが、実際は32bit版と64bit版のどちらを選ぶべきなのでしょうか。
現行の機種はほぼ64bit版
2025年6月現在、市場で販売されているWindows パソコンのOSはWindows 11です。Windows 11を搭載するには、最低システム要件として64bit版のCPUが求められているため、Windows 11を搭載したパソコンは全て64bit版であるといえます。
参照:Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する|Microsoft
前身となるWindows 10までは32bit版も提供されていましたが、すでに最新機種の出荷は終了しており、市場在庫をもって販売を終了するため、現在販売されている機種はほぼ64bit版を搭載したWindows 11です。
新しくPCを購入するなら64bit版であるWindows 11
Windows 11の普及に伴い、現在は64bit版に対応したソフトウエアが主流となっており、32bit版対応のソフトウエアは減少傾向にあります。また、32bit版のパソコンでは64bit版対応のソフトウエアは使用できないものの、64bit版のパソコンでは32bit版のソフトウエアを使用できるため、32bit版と64bit版の購入に迷った場合は、64bit版をおすすめします。
なお、上記で挙げたWindows 10は、2025年10月14日をもってMicrosoftでのサポートが終了します。サポートが終了したOSは、不具合や脆弱性が見つかった場合も修正パッチなどが提供されなくなり、自己責任で対応しなければならないことから、サイバー攻撃などのセキュリティーリスクが高まるため、これから新たにWindows 10のパソコンを購入することはおすすめできません。
参照:Windows 10 へのダウングレードについて|Microsoft
そのため、現行の機種の中から新たにパソコンを導入する場合は、市場在庫として残っている32bit版・64bit版のWindows 10を購入するよりも、Windows 11を購入するとよいでしょう。
パソコンの買い替え前後にやることについてまとめた記事もあるため、パソコンの買い替えが必要な場合は、ぜひこちらも併せてご覧ください。
自社のパソコンが32bit版か64bit版か確認する方法
上記の通り、Windows 11は最低システム要件として64bit版のCPUが搭載されているため、現在Windows 11のOSを使用している場合は64bit版であると判断してよいでしょう。
Windows 10で、自社のパソコンが32bit版か64bit版か確認する方法は、以下の通りです。
- 1. 「スタート」をクリックする
- 2. 「設定」をクリック
- 3. 「システム」をクリックする
- 4. 「バージョン情報」をクリックする
- 5. 「デバイスの仕様」内の「システムの種類」を確認する
「システムの種類」に「32 ビット オペレーティング システム」と記載されている場合は32bit版、「64 ビット オペレーティング システム」と記載されている場合は64bit版を使用しています。
参照:32 ビットと 64 ビットの Windows: よく寄せられる質問|Microsoft
なお、Windows 11では、「スタート」>「設定」>「システム」>「バージョン情報」の「システムの種類」から64bit版のCPU(プロセッサ)が搭載されていることを確認できます。

32 / 64bit版それぞれのパソコンでWindows 11を使用するにはどうすればよい?
ここまで、自社のパソコンが32bit版か64bit版か確認する方法をご紹介しました。現在使っているパソコンが32bit版や64bit版のWindows 10だったものの、サポート終了に合わせてWindows 11にアップグレードしたいという方も多いのではないでしょうか。
現在使用しているパソコンを買い替えずにWindows 11を使用するには、32bit版と64bit版それぞれで方法が異なります。
32bit版パソコンを使用している場合は64bit版にアップグレードが必要
上記の通り、Windows 11は64bit版しか提供されていないため、32bit版のWindows 10ではWindows 11のシステム要件を満たせず、アップグレードできません。
しかし、32bit版のパソコンが64bit版にも対応しており、Windows 11のシステム要件も満たしている場合、一度64bit版のWindows 10をクリーンインストールすることで、Windows 11へアップグレードできるようになります。
なお、クリーンインストールではPC内のデータが初期化されてしまうため、あらかじめデータのバックアップを取っておきましょう。
64bit版パソコンを使用している場合は、通常のアップグレード手順でOK
現在使用しているパソコンが64bit版の場合は、通常のOSのアップデートと同様に、設定画面の「Windows Update」からWindows 11へアップグレードできます。
