事例Microsoft Azureの導入事例をご紹介します。

ソリマチ株式会社の「facefarm(フェースファーム)」は、簡単な操作で農業の作業内容を記録・管理するサービスです。農家の方が現場でタブレットやスマホを使って、楽に入力ができる便利なシステムの裏には、スムーズなデータ処理を実現させたAzureの存在がありました。

きっかけ

新規サービス計画時に、将来性を買ってAzureを導入

取締役 平石武様

以前から農家を支援してきたソリマチ株式会社にとって、農作業の記録や合理化は長年の課題でした。テクノロジーは進化するものの、多くの農家にとって煩雑な入力は難易度の高い作業。そういった状況を踏まえて、2012年から新規サービスを立ち上げる計画がスタート。当初からスマホやタブレットでの展開を見越していたこともあり、Azureが導入されることになりました。

施策内容

コストを抑えて、サービス開始

Azure導入の一番の魅力は「初期コストを抑えられること」だったと、取締役として農業情報事業部事業を指揮する平石武様は話します。

新規サービスの導入時に用意する最低限の環境として、Azureはリーズナブルな設定が可能。平石様は「新しく始めるサービスということで、最初は利用者がどの程度になるかは見えなかった。とはいえ、急激に伸びることも考えにくい。そういった状況を考えると、最初はできるだけ投資を抑えたかった。その上で、利用者が増えていくのに合わせて、環境を増やしていくことも必要になる。初期段階を踏まえつつ先のことまで考慮に入れると、Azureが向いているのではないかと考えた」と説明します。さらに従来からWindowsの開発環境に慣れていたこともあって、開発コストも最低限に圧縮し、無駄を極力省きました。

利用料金についても、当初から「あまりに高ければ農家の皆様は使ってくれない」(平石様)と考えて、できる限り低く設定しました。これもAzureを導入したからこそ、実現した施策の1つのようです。

結果

他サービスとの連携も進行中

「facefarm」は現在、多くの 農家に導入されるようになりました。利用者からも「地図を表示して、そのまま使えるところがうれしい」「簡単に入力できるので、私にも使える」など、喜びの声が届いている様子。「農家にとっては記録をつけることで作業の合理化を図れることはもちろん、品質の向上にもつなげられます。さらには技術の伝承という、永遠の悩みもあるのですが、それも記録をつけることで、少しでも若い人にノウハウを伝えることができるようになる。クラウドやスマートフォンの普及といったテクノロジーの発展のおかげです」と、平石様はメリットを強調します。

2013年夏にはヤンマー様と業務提携し、農業機械のGPS情報や収穫情報など(スマートアシスト機能)とのデータ連携が進んでいる状況です。そんなコラボレーションが実現したのも、クラウド環境で進めていたからこその話。平石様は「当初はそんな想定はしておらず、開発途中に話が決まっていった。オンプレミスではデータ連携も、そんな簡単にはいかない。話がふくらんでいったのも、Azureを使っていたからです」と振り返ります。

今後の計画

機能を追加し、できる限り「入力しない」サービスへ進化

「いろいろな機能を追加したい」と話す平石様の念頭にあるのは、できる限り入力作業を排除して農業の記録をつけることができるサービス。「IoTの時代になれば全部の情報がセンサーを通じて入ってくる。水の量、温度管理などはもちろん、農機具の利用状況とか衛星写真からの情報とか。そういった情報を、農家の方が特別に意識することなく活用できるようにしたい」と未来図を口にする平石様。Azureの機能をフルに活用して、農業を支えるサービスを続けていくようです。

ソリマチ株式会社
1972年、新潟県長岡市で創立。国内に多くのグループ会社を展開し、海外にも2拠点を持つ。
現在は自社ブランドパッケージソフト(業務用・農業用)の販売を中心に、システム開発受託、データ入力受託などを手がける。

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