事例Microsoft Azureの導入事例をご紹介します。

働き方改革への対応としてリモートワークの普及が進んでいます。そこで課題となるセキュリティ確保へのソリューションとして「DaaS」が注目を集めています。マイクロソフトもAzureベースの「DaaS」である「Windows Virtual Desktop」(以下「WVD」)を提供しています。今回は、本サイトを運営するSB C&Sのパートナーであり、WVDの導入支援に積極的に取り組むパーソル プロセス&テクノロジー株式会社のご担当者様に、WVDの優位性や導入のポイントについてお聞きしました。

きっかけ

サードパーティのDaaSからWVDへのリプレイスをはじめ、WVDに対するニーズが増加

今回お話を伺ったパーソルP&Tは、従前からマイクロソフト社と強いつながりを持ち、マイクロソフトが優れた技術力、専門性、販売実績を認定している、Gold クラウド コンピテンシー パートナーの企業です。

また、マイクロソフト社が主催する「Microsoft MVP アワード」では、2018年に続き2019年もAzure部門でMVPを受賞するエンジニアを擁するなど、Azureに関して高い技術力を蓄積しています。

パーソルP&TがAzureのソリューションを提供し始めたのは2011年頃。同社のシステムソリューション事業部マネジャーの岩﨑喜寿氏は、「マイクロソフトからの依頼で、エンドユーザーだけではなくこれからAzureに取り組もうとする他のSIerさんに対する技術支援や問い合わせ窓口としても対応していた」と当時を振り返ります。

このような先駆者としての活動は現在も続いており、クラウドサービスを取り扱うディストリビューター向けに見積もり支援や技術サポートなどを行うなど、SIerの枠を超えた役割も果たしています。

岩﨑氏いわく、「現在、WVDを導入または、検証段階(以下、「PoC」)も含めて導入を検討している企業は20社程度あり、その業種は製造業から、エンジニアリング、ハウスメーカー、教育系、や人材、精密機器やホテル業など多岐にわたり、それぞれの規模感も大手から中堅、またベンチャー企業など多岐に渡る」とのこと。既にWVDの導入は積極的に進んでいるようです。

WVDが提供される以前は、Azureでの利用が可能なDaaSはCitrix社のCitrix CloudやVMware社のVMware Horizon Cloudが有名でした。これに対し、WVDはマイクロソフトが自ら提供するものであり、Azureとの親和性には非常に高い安心感があります。

「既存のCitrix Cloudなどのサードパーティからのリプレイスと、新規でAzureを導入するに伴いWVDも導入するという2軸のニーズがあります。それらのニーズにおいて当社は、現在の社会的な潮流である働き方改革の推進と、拠点の拡大やグローバルな事業展開を推進する企業を支援するために、WVDの導入を提供するに至りました」と岩﨑氏はいいます。

施策内容

手軽に始められコストも魅力的かつ働き方改革やリモートワークとの高い親和性

WVDの商品的なメリットとは、「コスト面」と「導入スピードの速さ」、そしてなんといってもマイクロソフト純正商品としての「互換性」です。

まず、コスト面に関してパーソルP&Tソリューション統括部の菊池亮介氏は、「従前のWVD以外のクラウドDaaSでは、コスト面をクリアして導入できる企業が少なかった」と語ります。

Azure上でサードパーティのDaaSを導入するには、ライセンスが必要となります。これが思いのほかコスト高のため、導入や更新の障害となっていました。しかし、WVDのリリース以前はサードパーティのDaaSしか選択肢がない状況でした。

WVDの登場は、こういった状況に変化をもたらします。WVDは、最低限のAzure環境とWindows10のライセンスがあれば導入が可能となります。また、Windows10のライセンスはDaaSを利用するユーザー数だけあれば良いので、導入/運用の費用を最適化できます。

