新しいポートフォリオについて vSphere製品群の再編
4つのエディションに再編された製品ポートフォリオ
注意事項
本ページに掲載している情報は「2024年10月1日時点」の情報となります。
2024年2月5日以降に満了する既存のご契約について、Perpetual ライセンスでの更新はできず、全て新しい製品ポートフォリオでの新規買い直しが必要となります。
VMware製品ポートフォリオの変更
仮想化プラットフォームである vSphere は、4 つのエディションに再編され、それぞれのエディションへのアドオンとして、必要な機能拡張していく形態へと変更となります。また、Workspace ONEや Horizon などの EUC 製品は、⼀部を除いて VMware の製品ポートフォリオからは除外となります。
- 販売方法の
簡素化 -
4 つのパッケージ + アドオンの形に
変更となります。基本的に製品単体での販売は終了。
- ライセンス単位の
変更 -
CPU 単位からコア単位に
変更となります。物理 1 CPU あたり、
最低 16 コアとして算出します。
- ライセンスはすべて
Subscription 型 -
Perpetual(永続)ライセンスの
新規販売が廃止されます。
vSphere 関連をご利⽤中のお客様でサポート延⻑をご希望の場合は、全て新規買い直しとなります。
※契約開始⽇の調整はできません。
既存で Perpetual ライセンス + SnS をご契約中のお客さまについては「現在 Perpetual (永続)ライセンス + SnS をご契約のお客さまについて」をご確認ください。
新しい4つのエディション
※本ページに掲載されている情報は 2024年10月1日時点のものとなります。
すべての Perpetual ライセンスおよび SnS が EOS = 販売終息しました。新しいポートフォリオは、各エディション毎にアドオンで追加購入できる機能が異なっています。特に仮想ストレージ機能を提供する vSAN を使用する場合は、VMware vSphere Foundation か VMware Cloud Foundation、仮想ネットワーク機能を提供する NSX を使用する場合は VMware Cloud Foundation を選択する必要があります。また、すべてのエディションは、サブスクリプション形式で提供され、ライセンス単位は CPU 単位 から コア単位でカウントとなります。
Essentials Plus (VVEP) VMware vSphere
Standard (VVS) VMware vSphere
Foundation (VVF) VMware Cloud
Foundation (VCF)
VMware vSphere Essentials Plus (VVEP)
小規模向けの仮想化環境
「VMware vSphere Essentials Plus (VVEP)」は、小規模な仮想環境に最適化されたサービスをコスト効率よく利用できるエディションです。ただし、利用できる機能に制限があり、最大で 3 ホストまでしか拡張ができません。
災害対策やランサムウェア対策といった、仮想化基盤を高度化する追加サービスもアドオンで利用可能です。
サポートは 5 月より、Broadcom Software Maintenance に統一されました。
「その他の注意事項]
●VMware vSphere Essentials Plus (VVEP)は、他のエディションとの混在はできません。VVEP の vSphere や 同梱される vCenter は、VVEP
エディション内、または既存の Perpetual ライセンスとの組み合わせで使用可能です。
- VVEP に含まれる製品
-
- VMware vCenter Essential
- VMware vSphere Essential Plus 96 Cores (Max: 3 Host)
VMware vSphere Standard (VVS)
ホスト制限が無く拡張性の高い仮想化環境
「VMware vSphere Standard (VVS)」は、小中規模の仮想環境向けに最適な、柔軟性の高いエディションです。
必要に応じてホストの追加ができるため、高いパフォーマンスの仮想化環境の構築が可能です。利用可能なアドオンサービスは、VVEP と同じです。
サポートは 5 月より、Broadcom Software Maintenance に統一されました。
「その他の注意事項]
●VMware vSphere Standard (VVS)は、仮想ストレージ機能を提供する VMware vSAN、仮想ネットワーク機能を提供する VMware NSX
のどちらも機能として提供されないだけでなく、アドオンとしても導入ができません。vSAN や NSX の機能を使用する場合は、VMware vSphere
Foundation(VVF)か VMware Cloud Foundation (VCF) を選択ください。
- VVS に含まれる製品
-
- VMware vCenter Sever STD
- VMware vSphere STD
VMware vSphere Foundation (VVF)
vSAN による仮想化ストレージが利用可能な大規模環境向けエディション
「VMware vSphere Foundation (VVF)」は、大規模な仮想環境を構築可能なエディションで、Kubernetes による開発環境を利用可能な「VMware Tanzu Kubernetes Grid」や、マルチクラウド環境の運用を効率化する「VMware Aria Suite Standard」が含まれています。
また、アドオンとして「VMware vSAN」が利用可能となるため、ストレージの仮想化を使用する場合は、VVF以上のエディションを選択する必要があります。
サポートは 5 月より、Broadcom Software Maintenance に統一されました。
