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Azure OpenAI ServiceのOn Your Dataとは?
メリットや自社データを組み込む流れを解説!

2024.09.30

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AzureでOpenAIが開発したGPT-4等の生成AIのモデルを利用できるサービスであるAzure OpenAI Serviceでは、On Your Dataというサービスが提供されています。
外部データを検索できるRAGシステムを容易に構築できることから注目を集めています。今回は、On Your Dataの概要と使用するメリット、使い方をご紹介します。

1.On Your Dataとは?

Azure OpenAI ServiceのOn Your Dataの概要を確認していきましょう。

●Azure OpenAI Serviceとは

Azure OpenAI Serviceとは、Microsoft Azureにおいて、OpenAIが開発したGPT-4oやGPT-4シリーズ、GPT-3.5-Turbo シリーズなどの生成AIのモデルをAPI経由で、Azureプラットフォーム上にてユーザーが独自に利用できるサービスです。

APIとは、Application Programming Interfaceの略称で、簡単にいえばソフトウェア同士をつなぐ接点です。APIを使えば手軽にソフトウェア同士を連携させることができます。

関連リンク:Azure OpenAI Serviceとは?概要やChatGPTの利用についても解説

●On Your Dataとは

On Your Dataは、Azure OpenAI Serviceが独自に提供するサービスで、Azureのさまざまなサービスと連携してRAGを実現できます。

RAGとは、Retrieval Augmented Generationの略称で、「検索拡張生成」と訳され、検索によって生成AIの機能を拡張させることができる機能です。

自然言語処理に特化した生成AIである大規模言語モデル(LLM)では、膨大なテキストデータを学習することで、人間と会話しているかのような自然なテキストを生成します。

この大規模言語モデル(LLM)のテキスト生成に、外部のデータソースから取得した情報を組み込むことで、より正確で豊富な回答を可能にします。

例えばユーザーが質問を入力したら、オーケストレータが外部情報にアクセスして検索をかけます。そして検索結果と共にユーザーからの質問を合わせて大規模言語モデル(LLM)に示すことで、それに基づき、テキスト生成を行います。

回答精度が上がる理由は複数あります。例えば、検索によって最新の情報を加味した出力結果を出力できるようになることが挙げられます。

また、活用する上で大きな問題となる事実とは異なる情報を生成する「ハルシネーション」がありますが、これは検索機能によって抑制できます。

●On Your Data機能が提供された背景

Azure OpenAI ServiceによってOn Your Data機能が作られた背景として、一般的にRAGを実装するには大きな手間やコストがかかることがあります。

RAGを活用するためには「オーケストレータ」、つまりユーザーの質問を受けて関連するドキュメントを検索したり、LLMに回答生成の指示を与えるモジュールが必要になります。

オーケストレータを実装する方法はプログラミング言語を使って実装するか、ノーコードで作成するかの二択ですが、どちらの方法も難しいユーザー組織も存在します。そこで、より容易にRAGを実現するためにOn Your Dataというサービスが提供されるようになりました。

2.On Your Dataを使用するメリット

On Your Dataを使用するメリットをご紹介します。

●より簡単にRAGの仕組みが実装可能

On Your Dataを利用すればRAGシステムを簡単に実装できることが、一番のメリットといえるでしょう。

On Your Dataでは、GUI(グラフィックユーザーインターフェース)を使ってRAGシステムを構築できます。つまりコードを書くことなく、誰もが手軽に実装できます。

また Azure OpenAI Serviceが直接データソースと連携しているため、オーケストレータの実装が不要になります。

●正確な生成AIチャットボットソリューションの構築が可能

On Your DataによってRAGを実現することで、ハルシネーションを抑制できるため、正確性が高く信頼のおける生成AIのチャットボットソリューションの構築が可能になります。

3.On Your Dataの使い方

On Your Dataの使い方を確認していきましょう。

1.使用開始のための準備を行う

On Your Dataを使用するには、まずAzure OpenAI Serviceのリソースを作成します。リソースとは、サービスひとつひとつの要素(実体)のことです。
Azure OpenAI Serviceが利用できるようになったら、Azure OpenAI Studioという総合開発環境のWebポータルの画面からOn Your Dataが使えるようになります。

2.検索元データを設定する

On Your Dataを利用する際には、必ず検索先のデータを指定する必要があります。例えば自社の製品データをモデルに参照させたいとします。その製品データは、次の方法で格納します。

  • ・ファイルを直接アップロードする

    直接ローカル環境からAzureへアップロードします。
    Azure Blob Storageというストレージに格納し、Azureが提供する生成AI型検索サービスであるAzure AI Searchでインデックスを作成します。

    ファイル形式は、.txt、.md、.html、.docx、.pptx、.pdfに対応しています。

    また、他のデータソースに格納されているデータやWeb上のデータを参照させることもできます。

  • ・Azure Blob Storage格納データ

    Azure Blob Storageにすでに格納していたデータを、Azure AI Searchインデックスに取り込む方法です。

  • ・URL/Webアドレス

    WebサイトのURLを参照させる方法です。指定のURLに存在するWebコンテンツはAzure Blob Storageに取り込まれます。

    既存のデータソースに接続して利用することもできます。

出典:Azure OpenAI On Your Data

4.まとめ

On Your Dataを用いれば、より簡単なRAGアプリケーション開発が可能になります。

On Your DataやAzure OpenAI Serviceに関する不明点や導入希望がございましたら、お気軽にAzure相談センターにお問い合わせください。

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