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Azureを❝使う人❞について考える

2024.09.02

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皆さまこんにちは、SB C&Sの八釼(やつるぎ)です。
以前に掲載した記事においてAzureの直接的ユーザーについて言及していますが、今回は少し深堀して一体どのような人たちがAzureを使うのかについて解説します。

「Azureを使う」について

Azureを別の視点で見るとアプリケーションという見方ができます。さまざまな命令(要求)をインターフェースに対して送ると、結果が返って来ますしそれが実現されます。UIであれば代表的なものはAzure portalというGUIですし、Azure CLIのようなCUIも存在します。その他にも、Azure Storage用のGUI(アプリ)であるAzure Storage Explorerや各種StudioもUIです。ものは何であれ、AzureというアプリケーションのAPIに対してリクエストが送られることになります。Application Programming Interfaceですから、Azureはアプリケーションという見方も成立します。

一つ簡単な例を出すと、Azure VMを1インスタンス作成(デプロイ)したい場合、希望する条件と共にそのデプロイを例えば(デスクトップアプリも存在しますが)WebブラウザAzure portal(Webアプリケーション)を通してAPIに対して要求することになります。特に問題がなければ指定した条件にてVMがデプロイされます。証券会社のWebアプリケーションにて、任意の株の発注を行えば(発注ボタンを押せば)その注文が入ります。どうでしょう?動きとしても同じですよね?

エンジニアなどの技術職種でなければAzureというアプリケーションに対して何か要求を送ることは基本的にないはずです。ゆえに、営業職やマーケティング職などの方々は直接的ユーザーではなく、間接的ユーザーということになるわけです。

直接的ユーザーについて

他の記事でも述べていますがざっくりITエンジニアとなりますが、さすがに解像度が低すぎるので高めていこうと思います。ここでおすすめなのが、認定資格から紐解くことです。直接的ユーザーは正直細かく分けていくとキリがないので(例えば○○エンジニアって山ほどありますよね)Microsoft Learnの以下のサイト(製品をAzureでフィルターしています)にアクセスしてみましょう。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/browse/?expanded=certification&products=azure

画像ではスクロールが邪魔して全部見えませんが、基本的な分け方としてはここで選択できる役割を担う方々が該当します。

role.png

今後この選択肢が増えることはありますが、一先ず抽出してみますと以下のようになります。

  • ・AI エンジニア
  • ・DevOps エンジニア
  • ・ID およびアクセス管理者
  • ・Information Protection およびコンプライアンス管理者
  • ・アプリ作成者
  • ・サポート エンジニア
  • ・セキュリティ エンジニア
  • ・セキュリティ運用アナリスト
  • ・ソリューション アーキテクト
  • ・データ エンジニア
  • ・データ サイエンティスト
  • ・データベース管理者
  • ・テクノロジ マネージャー
  • ・ネットワーク エンジニア
  • ・開発者
  • ・管理者
  • ・機能コンサルタント

抽象化すると、『アプリやシステムを設計・開発する人、もしくは運用・管理を行う人』で基本的には問題ないはずです。より抽象化すると、『モノづくりを行う人と出来上がったものを運用・管理していく人』となります。販売系職種などの方が対象ではないのが、ここからもわかりますね。

モノというのは、システムであったりアプリケーションであったりAI(モデル)であったりです。これらを開発して動かすためにAzureサービス(リソース)を使用するわけです。ここで重要なことは、『モノは作って終わりではない』ということです。モノはユーザーに活用してもらうために開発されました。そのためには誰かが管理をしなければなりませんし、正常に使えるように運用したり保守するといったことを行う人が必要になります。エンジニアリングに携わらない方はこのような後工程やそれに関わる人を見落としがちです。