ただし、64bit版のパソコンでもWindows 11のOSをインストールするためのスペックが不足している場合は、PCを買い替える必要があるため、注意が必要です。
それぞれの詳しい手順は、次にご紹介します。
Windows 11を使用するための手順

上記の通り、32 / 64bit版のパソコンでもWindows 11へアップグレードすることは可能ですが、それぞれで手順が異なります。
32bit版のパソコンを使用している場合は、以下でご紹介する手順の1~4、64bit版のパソコンを使用している場合は、手順の4を行ってください。
なお、どちらのパソコンを使用していた場合も、Windows 11へアップグレードするにはWindows 11の最小システム要件を満たしている必要があるため、初めに自身のパソコンにWindows 11をインストールできるかを確認しておくとよいでしょう。
Windows 11の最小システム要件はMicrosoftのウェブサイトで公開されています。以下のページに記載のシステム要件を満たせていなかった場合は、PCの買い替えが必要となります。
参照:Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する|Microsoft
1.64bit版対応プロセッサを搭載しているか確認する
初めに、現在使用しているパソコンが64bit版のCPU(プロセッサ)をサポートしているかを確認します。
- 1. 「スタート」をクリックする
- 2. 「設定」をクリック
- 3. 「システム」をクリックする
- 4. 「バージョン情報」をクリックする
- 5. 「デバイスの仕様」内の「システムの種類」を確認する
Windows 10における32bit版のシステムの種類は以下の2種類があります。
①32 ビット オペレーティング システム、x64 ベース プロセッサ ②32 ビット オペレーティング システム、x86 ベース プロセッサ |
①の場合は、32bit版のCPUがインストールされているものの、64bit版のCPUにも対応しているため、アップグレードが可能です。
一方で、②の場合は、32bit版のCPUのみに対応しているため、64bit版へのアップグレードができません。現在使用しているパソコンが②に当てはまる場合は、現在の機種でWindows 11を使用できないため、買い替えが必要です。
また、64bit版のWindows 10がインストールできたとしても、Windows 11の最小システム要件を満たしていない場合、Windows 11へのアップグレードができないため、必ず上記のMicrosoftのウェブサイトから、最小システム要件をご確認ください。
2.データのバックアップを取る
万が一、インストール中に不具合が生じたり、変更作業に失敗したりした場合、データが消失する可能性があります。重要なデータを失わないよう、あらかじめ外部ストレージにデータのバックアップを取っておきましょう。
3.64bit版Windows 10をクリーンインストールする
データのバックアップが完了したら、Microsoftの公式サイトからWindows 10のインストールメディア作成ツールをダウンロードし、64bit版をクリーンインストールします。
- 1. 「Windows 10 のダウンロード」へアクセスする
- 2. 「今すぐダウンロード」をクリックしてインストールメディア作成ツールをダウンロードする
- 3. ダウンロードした「MediaCreationTool.exe」を開く
- 4. ライセンス条項を確認し、同意する
- 5. 「実行する操作を選んでください」で、「別の PC のインストール メディアを作成する(USB フラッシュ ドライブ、DVD、または ISO ファイル)」を選択し、「次へ」をクリックする
- 6. 「言語、アーキテクチャ、エディションの選択」で、「この PC におすすめのオプションを使う」のチェックを外してから「アーキテクチャ」を「64 ビット(x64)」に変更し、「次へ」をクリックする
- 7. 「使用するメディアを選んでください」で、「USB フラッシュ ドライブ」か「ISO ファイル」のどちらかを選択する
以下では、ISOファイルを選択した際の手順をご紹介しますが、基本的な流れは同じです。USB フラッシュ ドライブを選んだ際は、USBメモリ内のデータがすべて上書きされてしまうため、あらかじめデータが入っている場合、事前にUSBメモリ内のデータを別の場所に移動させましょう。
- 8. ファイル名と保存場所を設定する
- 9. 64bit版Windows 10のファイルダウンロードが始まるため、完了後、DVDにコピーする
- 10. パソコンを再起動し、BIOS画面を開く
(BIOS画面は、一般的にパソコンの起動時にF2キーやDeleteキーなどを押すことで開きますが、キーや開き方はパソコンのメーカー・モデルによって異なります) - 11. Boot選択メニューから、「CD-ROM Drive」を選ぶ
- 12. 「Press any key to boot from CD or DVD」が表示されたら、すぐに任意のキー(Enterキーなど)を押す
