Azureの仮想マシンでは、どんなOSを実行することができますか?
2019.03.28
Q:Azureの仮想マシンでは、どんなOSを実行することができますか? Ubuntuなどは使えるのでしょうか?
A:Azureの仮想マシンでは、Windows Serverのほかに、Ubuntuなど各種Linuxディストリビューションを実行することができます。
【解説】
マイクロソフトのパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」は、2014年3月まで「Windows Azure」という名称でした。2014年4月に、多数のOS・開発言語・サービスに対応した、オープンなクラウドであることを表すために「Microsoft Azure」に改称されています。
そのためか、Windows Server"だけ"が稼働するクラウドサービスという誤解されるケースもありました。
しかし、実際には2012年7月にAzureのIaaSである「仮想マシン」のサービス提供が開始されたときから、Windows Serverのほかに複数のLinuxディストリビューションがサポートされています。
現在(2019年3月25日時点)、Azure 仮想マシンでは以下のようなOSイメージ(いずれも64bit版)を配布しています。(サーバーOSだけでなく、クライアントOSも用意されています。)
・Windows Server 2008 R2 SP1
・Windows Server 2012 R2 Datacenter
・Windows Server 2012 Datacenter
・Windows Server 2016 Datacenter
・Windows Server 2016 Datacenter - Server Core
・Windows Server 2016 Datacenter - with Containers
・Windows Server 2019 Datacenter
・Windows Server 2019 Datacenter Server Core
・Windows Server 2019 Datacenter Server Core with Containers
・Windows Server 2019 Datacenter with Containers
・Windows Server, version 1709(2019年5月サービス終了)
・Windows Server, version 1709 with Containers(2019年5月サービス終了)
・Windows Server, version 1803 with Containers (2019年10月サービス終了)
・Ubuntu Server 14.04 LTS(2019-04-17まで有効) / 16.04 LTS/ 18.04 LTS
・Red Hat Enterprise Linux 7.5 - Pay-As-You-Go Premium Image
・Windows 10 Pro N, Version 1709
・Windows 10 Pro, Version 1709
・SUSE Linux Enterprise Server ソフトウェア
・Debian 8 "Jessie"
・Debian 8 "Jessie" with backports kernel
・Debian 9 "Stretch"
・Debian 9 "Stretch" with backports kernel
・Oracle Linux 6.4.0.0.0 / 7.0.0.0.0
また、Azure上では、イメージをデプロイするとアプリケーションがインストールされ、そのまま使えるようになっているリソースも用意されています。例として下記があります。
・LAMP Certified by Bitnami :LAMP 7.1.27-1(Ubuntu 16.04)
・Citrix Cirtual Apps Essentials
・Container Linux by CoreOS
・SUSE Linux Enterprise Server (Basic) (SLES)
・ComUnity Citizen Engagement Platform
・Apache Solr Certified by Bitnami
Azure 仮想マシンで用意されているOSイメージは、いずれもAzureの利用料金に含まれており、別途ライセンス料は必要ありません。仮想マシンの中にOS料金とインスタンス料金が含まれています。
例えば Windows Server を使用する場合、Azure 仮想マシンの利用料金は、Windows ServerのCAL料金+インスタンス料金の合計となります。Linuxの場合は、LinuxのOS料金(無料のLinuxOSもあります)+インスタンス料金となります。従量課金ですので、動かしている時間分課金されます。
しかし、仮想マシンをずっと動かし続けるにあたり、コスト削減をしたいというお客様もいらっしゃるのではないでしょうか。その場合は、リザーブドインスタンスのご利用をおすすめいたします。
リザーブドインスタンスは、その名の通りインスタンスの話ですので、どんなOSを使っていてもご利用いただけます。実際の利用方法もとても簡単です。適用させたい仮想マシンとOSを選択し、仮想マシンを作成します。リザーブドインスタンスを購入してサブスクリプション/テナントを指定すると、その分の従量課金が止まり、OS分だけ従量課金が続く状態になります。
ちなみに、Azure仮想マシンでは、オンプレミスのHyper-Vと同じVHDファイルがディスクイメージとして使われます。そのため、Azure仮想マシンでの動作が、ライセンス上問題がなければ、VHDファイルをAzureにアップロードし、そこにインストールされているOSを実行することが可能です。また、Hyper-V以外の仮想化基盤環境 (VMwareなど) からも移行するための無償の変換ツールを提供しています。
■Microsoft Virtual Machine Converter 3.0
http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=42497
他にも、マイクロソフトのAzureドキュメントには、オープンソースのUNIX OS「FreeBSD」がインストールされたVHDファイルをAzure仮想マシンで実行させる手順が紹介されています(日本語版:https://azure.microsoft.com/ja-jp/documentation/articles/virtual-machines-freebsd-create-upload-vhd/ 英語原文:https://azure.microsoft.com/en-us/documentation/articles/virtual-machines-freebsd-create-upload-vhd/)
ご興味のある方は、ご一読のほどを。
※編集部注※
この記事は、2015年10月13日に公開された こちらの記事 をアップデートしたものです。