「システムを『提供する人』『使う人』『作る人』、すべての人に、想いと技術で応えたい」という思いを社名に込めた、株式会社ヒューマンインタラクティブテクノロジー。特徴は、エンドユーザーにも、一緒にシステムを開発するパートナーや社員に対しても、「どうすればベストなプロジェクトができるか」を考え、提案していく技術力です。
そんな同社が、2016年に設立された新しい製薬会社であるLTLファーマ株式会社(以下、LTLファーマ)のシステム構築案件に参画したのは、2017年4月はじめのことでした。LTLファーマは、長期収載品と呼ばれる特許の切れた先発医薬品の製造販売に特化した新しい製薬会社で、ちょうどこの3月末に、ほかの大手製薬会社から長期収載品を譲り受ける契約を締結した直後でした。
同年10月から本格的に事業を展開するため、契約締結と同時に、オフィスの準備と業務システムをはじめとするインフラ整備がスタート。プロジェクトのコアメンバーとして参加したクラウドソリューションディビジョン ディビジョンマネージャの木暮裕康様は、「製品継承するに当たり、ビジネスを稼動させるために必要となるシステム環境を整備しなければなりませんでした。プロジェクトスタート時は、まだPCやメールシステムすらなかった状態でしたから、そうした最低限のコミュニケーション環境を整備しつつ、並行してシステム開発を進める必要があったのです。そこで、短期での導入を可能にするために、今回のプロジェクトの要件を洗い出していきました」と説明します。
そこであがった要件とは、事業開始の初期投資額をできるだけ抑えられること、運用負荷が少なく、かつ安定性と柔軟性のある環境であること、保有資産を抑えること、データのリカバリ/リストアが確実に実施できること、などです。これらの要件を照らし合わせた結果、採用したのがAzure Virtual Machinesを中心とするAzure IaaSサービスでした。