- 13. インストールする言語やキーボード設定を選択し、画面の案内に従ってインストールを進める
- 14. インストールが完了したら、「設定」>「システム」>「バージョン情報」>「デバイスの仕様」内の「システムの種類」が「64 ビット オペレーティング システム、x64 ベース プロセッサ」に切り替わっているか確認する
4.Windows 11にアップグレードする
64bit版のWindows 10のクリーンインストールが完了したら、Windows 11へアップグレードします。Windows 11へのアップグレードは、設定画面から行います。
- 1. 「スタート」をクリックする
- 2. 「設定」をクリックする
- 3. 「更新とセキュリティ」をクリックする
- 4. 「Windows Update」をクリックする
- 5. 「この PC で Windows 11 を実行できます」と表示されているか確認する

- 6. 「更新プログラムのチェック」をクリックする
- 7. Windows 11の準備ができていることを示すメッセージが表示されたら、「ダウンロードしてインストール」をクリックし、アップグレードを進める
参照:Windows 11 無償アップグレード方法や条件を解説|Microsoft
参照:Windows 11 のアップグレードの準備|Microsoft
32bit版Windows 10から64bit版Windows 11に変更する際の注意点
上記では、32bit版Windows 10から64bit版Windows 11にアップグレードする方法をご紹介しました。
Windows 10はサポート終了が迫っているため、早めの変更作業が必要ですが、32bit版Windows 10から64bit版Windows 11にアップグレードする際は、16bit版アプリの使用や、これまでに使用していた周辺機器やアプリの使用ができなくなる可能性もあるため、事前の確認が必要です。
64bit版では16bit版のアプリが使用できなくなる
64bit版のパソコンでは、Windows 7や32bit版のWindows 10にあった16bitエミュレータが実装されておらず、16bit版のアプリを起動しようとすると、「このアプリはお使いの PC では実行できません」とエラーが表示されます。
そのため、これまで16bit版のアプリを使っていた場合は、同じメーカーから提供されている最新版のアプリを使用するなど、代替アプリを用意する必要があるため注意が必要です。
ただし、64bit版のWindowsでは一部の16bit インストーラーが自動的に32bit インストーラーに変換され、使用可能になる場合もあります。
参照:64 ビット バージョンの Windows では、16 ビット コンポーネント、16 ビット プロセス、または 16 ビット アプリケーションはサポートされていません|Microsoft
周辺機器やアプリがWindows 11に対応していない場合がある
周辺機器やアプリによっては、64bit版に対応していても、Windows 11に対応していない可能性があります。
なお、Windows 10と11は基本的に互換性があり、Windows 10対応アプリの99.7%以上が Windows 11でも機能するため、基本的にほぼ全てのアプリをそのままWindows 11でも使用できるでしょう。しかし、100%互換性があるわけではないため、常に業務で使用するアプリがある場合は、事前にアプリの提供元のウェブサイトなどを確認し、互換性を確かめておきましょう。
Windows 10、11の互換性について詳しくご紹介している記事もあるため、ぜひ併せてご覧ください。
参照:法人向け Windows デバイス管理|Microsoft
まとめ
この記事では、パソコンの32bit版と64bit版の違いや、自社のパソコン環境を確認する方法、32bit版のWindows 10から64bit版のWindows 11にアップグレードする方法、アップグレード時の注意点を詳しくご紹介しました。
64bit版のパソコンは32bit版よりも処理速度が速く、ストレージ容量が大きいことから、複数のアプリやブラウザを立ち上げての作業や、高負荷な作業などを快適に行える特長があります。
現在使用しているパソコンが32bit版のWindows 10の場合は、Windows 11へアップグレードする前に一度64bit版のWindows 10をクリーンインストールしたうえで、Windows 11をインストールする必要があり、変更作業が複雑になります。
「Windows 11へのアップグレード方法がよくわからない」「自社の大量の台数を一気にアップグレードするリソースがない」といったお悩みを抱えている方は、SB C&SのWindowsマイグレーション相談センターへぜひご相談ください。
お客様の作業環境や現在の運用方法などを丁寧にヒアリングしたうえで、最適な変更方法をご提案します。

SB C&Sについて
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