機材調達、ネットワーク敷設......やることが多くて、スピーディーなシステム導入ができない!
2017.03.29
新しいシステムの導入や試用をするとき、サーバーの購入、ネットワーク設定、リース契約など、事前にするべき業務が山ほどあり、なかなか実作業にたどりつかない。情シスの方なら、そんな経験のひとつやふたつはきっとあることでしょう。
そのような場合にはクラウドサービスを活用すれば、さほどの手間をかけることなく、スムーズなシステム導入が実現することは決して少なくありません。いったい、何が違うのでしょうか。
なぜ今までのシステム導入は手間がかかるのか
まず、一般的な、データセンターにサーバーをハウジングしてシステムを構築する場合を考えてみましょう。通常なら
・データセンターとの契約
・サーバーの購入
・ネットワーク機器の購入
・データセンターで購入機材のセットアップ
・提供したいサービスに応じたOSやアプリケーションのセットアップ
などの作業を行ったうえで、リモートアクセスでサーバーを管理していくことになります。
この時、サーバーやネットワーク機器の入手についてだけ考えても、ハードや納入業者の選定、見積もりの精査、稟議を必要とする社内調整などの作業にどうしても時間を取られます。さらに、それらの過程が必ずしもスムーズに進むとは限らず、すったもんだのあげく、長い道のりを経てようやくセットアップにたどり着く、というケースも少なくありません。
ハウジングでさえこれらの手間がかかりますが、オンプレミスにすると、上記のような事前作業に加えて保守契約の検討もしなければなりません。さらに、電源、インターネット回線、空調、耐震、入退場管理などの日常の管理項目まで増えることになります。
侮れない、導入までの作業量
恐らくこれらの運用面まで意識しながらベンダーに見積もりを取り、社内稟議を回し、購入手続きを取り、納品を待ち(すべての機材が同時に届く保障はありません)、検品をし、ようやく作業に取りかかる、ということになります。場合によっては納期が1ヶ月単位になったり、とても「スピーディーなサーバー導入」とは行きません。
さらに人的コストに関するインパクトも小さくなく、情報システム部員の少ない企業では他の業務に影響が出かねません。
クラウドサービスなら手早い導入と初期費用の削減が可能に
同様のことをクラウドサービスで行ったら、どのようなスペック、構成でも、Web上の手続きだけで作業や管理が進みます。
PaaSの環境であればMicrosoft Azure ポータルを利用し、1つのコンソールで構築・監視を含めた各種管理が行えます。3,000を超えるサービスから好きなものを選べるので、ニーズに応じたスムーズな環境構築が可能です。
また、IaaS環境を選択するのであれば、仮想マシンだけでなくストレージ、ネットワーク、データベースなど複数のコンポーネントについて柔軟な管理を実現できるAzure Resource Managerを活用するとよいでしょう。
Azure Resource ManagerMicrosoftが用意した操作手順のオンラインヘルプがありますので、こちらを見てイメージをつかんでみてください。
ここまでの導入スピードを考えると、自社で準備する場合とクラウドで準備する場合とでは、2週間から1ヶ月の時間差が出てもおかしくありません。
従量課金なのでコスト面でも有利
Azureをはじめとしたクラウドサービスの料金設定としては、稼働時間に比例する従量課金で、初期費用や解約費用も発生しないものもあります。
構成によって従量課金の基準額が変わるところがわかりづらいという心配もありますが、ほとんどのクラウドサービスでは詳細な料金の一覧表や料金計算のシミュレーターを準備しているので安心です。
Azureでも、料金計算のための
料金計算ツール
と、オンプレミスでの保有コストとAzureでの費用を比較するTCO計算ツール
Azure TCO Calculator (英語)
が準備されており、ニーズに応じたシミュレーションが可能です。
加速するビジネスに対応するにはクラウドを使おう
ビジネスの速度は日々増していきます。顧客のみならず営業部隊など社内からも、どんどん納期短縮を求められます。
オンプレミスやハウジングだけでは、そのスピードに情報システム部門が追いつけないケースが出てきます。そのような憂き目を見ないためにも、素早い契約・構築ができるクラウドサービスを上手に活用して、業務のスピードアップを図ってはいかがでしょうか。
photo:Thinkstock / Getty Images