ついにGAされた Windows Virtual Desktopとは!?[概要/特徴編]
2019.11.18
皆さまこんにちは!SB C&S の井上です。
2018年の Ignite で発表され、2019年3月にパブリックプレビューが開始された注目のサービス、「Windows Virtual Desktop」が9月末に突如 GA されました。
そこで今回は Windows Virtual Desktop とはどういったサービスなのか、概要と特徴についてご紹介していきます。
Windows Virtual Desktop (WVD) とは?
Windows Virtual Desktop (WVD) とは、Microsoft 純正の仮想デスクトップサービスです。
WVD には様々な特徴やメリットがあるので、以下にまとめます。
・Windows 10 マルチセッションを提供する唯一のサービス
・Windows 7 の 3年間の ESU(Extended Security Update) を無償提供
・Azure データセンターのリソースを利用し、素早く展開/スケーリング可能
・Office 365 ProPlus に最適化
・FSLogix の各機能を無償で利用可能
・パートナーエコシステムとの連携で機能拡張
現在、働き方改革の推進によって DaaS や VDI などの仮想デスクトップサービスが注目を集めていますが、WVD には他の仮想デスクトップサービスにはない、WVD 限定の大きなメリットがあります。
そのメリットとは、Windows 10 マルチセッションが利用できるという点です。
Windows 10 マルチセッションとは?
Windows 10 マルチセッションとは、WVD 限定で提供される、マルチセッション機能を備えた Windows 10 Enterprise です。
仮想デスクトップ 提供方式
この機能により、Windows 10 のセッションホスト仮想マシンに複数ユーザーで同時アクセスして利用することができます。
セッションホストがネイティブなクライアント OS で動作するので、サーバー OS で動作するSBCと異なり、半期チャネル、Edge、コルタナ、ストアアプリなども利用可能です。
また、ユーザー専用の仮想デスクトップを提供する VDI と比較して、仮想マシンの台数を大幅に抑えられるため、コストを抑えられるという大きなメリットがあります。
つまり、Windows 10 マルチセッションは SBC と VDI のメリットを併せ持った、新たな方式の仮想デスクトップサービスです。
WVD では Windows 10 だけでなく Windows 7 も提供されますが、Windows 7 のセッションホストではマルチセッション方式がサポートされていない点に注意が必要です。
また、WVD では Windows 7 の延長セキュリティアップデートが無償で提供されますが、あくまでも Windows 10 への移行計画を前提とする延命処置としての利用が推奨されています。
FSLogix とは?
2018年11月に Microsoft が買収した FSLogix の機能を無償で利用できるのも、WVD の大きなメリットの内のひとつです。
FSLogix によって、WVD に以下5つの機能が提供されます。
・Profile Container
・Office 365 Container
・Cloud Cache
・App Masking
・Java Redirection
FSLogix の概要/特徴
これらの機能を利用することで、ユーザーエクスペリエンスの向上、管理者の負担軽減が見込めます。
パートナーエコシステムとは?
WVD では、パートナーエコシステムとして提携しているサードパーティ製品の機能を組み合わせて、WVD の機能を拡張することができます。
現在発表されているパートナーと提供機能は以下の通りです。
パートナーエコシステム一覧
パートナーエコシステムの拡張機能を利用するためには、追加でライセンス料金が必要となりますが、利用者の要望に合わせて機能拡張したり、管理者の負担を軽減したりなど、より柔軟な構成が可能になります。
まとめ
今回は Microsoft 純正の仮想デスクトップサービスである Windows Virtual Desktop の概要と特徴のうち、
・Windows 10 マルチセッション
・FSLogix
・パートナーエコシステム
についてご紹介いたしました。
次回も WVD について、ライセンスや価格、アーキテクチャを中心にご紹介する予定ですので、ご期待ください!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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