マイクロソフトOSS 戦略担当部長が語る「Azureがビジネスとの相性がよい理由」

第3回:企業はどのようにオープンソースの潮流を取り込んで行けばよいのか

前回までの連載で、マイクロソフトのオープンソースソフトウェア(以下、OSS)への積極的な取り組みをご紹介してきました。マイクロソフトではクラウドサービスAzureをベースに様々なプロダクトを組み合わせ、スピーディーなシステム開発の潮流に乗れるよう環境を整えています。

それでは、その潮流を自社に取り込もうと考える企業は、どうしたらよいのでしょうか。

そのようなときに頼りになるのが、SB C&S株式会社(以下、SB C&S)などのマイクロソフトのパートナー企業です。SB C&Sでは、AzureをベースとしてDockerやRed Hat OpenShiftをはじめとした様々な関連プロダクトの導入を支援しています。

このようなパートナー企業を通じて、マイクロソフトは、どのような情報提供や技術支援を行いたいと考えているのでしょうか。日本マイクロソフト株式会社 マーケティング&オペレーションズ クラウド&エンタープライズビジネス本部 OSS戦略担当部長の新井 真一郎氏にお話を伺いました。

※インタビューに合わせ、SB C&Sの取り組みもご紹介しています。ぜひ、こちらもご覧ください。

DevOpsの導入には支援サービスがポイント

開発にあたって、運用を意識したり、OSSやアジャイルを活用するのは、それまでそのような文化がなかった企業にとっては少々大変です。サポートのようなものはあるのでしょうか

新井

目標とするビジネスのゴールを目指して、開発と運用をPDCAサイクルのように繰り返し行うのがDevOpsです。それぞれのフェーズでスピーディーにチェック・改善・場合によっては利用するシステムやツールの変更を行い、再び本番環境に適用していきます。

<SB C&Sの取り組み>

システムに合った新しいツールを都度ユーザー企業が学ぶのは大変です。SB C&SではDevOpsを運営していく際のアセスメント、コンサルティング・設計、製品トレーニング、実装をPDCAサイクルのように回していくことでお客様のステージにマッチしたサービスをご提案し、DevOpsの活動を支援しています。

SB C&Sが取り扱うソリューションは多岐にわたり、開発に直接関わるところだけではなく、Microsoft AzureやVMware製品などのインフラストラクチャ、およびデータの二重化・ID認証・セキュリティ・ストレージ・バックアップなど、システムを安定運用するためのソリューションも用意しています。

さまざまな分野の企業とパートナーシップを築いていることもあり、ニーズや仮題、状況をくみ取って二人三脚で開発から運用までサポートします。

いきなり手さぐりでDevOpsを始めて、そのあと放っておかれるのではなく、きちんと支援してもらえるというのは心強いですね

新井

支援に特化した技能を持つパートナー企業が、マイクロソフトの知識ベースでサポートできるのが強みです。

<SB C&Sの取り組み>

SB C&S が提供しているDevOps支援サービスは、DevOpsを導入したい企業の心強いサポーターとなります。

日本マイクロソフト株式会社 マーケティング&オペレーションズ クラウド&エンタープライズビジネス本部 OSS戦略担当部長 新井 真一郎氏
日本マイクロソフト株式会社 マーケティング&オペレーションズ クラウド&エンタープライズビジネス本部 OSS戦略担当部長 新井 真一郎氏

適切な製品選定と提案も重要

OSSの活用によって、マイクロソフトはさまざまなツールが用意されるようになっています。一方、システムを開発する企業にとっては、ツールの選定が成功への大きなカギの1つとなります。そうなると、製品知識が少ないユーザー企業などは、どのようなツールを選べばよいのか、不安も大きいのではないでしょうか

新井

その通りです。ですから、豊富な製品知識から、開発するシステムに最適なツールを選定することもDevOpsの大きなカギです。またたとえば、DevOpsのサイクルを回すうちにビジネスの規模が変われば、最適なツールも変わる可能性があります。そのような場合でも、都度、最適なツール選定を行うことは支援サービスの一環として重要な要素になります。

<SB C&Sの取り組み>

SB C&Sには、Docker Enterprise Edition、Red Hat OpenShift、GitHub Enterpriseなど多彩なDevOps製品が揃っています。開発、構成管理や自動化、コラボレーション、プラットフォーム、デザインなどさまざまな点からアドバイスが可能です。

開発サイクルと製品情報を包括して支援

「DevOpsのサイクル」という戦略面と、「製品の選定」という戦術面の両輪で支援を受けられれば、DevOps活用による成功が現実的なものになりますね

新井

開発するシステムによって、最適な手法・製品は異なります。そもそも開発の目標は、ビジネスの価値を最大化することにありますが、そのためには高品質なソフトウェア開発を迅速かつ継続的に行わなければなりません。となると、一気通貫で、包括して開発を支援してくれるサービスはとても重要です。いまや、毎年のように、常に新しい開発ツールやOSSが生まれ続けています。このような状況にあって、開発者が常に自分で最新情報をウォッチしていくこともできますが、ビジネスの現場での実用性、自分たちがやりたいことにあっているかどうかといった適用性の実証や判断が必要です。短期間でクイックにビジネスの価値を最大化する、という目標に立ち返るのなら、DevOpsそのものが本業でない限り、これらに時間やコストを費やすことは、あまり現実的ではありませんし、非効率になりがちです。支援サービスを上手に活用して、必要な情報のみを効率よく得られるようにするのが、成功に近づくためのコツだと思います。

<SB C&Sの取り組み>

SB C&Sでは、『DevOps Hub』という、DevOps導入支援のためのWebメディアを運営しています。DevOps導入支援サービスやDevOps製品の情報、DevOps導入企業のインタビュー、さらに有識者のコラムなども読めます。いわばDevOps導入に向けたポータルサイトとして、さまざまな角度からDevOpsを知ることができます。

日本マイクロソフト株式会社 マーケティング&オペレーションズ クラウド&エンタープライズビジネス本部 OSS戦略担当部長 新井 真一郎氏

デジタルトランスフォーメーションを進めるために

新井

マイクロソフトには、Cloud Everywhereという認定パートナー企業による検証環境構築サービスがあります。これを利用すれば、たとえば『DevOpsと開発テスト効率化』や『クラウド運用管理』『Red Hat on Azure』など、ソリューションごとにカテゴライズして検索することも可能です。

デジタルトランスフォーメーションの推進を考えると、多くの企業に見てもらいたいですね

新井

そうですね。そしてデジタルトランスフォーメーションを実践している企業の取り組みから、自社にとってどんなことができるのか、今までやりたかったことが最新のテクノロジーやクラウドでどうやってできるようになっているのかを知ることも重要です。そのための事例もマイクロソフトのサイト内では数多く紹介しているんですよ。

最後に、パートナー企業として、SB C&Sに期待することをお聞かせください

新井

おかげ様で、ソリューションを作ってくれるインテグレーターは次々に出てきています。またイベントに参加するときには、事例発表なども随時行っています。次の課題は、そのような、マイクロソフトが取り組んでいるOSSのソリューションを、いかに広くお客様に知っていただくかということだと思っています。そしてそこが、たくさんのお客様を支援されてきたSB C&Sさんに期待しているところでもあるのです。たとえば、先ほど紹介した『Cloud Everywhere』の中ではソリューションセミナーも開催しているのですが、そのセミナーを開催して、マイクロソフトの事例をSB C&Sさんのお客様に届けていただくなど、より深く協業していきたいですね。

お問い合わせください。

AzureとOSSの活用については、SB C&Sにお問い合わせください。