岩﨑氏は、「1ユーザーあたりの利用料が手頃な金額になって利用しやすくなった」とWVDのコスト面での優位性を語ります。

次に、「導入スピードの速さ」ですが、Azure上にてWVD環境を短時間で構築することが可能なため、同社の顧客が3週間程度で実際の利用を可能にした事例もあります。

また、DaaSは導入時にユーザーに対するトレーニングが必要と思われがちですが、WVDでは大掛かりなトレーニングは不要です。今までWindows10を使っていたユーザーであれば、WVDに移行してもアプリケーションも含めて操作環境は変わりません。

最後に、「互換性」については、WVDがマルチセッション対応であるということが挙げられれます。このマルチセッションによって、仮想マシン上で稼働するソフトウェアを複数のユーザーが共有することができます。つまり個々のユーザー側では通常のWindowsですが、管理者としては1台の仮想マシンとなりますので管理が簡単になります。また、仮想マシンのリソースも最適化できる点においてもコスト的なメリットが生まれます。

Azure + WVDの環境では、立ち上げる仮想マシンの数やスペックはもちろん、1台のWVDの共有ユーザー数も細かに設定できます。これにより目的や作業内容に応じたDaaSの環境を作り、個々のユーザーに対して快適な作業環境が提供できるのです。

結果

基幹システムと分離させ、ビジネス環境の堅牢性向上に利用

WVDはマイクロソフト製のDaaSということで、Officeアプリケーションとの親和性にも不安はありません。また、信頼性の高いAzure上でWindowsが動作するため、セキュリティ面での優位性もあります。

ますます、重要視されてきている“働き方改革”に対応するため、企業内の作業環境が刷新される場面が目立っています。オフィス内で従業員が仕事をする場所を定めないフリーアドレスや在宅勤務、モバイルワークなど、ネットワークが重要な役割をもつ働き方も一般化してきています。このような作業環境では、ネットワークが堅牢かつ高速であることが求められますが、あらゆる要求にWVDはマッチするでしょう。

岩﨑氏は「個人情報を多く持つ業種でインターネット分離のためにDaaSを使いたいという事例もある」といいます。これは販売管理や在庫管理、財務などに関する基幹システムと情報系システムをネットワーク的に分離することを指します。

現在、多くの企業で社内ネットワークが構築されています。しかし、同一のネットワークを基幹系システムと情報系システムが共有しているケースが多いようです。この状態で情報系システムにモバイル環境が追加されると、基幹系システムのセキュリティ脅威が一気に高まります。

情報系のシステムとしてはメール、スケジュール管理、Web関係などがありますが、これらは基幹系のシステムに比べればセキュリティの脅威にさらされる度合いが高い傾向にあります。そこで、これらを基幹系と別のネットワークに移し、情報系システムで万が一トラブルが発生しても、それが基幹系システムに及ばないようにすることで安全性を高めます。

もちろん、WVDを使うことで従来のネットワークよりもセキュリティ面での安心感は高まりが、「仮想マシン上からデータをダウンロードさせない制御を望んでいる事例が多い」と岩﨑氏はいいます。

DaaSでは、たとえば自宅に居ながら会社の情報にもアクセスできます。しかし、設定によってダウンロードを不可にできるので、大量のファイルがコピーされ外部に流出するような危険性は避けられます。また、データの冗長化や定期的なバックアップなども行えますから、かつてのように単体で起動するPCを外部に持参して作業するのと比べて、安全性は数段高まるといえます。

今後の計画

WVDをより手軽に運用するためのオプションサービスの立て付けも計画中

現在、パーソルP&TによるWVDの導入事例は、PoCの段階がほとんどですが、その数は増え続けているそうです。

2019年10月1日(日本時間)のリリース直後の段階において既に20社以上ものPoCがスタートしているのは、WVDというサービスへの期待値の高さを表していると同時に、エンタープライズ系を含めこれまで多くのソリューションを手掛けてきたパーソルP&Tの貢献度やノウハウの蓄積も評価されている結果といえるでしょう。

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
総合人材サービス・パーソルグループの「ITOセグメント」中核会社として、人・プロセスデザイン・テクノロジーの力で、人と組織の生産性を高めることを使命としています。
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