マイクロソフトはAzureのサードパーティ製品、OSSをサポートしますか?
2016.01.06
Q: マイクロソフトはAzureのサードパーティ製品、OSSをサポートしますか?
A:Azureでは、各種Linuxディストリビューションやオラクル、SAPなどのサードパーティ製品、オープンソース ソフトウェア(OSS)が利用可能ですが、そのサポートポリシーにはそれぞれ違いがあります。
【解説】
AzureのIaaSである仮想マシンには、マイクロソフト製品ではないサードパーティ各社の製品、あるいはオープンソースによる事前構成済みのイメージのライブラリがあらかじめ用意されています。また、必要に応じて Azure Marketplace を通じ、追加のイメージを入手することも可能です。Azureは、これらのマイクロソフト製品以外も利用できますが、それぞれのサポートについては詳細なポリシーが設定されています。
以下、主なサードパーティ製品、OSSについてのサポートポリシーの概要を紹介します。
● Linuxディストリビューション
Azureでは、Ubuntu、CentOS、CoreOS、Oracle Linux、SUSE Linux Enterprise、openSUSE、DebianなどのLinuxディストリビューションに対応しています。これらのLinuxディストリビューションでサポート対象となるのは、基本的に仮想化環境のプラットフォームに関する部分のみです。OSそのもののサポートは行わないため、利用者がサポートを必要とする場合は、ディストリビューターまたはパートナーとサポート契約を結ぶ必要があります。
ただし、LinuxのPremiumイメージ(SUSE Linux Enterprise Server 12 (Premium Image) など)については、OS内部についてもサポート対象となります。サポートはマイクロソフトが窓口となり、専属のサポートチームが対応(ただし英語のみ)します。
SUSE Linux Enterprise Server 12 (Premium Image)
https://azure.microsoft.com/ja-jp/marketplace/partners/suse/suselinuxenterpriseserver12premiumimage/
● オラクルアプリケーション
Azureのギャラリーから入手したWindows、またはLinux上で稼働するオラクルアプリケーション(Oracle Database、Oracle WebLogicなど)は、マイクロソフトのサポート対象です。ただし、障害サポートの対応で提供言語は英語のみとなります。
また、利用者が所有するライセンスを利用し、Azure上にオラクルアプリケーションをインストールしたイメージをアップロードすることも可能です。この場合、マイクロソフトはオラクルアプリケーションについてのサポートを行わず、オラクルとの間でサポート契約が必要となります。
● SAPアプリケーション
Azure上で稼働するSAPアプリケーション(SAP Business Suite、SAP BusinessObjects BI、SAP HANAなど)は、仮想化環境のプラットフォームに関する部分についてマイクロソフトのサポート対象となります。また、Windows上でSAPアプリケーションを利用している場合は、マイクロソフト製品の部分については障害サポートの対応が行われます。
SAP製品の部分に関しては、すべてSAPがサポートを提供します。マイクロソフトのPremierサポートを契約している場合は、SAPを窓口としてマイクロソフトに問い合わせることが可能です。
● OSS
OSSについては、マイクロソフトではサポートを提供していません。ソフトウェア開発の共有WebサービスであるGitHub上に公開されている開発元のコミュニティ、またはマイクロソフトの情報交換コミュニティであるMSDNフォーラムを通じたセルフサポートとなります。不具合報告など技術仕様に関する質問についても、該当するOSSの開発元に連絡を取るか、開発元コミュニティに相談します。
Azure上で稼働するサードパーティ製品、OSSについての質問は、MSDNフォーラムが便利です。(https://social.msdn.microsoft.com/Forums/ja-JP/home?forum=windowsazureja)
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