このような一連の流れやシステム・アプリケーションについて基本的な理解があると、Azureのようなクラウド基盤のサービスについての解像度はかなり高くなります。無駄に大量のサービスがあるわけではない、ということも腹落ちするはずです。必要だから(需要があるから)さまざまなサービスが提供されるのです。前述した"後工程"に関連するサービスも多くあるわけです。

"Azure"のスペシャリストなど存在しない

間接的ユーザーの場合には想像しにくいかもしれませんが、先ほど見て頂いたとおりあれだけ多くのロールの人に有用でAzureのサービスは莫大ですので、すべての役割に精通し関連するサービスをすべて使いこなせる人などいません。Azureというのはあくまで基盤を提供するサービスですから、その基盤で展開するもの・ことについて精通していないと活用できないということです。例えばAzureにおけるデータベース関連サービスを利用するにも、データベースについての知見がほぼない人には難しいということです。クラウドに詳しいことよりもその分野への理解などが重要である場合は往々にしてあります。もちろん前提としてAzureやクラウドについての基本的な理解は共通で必要ではあります。

潜在的な直接的ユーザーの方は自身のロールに当てはまる知識やスキルを身につければよく、Azureのサービスだからといって何でもかんでも学習コストを支払う必要はないので安心してぜひこの世界に足を踏み入れてください。

経営層やマネジメント層の方を含む間接的ユーザーの方もぜひこの事実を把握しておいていただけると、直接的ユーザーの方と関わる際にコミュニケーションがとりやすくなります。Azureにそれなりに関わっている期間が長いとしても、なんでもかんでも把握しているわけではない、ほぼ手つかずの分野・サービスは沢山あるということです。

ちなみに念のため補足しておくと、例えばフルスタックエンジニアのようにいくつかの役割を兼任する(できる)直接的ユーザーは存在しますし、そうせざるを得ない場合もあります。ただし本当にすべてを網羅するスペシャリストは現実的に存在しえないということは覚えておいていただければと思います。

最後に

直接的にAzureひいてはシステムやアプリケーション開発や運用に関わらない人にとっては、Azureとは何かを理解することやそもそも想像することも容易ではなく、本質を掴むなんてなおさらというのが何となくご理解いただけたのではないでしょうか。誤解を恐れずに言えば、職人の仕事道具を提供するサービスと考えて良いでしょう。職人の仕事が分かっていないとその道具のことなどなおさらですし。
そう、Azureというサービスがいまいちピンとこないというのは、システムやアプリケーションについての解像度が低くさらに関係性が薄いからということが挙げられるのです。

とはいえ逆に、前提や要点を整理して考えると大枠を理解することはそれほど難しくないということもまた分かっていただけたのではないでしょうか。間接的ユーザーであればこれらの解像度は粗くて問題ありませんが、直接的ユーザーはどんな役割の人が該当するのか、また本質をつかめる程度には最低限知識の土台を整えておく必要はあります。間接的とはいえAzureを活用してビジネスを行う立場であれば。
そしてIT(システム)が社会インフラになった現代社会を生きていく上で、システムやアプリケーションの大枠をつかんでいればクラウドにとどまらず色々と柔軟かつ安全な立ち回りが可能です。

今回はAzureの直接的ユーザーについてについて少しだけ具体的にお伝えさせていただきましたが、直接的・間接的問わず"ユーザー"以外にも例えばSI企業のようにAzure(システム)を提案する方などビジネス上関係する人は多くいらっしゃいます。法人でのAzure導入前の相談窓口であるAzure相談センターでは、"ユーザー"か否かに関わらずお問い合わせを受け付けておりますので、ご相談事項がある場合にはお気軽にご連絡をいただけますと幸いです。弊社ではユーザー様のご状況やご要望を踏まえて最適な形でのAzureの導入のご支援を提供しております。

  • 【 著者紹介 】
    八釼 友輔 - Azure エヴァンジェリスト
    SB C&S株式会社 ICT事業本部 クラウド・ソフトウェア推進本部
    クラウド・ソフトウェア戦略企画部 1課
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