「GIGA端末の故障」にどう向き合うべき?リプレース前に整理しておきたい、持続可能な保守・管理の考え方


GIGAスクール構想により児童生徒へ一人一台、端末が配備されました。一方で、導入から数年が経過し、故障端末の増加やバッテリーの劣化、更新時期の到来といった課題が顕在化しています。
こうした状況を踏まえ、単なる修理対応にとどまらず、計画的な更新(リプレース)と持続可能な保守管理の検討が求められています。
学校や教育委員会などは、GIGA端末の故障にどのように向き合うべきでしょうか。
そこで今回は、GIGA端末の導入状況から故障の実情と放置のリスク、さらに、持続可能な保守管理の考え方について解説します。
GIGAスクール構想とは?GIGA端末の現状
まずはGIGAスクール構想の概要と、GIGA端末の導入状況を確認します。
GIGAスクール構想とは?
GIGAスクール構想とは、文部科学省が2019年度に提示した政策で、全国の小中学校に一人一台の学習用端末と、高速・大容量の通信ネットワークの整備などを通じて学校のICT環境を整備・活用することで、教育の質を向上させ、すべての子どもたちの可能性を引き出す「個別最適な学び」と「協働的な学び」の実現を目指すものです。
現在は、第2期の「NEXT GIGA」が進められており、整備した端末を継続的に活用し続けることや、劣化した端末の更新に関する検討、教員の指導力の底上げなど、活用・運用フェーズの課題解決に重点が置かれています。
国が端末更新や自治体間格差を是正するための補助金を交付するほか、教員のICT活用能力向上の研修を推進するなどの課題解決策が進められています。
【関連リンク】
NEXT GIGA(GIGAスクール構想 第2期)とは?課題と補助金を解説
GIGA端末の導入状況
文部科学省の統計データ(令和4年度末時点)(※1)によれば、全自治体等のうち、99.9%が2022年度内に整備完了しており、ほぼすべての学校において導入が進んでいます。
また高等学校段階(令和6年5月1日時点)(※2)においては、都道府県立と市区町村立の両方を含めた整備率は、前年の93.8%から約12ポイント伸びて106.2%となりました。
これは予備機や追加整備分を含むためであり、必要数を十分に満たしている状況といえます。
さらに、文部科学省の統計データ(令和6年3月1日現在)(※3)によれば、小中高などすべての学校では、児童生徒一人あたりの学習用端末台数は1.1台/人となり、全員に行き渡っていることがわかります。
現在は公立学校の学習者用コンピュータ等の情報機器を効率的に整備更新することを目的とした「GIGAスクール構想加速化基金」事業が推進されており、5年程度をかけて端末の計画的な更新が進められています。
※1 出典:文部科学省「義務教育段階における1人1台端末の整備状況(令和4年度末時点)」
※2 出典:文部科学省「高等学校段階における学習者用端末の整備状況について(令和6年度当初)」
※3 出典:文部科学省「令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)(令和6年3月1日現在)〔確定値〕」
GIGA端末の故障の実情と放置のリスク

ところで、GIGA端末の故障の実情はどうなっているのでしょうか。また学校側がGIGA端末の故障を放置するリスクについて見ていきましょう。
「学習者用端末の故障が多い」と感じる割合は3~4割
文部科学省の調査結果(※4)では、小中学校の校長のうち3~4割が「学習者用端末の故障が多い」と認識しています。
導入から数年が経過した現在、故障対応は多くの学校にとって現実的な課題となっています。
※4 出典:文部科学省「GIGAスクール構想の現状について(令和5年5月16日)」
GIGA端末の主な故障原因
では、どのような原因による故障が多いのでしょうか。自治体や学校現場の運用実態から、誤って落下させてしまうなどの物理的要因が主な原因とされています。
授業中は、机の上に教科書やノートなど端末以外の物も置かれているためスペースが狭く、また持ち運びの際の不注意で落下させてしまうことがあります。
ほかにも、端子口に鉛筆や消しゴムなどを入れてしまう、屋外授業時に端末にゴミや砂が入ってしまう、水筒の水が漏れてしまい故障してしまうなどがあります。
GIGA端末の故障や不具合を放置するリスク
GIGA端末の故障や破損はもちろんのこと、ちょっとした不具合を放置することは、学校側と児童生徒双方に大きなリスクがあります。
端末を使用できない状態が続くと、児童生徒の学習の遅れにつながります。また、軽微な不具合を放置すると状態が悪化し、修理費や更新コストが増大することもあります。さらに保存していた学習データや履歴がクラウドサービスと同期されず更新されない状態が続く可能性があり、せっかく高度なICT環境を整備しても成果が出ない結果となってしまいます。
GIGA端末が故障した場合の対応方法

