クラウドサービス? お金がかかりそうだし難しそうだし、簡単に導入なんて決められない!
2017.03.23
情報システム部門に、今まで経験したことのない新しいサービスを導入するのは難しいものです。導入実績がなく費用対効果もわからないサービスに対しては経営層も導入に難色を示すでしょうし、しかも自分の利用経験も乏しかったとしたら、強気に経営層を説得することもできません。
「オンプレミスでのサーバー管理が大変なのでクラウドを導入したい」。 そう思って稟議を起こし経営層を説得しようとしたのに、結局途中で挫折したという方は少なくないのではないかと思います。
無料期間で挙動を試せるクラウドサービス
そこで、クラウドサービス導入実現に向け、強気に経営層を説得できるようになるために最も手っ取り早い方法をお教えしましょう。
それは、自分で実際にクラウドサービスを試用してみて、その便利さを身体で理解してしまうことです。
もちろん、資料を取り寄せたり、構築を依頼している会社の営業を呼んで話を聞くことも大切ですが、実際に試用してからのほうが、はるかに具体的な、実際の利用レベルに落とし込んだ質問をすることができます。カタログやWebサイトの説明文ではわからない、自社の業務に適応した構成が組めるのか、また運用を行えるのかといった感触をつかむには、まず使ってみることが最も大切なのです。
実際、多くのクラウドサービスには、無料ないし格安のお試し期間があります。その期間中に、自社のオンプレミス環境をどのようにクラウドに移行してみたいのかを意識しながら、スケールの小さい実環境を作って試してみる。これが大切というわけです。
注意するべきはコスト感覚
そのときに注意すべきなのが、コストに関する考え方です。
これまでのオンプレミス環境での機材と違い、クラウドサービスでは「起動している時間」や「ストレージ利用量」「ネットワーク利用量」など、従量課金による支払いもあります(サービスやシステム・企業によってはその限りではありません)。
これまで導入する機器について、機器購入、レンタル、リースなどでの調達の経験しかない場合、お金のかかり方に関しては新しい意識を持たなければならないということです。
どのような構成を組むと、何に比例していくら費用が発生するようになるのかといったことも、クラウドで自社に必要な構成を組んでみて初めてわかる領域です。
そのためには前述したとおり、無料期間中に、オンプレミスから移行したい環境を小さなスケールで構成し直し、クラウド上で使ってみるということが大切です。
そしてクラウドサービスを体感しておけば、経営層への説得力が増すだけでなく、いざ移行するときに「このような項目は意識になかった」というリスク発生の可能性をできるだけ小さくすることもできるのです。
クラウドの導入効果を説明しやすい3つのポイントとは
とはいうものの、クラウド移行の効果は単純には語りにくいものです。そのようなときは、オンプレミスとクラウドとで、いくつかの比較項目を設定してみましょう。
例えば、
1)ハードウェアを購入やリースで使っていた金額とクラウドでの利用料
2)両者の管理工数
3)データの安全性やビジネスの継続性
などです。
特に1、2はコストとして算出しやすい項目になっているはずなので、そのコスト比較と、3に対する効果を語ることで、クラウド移行の効果を具体的に説明できるようになるでしょう。
Microsoft Azureも無料で試せる
もちろんMicrosoft Azureにも無料のお試し期間があります。
無料の Azure アカウントを今すぐ作成 | Microsoft Azure
登録時に本人確認資料のひとつとしてクレジットカードの番号登録が求められますが、試用期間終了後は明示的に指定しない限り、勝手にAzureの有料サービスへ移行されることはありません。安心して無料サービスを試すことができます。
Azureの無料期間に関するFAQは以下のページにまとまっているので、ぜひご覧ください。
システムインテグレーターの営業担当者にはこれを尋ねよう!
このように、無料の試用期間でクラウドサービスを体感してから構築を依頼する会社の営業担当者を呼べば、より有益な話を聞き出すことができるはず。特にオンプレミスとは価格の感覚の違いがあるため、資料だけ見比べても、経験がなかったら適切な判断を下しにくいものなのです。
そのうえで、
・自社のオンプレミス環境を提示しつつ、クラウドでの構成案を尋ねる
・試用の結果を元にした質問をぶつける
と二段構えで話を進めれば、クラウドサービスに対する不安を取り除きながら、打ち合わせの回数も減らすことができ、スムーズな移行を実現できるでしょう。
photo:Thinkstock / Getty Images