【Azure 基礎用語解説】「Microsoft Azure Stack」
2016.07.13
パブリッククラウドを自社のITシステムの基盤に採用する動きが一般的になっています。
現状、パブリッククラウドのもつ柔軟性、敏捷性といったメリットと、プライベートクラウド(自社データセンター)の持つ堅牢性をはじめとするメリットを両立するには、両者の運用を統合する「ハイブリッドクラウド」が選択肢の1つですが、Azureなら、パブリッククラウドでの機能や環境をプライベートクラウドでも利用が可能になります。これが、「Microsoft Azure Stack」というソリューションです。
マイクロソフトは、「Bring Azure to your datacenter」、すなわち「ユーザー企業のデータセンターにAzureを持ち込む」ことをコンセプトに掲げています。
Azure Stackの製品アーキテクチャ。パブリッククラウドをオンプレミスの環境で利用できる
管理ポータルはAzureと同じ画面構成で、仮想マシンや仮想ネットワーク、データベースサーバー、ロードバランサーなど、Azureのための機能やサービス、環境などを、ユーザー企業のプライベートクラウドで利用できるようになっています。
メリットとしては、IT管理者にとっては、Azureの基盤となるサービスがプライベートクラウド上で利用できるため、オンプレミスのデータセンターリソースをクラウドサービスに柔軟に移行することや、サービスを迅速に立ち上げるといったことが、今までよりも簡単にできるようになります。
また、ソフトウェア開発者にとっては、繁忙期や開発/テストを行うときなど、必要に応じていつでも容易にスケールアウトが可能になり、アプリケーションを自社データセンターで運用することが容易になるといったことがあります。
このようにMicrosoft Azure Stackなら、パブリッククラウドの機能を利用しながら、自社データセンターの制御を維持できるという、両者のメリットを「いいところ取り」したハイブリッドクラウドを実現することができるのです。
Microsoft Azure Stackは、2015年5月に発表され、2016年7月現在「Technical Preview 1」というパブリックなベータプログラムが提供されており、本格的なサービス開始が待たれるところです。
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