もしGIGA端末が故障してしまった場合、どのように対応すれば良いのか、あらかじめ確認しておくことが必要です。
GIGA端末が故障した場合の対応方法
文部科学省は、GIGA端末が故障した際の対応例として、次の流れを提示(※5)しています。
1.学校が教育委員会へ故障・破損を報告する。 2.学校が教育委員会へ修理を依頼する。 3.学校は教育委員会から支給される予備機と交換する。 4.教育委員会は故障端末の修理対応を行う。
修理対応の選択肢として、次の3つがあります。
保守保守会社が学校を訪問してその場で修理対応を行ったり、故障端末を引き取って修理対応します。
動産保険故障発生時に補償対象の事故等に該当すれば、保険適用の範囲内で保険会社が修理費として支払います。補償限度額の範囲内であれば、自己負担なく修理可能です。
上記によらない修理または購入学校や教育委員会が、修理業者へ修理を依頼し、学校設置者が修理費用を全額負担します。修理が困難または修理費が高額になる場合は、故障した端末を廃棄し、新規で端末を購入します。
※5 出典:文部科学省「次期ICT環境整備方針の検討について(令和5年12月13日)」
GIGA端末の適切な廃棄方法
GIGA端末の故障後に廃棄する場合は、適切な処分が必要です(※6・7)。
端末には有用な金属が含まれていることから、適正な再使用または再資源化を推進します。
地域内での再使用の例
校長・教頭、指導者、スクールカウンセラー等の業務用として、学校図書館、地域学校協働活動での活用などが考えられます。
再使用・再資源化の手法
地域内での再使用が困難な場合、小型家電リサイクル法に基づく認定事業者または、資源有効利用促進法に基づく製造事業者等への処理委託を行います。
※6 出典:文部科学省「1人1台端末等の適切な処分(再使用又は再資源化)等について」
※7 出典:文部科学省「GIGA スクール構想の下で整備された1人1台端末等の適切な処分(再使用又は再資源化)等について」
GIGA端末の故障を予防する方法

日頃から、GIGA端末の故障を予防する施策を行っておくことも重要です。
予備機の準備
NEXT GIGAでは、予備機の整備も推奨されています。万が一の故障時にも学びを止めずに対応することが可能です。
GIGA端末を使用しやすい特別教室の設置
パソコンやタブレットを置いて作業しやすい広い机の特別教室を設置し、落下防止や通路幅の確保など環境整備をします。
保護カバーの活用
専用の保護カバーを支給し、常に保護した状態で取り扱うことも有効です。
机の天板拡張、落下防止ボードの設置
通常の教室で使用する学習机に天板の拡張や落下防止ボードを設置するなども有効です。
物理的な対策だけでなく、端末を長く安全に使用するためには、持続可能な保守管理の意識を持つことも重要です。保守管理は民間企業などの専門家に任せることで、安心感を得られる場合もあるでしょう。
まとめ
GIGA端末はすでに児童生徒一人一人に行き渡っており、新たな学びの環境が整っています。同時に故障対応の必要性が増していることから、持続可能な保守管理の考え方をベースに持ち、日頃からの予防策や新規購入(リプレース)の検討を進めていきましょう。
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