Azureでは何パーセントの稼働率が保証されていますか?
2015.12.09
Q:Azureでは何パーセントの稼働率が保証されていますか?
A:仮想マシン、Cloud Services、App Serviceの主要なIaaS、PaaSでは月間稼働率99.95%、その他のサービスも99.9%の可用性を保証しています。
【解説】
マイクロソフトは、Azureの各サービスについてサービス レベル アグリーメント(SLA)を定め、稼働時間による月間稼働率、および接続に関するコミットメントを公表しています。保証される月間稼働率は各サービスによって異なっており、以下の計算式で求められます。
月間稼働率(%) =(最大利用時間 - ダウンタイム)÷ 最大利用時間 × 100
ちなみに、月間稼働率99.9%の場合、サービスを無停止で利用したときの月間ダウンタイム累計時間が約43分まで許されるという意味になります。
主要サービスの1つである「仮想マシン」では、月間稼働率99.95%の可用性が保証されています。ただし、この可用性には条件があり、同じ可用性セットにデプロイされた2つ以上のインスタンスが必要になります。可用性セットとは、SPOF(Single Point of Failure=単一障害点)を避けるために、異なる障害ドメインにデプロイされた2つ以上の仮想マシンを意味します。障害ドメインとは、電源およびネットワーク接続などの共通のリソースを共有するサーバーのことで、例としてシャーシを共有するようなブレードサーバーは、シャーシ全体で1つの障害ドメインとみなされます。
インスタンスは、ゲストOSのアップグレード処理、ハードウェア障害などで停止する場合があります。これらの停止によるサービスダウンを防ぐために、複数のインスタンスが必須なのです。これにより、たとえばOSをアップグレードする場合は、それぞれのインスタンスが順番にアップグレードされるため、同時に停止することはありません。
Cloud Servicesについては、異なる障害ドメインに2つ以上のロールインスタンスをデプロイした場合に、インターネットに接続するロールについて99.95%以上の時間で外部接続が確保されることが保証されています。また、App Serviceでは、実行されるすべてのアプリが99.95%の時間で利用できることが保証されます(プレビュー版など保証対象外のサービスもあります)。
このほかの大多数のサービスは、99.9%の可用性が保証されています。Azure Storageでは、ストレージの各アカウントからのデータの読み取り要求、各アカウントへのデータの書き込み要求が99.9%の時間で正しく処理されることが保証されています。なお、読み取りアクセス地理冗長ストレージ (RA-GRS) アカウントからのデータの読み取り要求については、99.99%の時間で正しく処理されることが保証されます。
なお、稼働率などAzureの各サービスの可用性については、「サービス レベル アグリーメント」ページ(https://azure.microsoft.com/ja-jp/support/legal/sla/)で確認することができます。
また、「Azure サービスの SLA のまとめ」のページ(https://azure.microsoft.com/ja-jp/support/legal/sla/summary/)には、各サービスの可用性に関する概要がまとめられています。
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