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【徹底解説】Azure Virtual Desktop(AVD)の
構築手順と接続方法

2019.12.24

皆さまこんにちは!SB C&S の井上です。
2018年の Ignite で発表され、2019年3月にパブリックプレビューが開始された注目のサービス、「Azure Virtual Desktop(旧Windows Virtual Desktop)」が9月末に突如 GA されました。

前々回はAzure Virtual Desktop(以下WVD) の概要と特徴について、前回はAVD(旧WVD)のアーキテクチャ/ライセンス/価格についてご紹介しました。
今回は AVD(旧WVD)の構築手順と接続方法についてご紹介していきます。

1.AVD(旧WVD)環境のメリット

・Windows 10 マルチセッションを提供する唯一のサービス
・ Windows 7 の 3年間の ESU(Extended Security Update) を無償提供
・ Azure データセンターのリソースを利用し、素早く展開/スケーリング可能
・ Office 365 ProPlus に最適化
・ FSLogix の各機能を無償で利用可能
・パートナーエコシステムとの連携で機能拡張

AVD(旧WVD)はMicrosoftが提供しているクラウドコンピューティングサービスによって提供されるため、Active Directory や Microsoft365 など他の Microsoft サービスとの連携ができ、手軽に仮想デスクトップ環境を構築できます。

【関連情報】Windows 365と何が違う?AVDとの違いを比較解説

2.AVD(旧WVD)環境の構築前準備

AVD(旧WVD)を構築するにあたり、以下4つのリソースを事前に準備しておく必要があります。

AVD(旧WVD)に必要なリソース

上記4つのリソースを準備した後、以下の手順で AVD(旧WVD)を構築していきます。

Azure Active Directory Domain Services (Azure ADDS)を構築

AVD(旧WVD)ホストプールを作成(Azure Portal)

アプリケーショングループにユーザーを登録

AVD(旧WVD)セッションホストへの接続確認 (専用アプリ or 専用 Web ページ)

構築する AVD(旧WVD)の全体像は、以下の図のようになります。
AVD(旧WVD)全体像

ホストプール を作成すると、AVD(旧WVD)セッションホストの仮想マシンが全台同一構成で可用性セットを組んだ状態でデプロイされます。このセッションホスト仮想マシンにはパブリック IP アドレスが振られておらず、Microsoft 管理プレーンのゲートウェイ経由で接続します。

3. AVD(旧WVD)環境の構築

3-1.Azure ADDSの構築

Azure Active Directory Domain Services(Azure ADDS)はAzureで提供されるマネージドドメインサービスです。
今回は、セッションホストを Azure AD DS に参加させるために設定が必要です。

Azure Portalを使用してマネージドドメインの作成と構成を行えます。
マネージドドメインの作成する際、DNSドメイン名が必要になります。カスタムドメインや所属のサブドメインを既に持っている場合は、それを指定すると良いでしょう。

詳細はMicrosoftのチュートリアルをご参考ください。

3-2.AVD(旧WVD)ホストプールを作成

Azure Portalで「Azure Virtual Desktop(旧Windows Virtual Desktop)」と検索し、AVD(旧WVD)の管理画面を表示します。

ホストプールを作成するボタンをクリック

AVD(旧WVD)の管理画面

必要なパラメータを入力し、ホストプールを作成

ホストプールを作成

3-3. アプリケーショングループにユーザーを登録

ホストプールの作成が終われば、接続を許可する利用ユーザーを登録します。
Azure Virtual Desktop (AVD) 環境に接続するためには、デスクトップ アプリケーション グループで接続を許可するユーザーを登録する必要があります。

AVD(旧WVD)の管理画面から[Application groups]を選択

[Application groups]を選択

「Application groups」→「Assignment」→「+Add」の順に選択して、接続を許可する利用ユーザーか利用グループを選択します。

[Application groups]を選択

3-4.AVD(旧WVD)セッションホストへの接続確認

AVD(旧WVD)セッションホストに接続して仮想デスクトップを利用する方法は2つあります。

方法①: AVD(旧WVD)専用の [Remote Desktop クライアント ] 経由
方法②: [Web クライアント ] 経由 (対応ブラウザ: Edge, IE, Safari, Firefox, Chrome)

方法①、方法②は同様に以下の手順で接続します。
. Remote Desktop クライアント/Web クライアントを起動し、利用ユーザーアカウントでサインイン (Azure AD に認証情報確認)
. ユーザーに許可されたリソース (仮想デスクトップ/RemoteApp) が表示されるので、利用したいリソースを選択
. 1.と同じユーザーアカウントで再度サインイン (Active Directory 認証)
. 仮想デスクトップ/RemoteApp に接続(FSLogix の Profile Container は、初回接続時に自動で作成され、設定した保存先に保存されます。)

仮想デスクトップ接続画面(Remote Desktop クライアント)

Remote Desktop クライアントで AVD(旧WVD)に接続

仮想デスクトップ接続画面(Web クライアント)

Web クライアントで AVD(旧WVD)に接続

まとめ

今回は Microsoft 純正の仮想デスクトップサービスである Azure Virtual Desktop(旧Windows Virtual Desktop)を利用する際の、
1. 環境構築手順
2. 接続方法
についてご紹介いたしました。

前回、前々回と計3回の連載方式で AVD(旧WVD)についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
連載第1回 『概要/特徴編』 はこちら
連載第2回 『アーキテクチャ/価格編』 はこちら
その他:Windows 365と何が違う?AVDとの違いを比較解説

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

利用方法やユースケースなど、Azure や AVD(旧WVD)に関してご不明な点がございましたら、ぜひお気軽に Azure相談センター までお問い合わせください。
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著者紹介 | SB C&S株式会社 井上 雄貴 (JDLA Deep Learning for ENGINEER 2019 #1)

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