「その他の注意事項]
●VMware vSphere Foundation (VVF) に含まれる VMware vSAN Enterprise 100GiB per Core は VMware vSAN Ent
100GiB は、トライアルライセンスの位置付けとなります。アドオンとして VMware vSAN
を新規に購入する場合は、バンドル分の容量は加味されないため、必要なキャパシティー容量分すべてをアドオンとして購入する必要があります。また、トライアルライセンスの利用には vSphere 8.0U2b
以上が必要です。
●バンドルされる VMware Aria Suite Standard には「VMware Aria Operations Advanced」「VMware Aria Operations for Logs」を含みます。
- VVF に含まれる製品
-
- VMware vCenter Sever STD
- VMware vSphere Enterprise Plus
- VMware Tanzu Kubernetes Grid
- VMware vSAN Enterprise
100 GiB Per Core
※トライアル版 - VMware Aria Suite STD
技術者ブログでもっと詳しく
VMware Cloud Foundation (VCF)
NSX による仮想ネットワークを構築可能なマルチクラウド対応エディション
「VMware Cloud Foundation (VCF)」は、マルチクラウド環境の管理や⾃動化を⾼度に実現するエディションです。ネットワークを仮想化し、複数のクラウドを横断して⼀元管理することが可能となります。
旧エディションの「VMware NSX」を利⽤できるのは、VCF エディションのみとなります。
また、旧エディションの「VMware NSX」で提供されていたセキュリティ機能を使用する場合は、「VMware vDefend Firewall」や「VMware vDefend Firewall with ATP」をアドオンとして購入する必要があります。
サポートは5月より、Broadcom Software
Maintenance に統一されました。
※VCF においては、有償オプション(SAM)の追加購入にて、上位サポートを付けることが可能です。
「その他の注意事項]
●バンドルされる VMware Aria Suite Enrerprise では「VMware Aria Operations Enterprise」「VMware Aria Operations
for Logs」「VMware Aria Automation Enterprise」が使用できます。
- VCF に含まれる製品
-
- VMware vCenter Sever STD
- VMware vSphere Enterprise Plus
- VMware Tanzu Kubernetes Grid
- VMware vSAN Enterprise
1 TiB Per Core - VMware Aria Suite Enterprise
- VMware Aria Ops for Networking ENT
- VMware NSX Networking for VCF
- HCX Enterprise
- SDDC Manager
- Select Support
各エディションの比較表
新しいポートフォリオのエディションとアドオン選択時のポイント
新しいポートフォリオでは、各エディション毎にバンドルされている製品やアドオンとして導入できる製品が決められているため、構築する環境や利用したい機能に合わせて購入するエディションを選択する必要があります。
その中でも、特に注意が必要な製品や機能についてご紹介します。
VMware vSphere の製品比較については、公式サイトの資料「VMware vSphere® Product Line Comparison(2024年3月版)」もご参照ください。
DRS / 分散仮想スイッチ(vDS)を使用する場合
- 使用可能なエディション
-
- VMware vSphere
Foundation(VVF) - VMware Cloud
Foundation(VCF)
- VMware vSphere
DRS による vDS(仮想分散スイッチ)は vSphere Foundation(VVF)および Cloud Foundation(VCF)にてご利用可能です。
vSAN / 仮想ストレージを使用する場合
- 使用可能なエディション
-
- VMware vSphere
Foundation(VVF) - VMware Cloud
Foundation(VCF)
- VMware vSphere
vSAN による仮想ストレージ機能は、VVF エディションへの vSAN アドオンの導入、または VCF エディションで利用可能です。vSAN をアドオンとして導入する際のポイントや注意点は「よくある質問」ページの「VMware vSANについて」をご覧ください。
NSX / 仮想ネットワークを使用する場合
- 使用可能なエディション
-
- VMware Cloud
Foundation(VCF)
- VMware Cloud
仮想ネットワーク機能を提供する NSX を利用する場合は、VCF エディションを選択する必要があります。ただし、VCF にバンドルされているのは NSX Networking 機能のみとなるため、分散 FW や分散 IDS / IPS などのセキュリティ機能は別途アドオンとして購入する必要があります。
VMware Cloud Foundation(VCF)
- バンドル
NSX Networking for VCF:
分散ルーティング / スイッチングといったネットワーク機能
VMware vDefend Firewall:
分散ファイアウォール機能を利用したい場合
VMware vDefend Firewall with Advanced Threat Prevention:
