ファイルサーバー構築、容量管理、バックアップetc、
ストレージ関連の業務をスマートに処理したい!
2017.04.12
情報共有の施策として、ファイルサーバーを設置している企業は多いことでしょう。
ファイルサーバーは社内の全部門が利用するもので、何となく動いているのが当たり前と思われがちですが、どの社員にとっても身近な存在なために、障害が起こったときの影響は大きく、管理を任されている情報システム部門の責任も重大です。
それだけに管理には神経を使いますが、実はファイルサーバーをクラウドに移行すると、情報システム部門の負担を減らすことができるのをご存知でしょうか。
古いファイルサーバーにありがちな問題をどう解決するか
ファイルサーバーには、長く運用するにつれて、故障率が高まったり、データが増えすぎて容量が不足したりと様々な問題が発生しますが、それらはクラウドを活用することで解決します。
たとえば、Microsoft Azureには、オンプレミスのWindows Serverをほぼそのままクラウドに配置できるイメージの「Azure Fileストレージ」というサービスがあります。
ファイル共有を必要とするアプリケーションなどのために用意されているサービスで、Fileストレージ共有をWindowsなどでマウントし、アクセスできます。
共有ストレージの利用には、Windowsのファイル共有と同様のSMB2.1、SMB3.0というプロトコルを使います。そしてWindowsでは、\\(バックスラッシュ)を使って共有位置を指定する「UNC」という形式が使え、net useコマンドも対応します。
概要や説明についてはAzure Storage の概要 | Microsoft Docsをご覧ください。
それでは、Azure Fileストレージを例に、ファイルサーバーをクラウドに配置することのメリットを考えてみましょう。
クラウドなら、ムダなく必要な分だけ契約できる
他のクラウドサービス同様、Azure Fileストレージもスケーラブルなサービスです。つまり
・前払い手数料なし
・契約解除手数料なし
・使用した分だけの料金支払い
といった条件で利用できるということです。
数年後のデータ容量増に備えて最初から大きなディスクでRAIDを構築するといったムダや、その反対に、最初に小さなRAID構築をしてしまったために、後になって容量不足が発生し共有の構成を組み替えならなくてはならないといった不便からも解放されます。つまり、あらかじめ拡張性を担保しながら、当面は少ない金額での運用が可能ということになるのです。
ビジネスの変化が激しい現代では、システムのスペックも静的ではなく動的に決められるものを選びたいですね。
なお価格の試算は以下のページで出来ますので、興味のある方はぜひどうぞ。
料金 - Cloud Storage | Microsoft Azure
BCP/BCMとの相性が良いクラウドのバックアップ機能
東日本大震災のあと、BCP(事業継続計画)、BCM(事業継続マネジメント)といった言葉がパワーワードとなりました。
災害やテロ、広域停電が発生した際、いかに事業を継続していくかという観点のキーワードですが、情報システム面でとらえると、ファイルサーバーや各種情報システムの継続運用があげられるでしょう。
自社内のサーバールームの同じ場所にファイルサーバーとバックアップがある場合、災害やテロでビルの破損があったら、事業が継続できるでしょうか? また、短時間で復旧できるでしょうか?
そこで、複数の拠点で、データの同期やバックアップの取得を行い災害から自社の事業を守るという発想がBCP、BCMにはあります。
Microsoft Azureでもデータの複製に関するオプションがあります。
Azureのストレージでは、ローカル冗長ストレージ (LRS)、ゾーン冗長ストレージ (ZRS)、geo 冗長ストレージ (GRS)、そして、読み取りアクセス geo 冗長ストレージ (RA-GRS)の4通りの同期オプションがあります。
このうち、もっともストレージの可用性が高いRA-GRSでは、2つのリージョン(広域な意味でのエリア)でデータをレプリケーションし、セカンダリのリージョンでも読み取りアクセスができる設定が可能です。
AzureにはFileストレージ以外にも様々なストレージのサービスがありますので、自社で使いたいサービス・料金プランと対応するストレージを確認すると良いでしょう。
詳しい説明としては以下のリンクをおすすめします。
Azure Storage のデータ レプリケーション | Microsoft Docs
ファイルサーバーの「もし」は奥が深い
ファイルサーバーの運用一つとっても、容量の枯渇やハードウェア障害、災害対策など奥が深く、長期に渡って利用していけば悩みも多くなるものです。
オンプレミスでは負荷がかかる作業が、クラウドを利用することでどれだけ楽になるか、またセキュリティや事業継続面でどれだけ堅牢さを増すことになるのか。検討の価値は十分にあるのではないでしょうか。
photo:Thinkstock / Getty Images