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Azure(クラウドプラットフォームサービス)の本質を知る

2024.08.01

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皆さまこんにちは、SB C&Sの八釼です。
所々Azureを知っているけど、このサービスについて本質的に理解している人は弊社内でも然りで少ないです。

過去に掲載したこの記事では、Azureについて原点に立ち返って「そもそも」を紹介しました。ここで歴史についても触れサービスローンチ当初は「Windowsアプリケーション用のPaaSのサービス」であったことを記載しましたが、つまりこれが基本的には本質です。AWSやGoogle Cloudなども含めた形、つまりクラウドプラットフォームサービスとして抽象化すると『アプリケーションをデプロイするためのクラウド基盤のサービス』ということになります。

もちろんアプリケーションをデプロイする以外の用途のサービスがたくさんあることはご存じかと思いますが、それは幹ではなく枝(本質ではない部分)です。ただ場合によっては枝の部分にすごく人気がある(有用である)場合などもあります。ビジネス視点からは人気があり収益を上げているサービスが幹と言えるのかもしれません。

もしくは非常に多くのサービスがありますが、別に本質(もしくは近い)サービスを使わなければならないという決まりはありません。
例えば、SIEM as a ServiceであるMicrosoft SentinelやBackup as a ServiceであるAzure Backupだけを利用する場合はあると思います。とくにAzure Backupは環境準備コストや運用負荷が小さいので、手軽なバックアップソリューションとして小規模環境を対象の場合には3rd Party製品と競合になることは意外に多いです。

データサイエンティストをはじめとするデータに携わる職種の場合にはAzure AI Servicesに関わることが多いでしょうし、関わる人によって認識に偏りが生じるのです。
【関連記事】 AzureにおけるAI関連のサービスの大枠を知っておこう

Azureのようなクラウド基盤のサービスを"直接的"に利用するユーザーは大枠で言えばクラウドエンジニアということになります。前述の内容を考慮すればもちろんクラウドエンジニアに限定されないことが想像できると思いますが、本質から考えて最も大きな勢力であることは間違いないです。この最大勢力の主な業務はインフラ設計になりますので、本質を少し言い換えると「アプリケーションをデプロイするための(IT)システムをデプロイするクラウド基盤のサービス」となります。ここでシステムはインフラやプラットフォームと同義語であると考えて頂いて差し支えありません。

非IT部門の事業者には関係性が薄い

前述したとおりAzureを広く大雑把に言えばITエンジニアのためのクラウドサービスと言えます。細かなことを抜きにすると、アプリケーションやシステムを利用するユーザーにとっては基本的にはそれらがどこにデプロイされ稼働しているかはあまり気にするところではありません。システムの可用性などの非機能要件が大きなストレスを与えない程度に満たされ、使い勝手の良いものであればそれがオンプレミスにあろうとクラウドにあろうと場所は問わないのです。そのためAzureでは「このような便利なサービスがある」、「このような機能が利用できる」のような訴求をされたとて、「でもそれ自分には直接影響ないんだよね」などといった反応になってしまうわけです。関係(影響)するのは、"Azure上で稼働するアプリケーション"なのです。

ちなみに、経営層やマネジメント層にはコストの観点から影響はあります。パブリッククラウド基盤でシステム運用を行うということは、然るべき形に諸々設計するとその構造上自前の基盤で行う場合よりコストは小さくなります(厳密に言うと最適化されます)。組織を運営する上では現代においては何かしらのシステムやアプリケーションは必要になりますので無関心ではいられません。もちろんクラウド基盤サービスが最適ではない場合も往々にしてあります。

"アプリケーション"についての解像度

現代人であれば何かしらのアプリ(アプリケーション)、つまり応用ソフトウェアを使用しない日はないといっても過言ではありませんが、実態がどのようになっているか理解していますでしょうか?これに対する解像度がAzureのようなサービスを理解する上では重要です。細かな技術要素や開発手法などそこまでの解像度は必要ありませんが、最低限の知識や理解は必要です。私見では以下のようなことはざっくりとでも押さえておくべきと考えます。