分散 IDS / IPS による不正アクセスの検知や防御といったセキュリティ機能を利用したい場合
エディション選択の簡易フローチャート
エディション毎の機能比較表
エディション | VMware vSphere Essentials Plus (VVEP) |
VMware vSphere Standard (VVS) |
VMware vSphere Foundation (VVF) |
VMware Cloud Foundation (VCF) |
---|---|---|---|---|
小規模向け | 小~中規模向け | 中~大規模向け | マルチクラウド運用向け | |
購入単位 | 1 セットにつき3ホスト/ 96 コア(2 セット購入でコア数のみ192まで拡張可能) | 1 CPUあたり最小 16 コアのライセンス | ||
サポート | Broadcom Software Maintenance | Broadcom Software Maintenance + SAM | ||
エディションに含まれるサービス | ||||
VMware vSphere | Essentials Plus | Standard | Enterprise Plus | |
VMware vCenter | Essentials | Standard | ||
VMware Tanzu Kubernetes Grid | × | × | 〇 | 〇 |
VMware vSAN | × | × | 100GiB (トライアル) |
Enterprise (1 コアあたり 1TiB) |
VMware Aria Suite | × | × | Standard | Enterprise |
VMware NSX Networking for VCF(旧 NSX のオーバーレイ等のネットワーク機能) | × | × | × | 〇 |
VMware HCX Enterprise | × | × | × | 〇 |
VMware Aria Operations for Networks Enterprise | × | × | × | 〇 |
SDDC Manager | × | × | × | 〇 |
新しいポートフォリオのライセンス単位について
新しい製品ポートフォリオの Subscription ライセンスは、これまでの CPU 単位のライセンスから、Core 単位のライセンスへと変更になります。1 CPU あたり16 Core が最低購入数で、1 Core 単位で購入できます。
ユーザーの CPU と購入する Core ライセンスの例
- 1 CPU = 12 Core↓
- 購入ライセンスは
16 Core ライセンス
- 1 CPU = 16 Core↓
- 購入ライセンスは
16 Core ライセンス
- 1 CPU = 20 Core↓
- 購入ライセンスは
20 Core ライセンス
- 2 CPU = 12 Core × 2↓
- 購入ライセンスは
32 Core ライセンス※
※各 CPU あたり最低ライセンスの購入数が 16 Core のため、16 Core × 2 CPU = 32 Core ライセンスの購入となります。
新しいポートフォリオでのエディションの混在について
新しいポートフォリオにおいて、以下のようなライセンスによるエディションの混在は不可となっています。一方で、vCenter による ESXi ホストの管理については、新旧のライセンスでの混在が可能です。
- [不可] vSphere Essentials Plus とその他のエディションの混在
-
vSphereEssentials Plus に含まれるvSphere Essentials および vCenterEssentials は、その組み合わせでのみご利⽤が可能です。
- [不可] vSphere Standard とVCF/VVF の混在
-
vSphere の異なるエディションを同⼀クラスタ内でご利⽤する場合、低い⽅のエディションの機能に統⼀されてしまいます。
混在クラスタでは vSphere Standard 機能のみとなるため、クラスタ内でのDRSや分散スイッチなどは利用できません。
ただし、クラスタを分けてご利用いただける場合、同⼀エンドユーザーさまにて異なるエディションをご購入いただくことは可能です。
- [不可] VMware Cloud Foundation(VCF) と vSphere Foundation(VVF)の混在
-
vSphereのエディションは同⼀ですが、VCF と VVF を同⼀ vCenter 配下でご利用いただくことは禁止されています。
※参照:VMware Cloud Foundation VMware vSphere Foundation Pricing and Packaging FAQ
- [可]新しい製品ポートフォリオのライセンス付属の vCenter による既存の Perpetual ライセンスの ESXi ホストの管理
-
Perpetual ライセンスをご利⽤のお客様については、「Broadcom による新しいパートナー制度現在 Perpetual(永続)ライセンス + SnS をご契約のお客さまについて」のページもご確認ください。
- [可]既存の Perpetual ライセンスの vCenter で新しい製品ポートフォリオのライセンスの ESXi ホストの管理
-
Perpetualライセンスをご利用のお客様については、「Broadcom による新しいパートナー制度現在 Perpetual(永続)ライセンス + SnS をご契約のお客さまについて」のページもご確認ください。
無償版の vSphere について
無償版 vSphere (vSphere Hypervisor) の提供は終了となりました。詳しくは「新しい製品ポートフォリオについてよくある質問」ページにある「無償版の vSphere はどうなりますか」をご確認ください。