ファイルである

厳密には様々なファイルが一つのアプリケーションを構成していたりするのですが、事前に定義されたプログラムを実行するファイルが存在し、これがアプリケーションの実態(本体)と非ITエンジニアの方にとっては考えていただいて差し支えありません。Windowsユーザーであれば.exeの拡張子がついたファイルを見たことがある方も多いと思いますが、これを想像していただければと思います。例えばデスクトップアプリを使用する際にはショートカットから呼び出して起動させる場合が多いと思うので、普段あまり意識しない場合も多いと思いますが、裏側ではこういった実行ファイルを起動させているわけです。

アプリケーション開発については、プログラミング言語にてソースコードを記述することを想像される方が多いと思いますが、ざっくりとはその理解で問題ないです。もし余力がある方は、(諸々詳細は割愛しますが)記述が終わったソースコードファイルをビルドという作業を行うことで前述した実行ファイル(アプリケーションの本体)が出来上がり、アプリが利用できる状態になるということを知っておいていただければと思います。

動かす基盤が必要

アプリケーションはファイルであるとお伝えしましたが、ファイルであるということはどこかに配置しなければなりません。例えばWebブラウザ(アプリ)はお手元のPCやスマホに配置(デプロイ)されているから稼働でき使用できます。ではお手元の端末にデプロイして使用するには大きすぎるファイル(群)であったり、そこでは不都合がある場合はどうでしょうか?その場合にはもちろん外部にデプロイします。

では外部とは?ですが、サーバーにデプロイすると考えて頂いて差し支えありません。ではそのサーバーはどこに存在しているものですか?誰の持ちものですか?といった疑問というか選択肢が発生します。例えばAzureはこの選択肢の一つとなるわけです。

ちなみに、「サーバーにデプロイ」すれば必ずしもアプリケーションが利用できるというわけではありません。というかサーバーにデプロイするようなアプリケーションであれば様々な外部とのやり取り(通信)や外部保存データなどが必要になってきます。つまりシステムが必要ということです。システムとは、サーバー・ネットワーク・ストレージ・OS・ミドルウェアなどで構成されるものです。これがアプリケーションを動かす基盤です。
そのため、より抽象的な表現をするならば、アプリケーションは「(IT)システムにデプロイ」して稼働させるという方が正しいです。仮に単体サーバー(OS)だとしてもオペレーティングシステムですしね。

さらに補足するのであれば、Azureのようなクラウド基盤のサービスではアプリケーションを動かすためのシステム(各種コンポーネント)は抽象的なリソースとして提供されます。ゆえに、システムもまた前述したような「クラウド基盤にデプロイ」されるという表現ができます。

最後に

非ITエンジニアでない方にとっては冒頭にご案内した解像度の表現で問題ありませんが、あえてここまでの話を踏まえてより厳密な形で抽象的に本質を表現するのであれば『アプリケーション(プログラム)を稼働させるためのITリソースを、抽象的な形で借りることができるクラウドサービス』と言えます。昨今一躍有名になったAOAIについても、モデルを動かすリソースを借りているわけですし。

今回はAzureの本質(基本)についてお伝えさせていただきましたが、本質ではない利活用(応用)の使い道も数多くあります。そもそも200を超えるサービスが提供されますので、Microsoft社ですら想定していなかった意外な活用方法もあるかもしれません。本質としては基盤のサービスではあるものの全然違った角度からAzureが皆様のお役に立てる場合もありますので、疑問やお困りごとがある場合にはぜひとも法人でのAzure導入前の相談窓口であるAzure相談センターまでお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。弊社ではユーザー様のご状況やご要望を踏まえて最適な形でのAzureの導入のご支援を提供しております。

  • 【 著者紹介 】
    八釼 友輔 - Azure エヴァンジェリスト
    SB C&S株式会社 ICT事業本部 クラウド・ソフトウェア推進本部
    クラウド・ソフトウェア戦略企画部 1課
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