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特典を活用してソフトウェア資産を有効活用しよう!

2022.03.04

クラウドサーバーご検討中の方必見 お役立ち資料一覧

皆さまこんにちは、SB C&Sの八釼です。
普段何気なく使用するソフトウェアについて、ご存じの通り、有償のものもあれば無償のものもあります。オンプレミス環境で使用する場合、有償のものであればライセンスやサポート、サブスクリプションといったものを購入し利用します。

では、パブリッククラウドを利用する場合はどうでしょうか?

例えば、仮想マシンインスタンスを利用する場合に意識するのはその利用料金となり、従量課金制にて使った分だけ支払います。なお、明確な購入や契約手続きを行わないので忘れられがちですが、その支払代金に有償のソフトウェア(OSやミドルウェア)の利用料金が含まれていることは意識しておかねばなりません。無償で利用可能なものが多いオープンソース・ソフトウェアでも有償のものはありますし、商用目的のプロプライエタリ・ソフトウェアであれば尚更です。

ここで一つ疑問が浮かびます。
「クラウドシフトを進めるとオンプレミスでの利用のために購入したソフトウェアは塩漬けになってしまうのではないか?」という疑問です。これについては、もちろんそうなるものもありますし、そうならないものもあります。ということで、今回はAzure利用に際して、できる限り塩漬けを防ぎ有効活用するための制度についてご紹介します。

 

購入したライセンスをAzure環境で利用可能

もちろんどんなものでも利用可能ではないですが、Azure ハイブリッド特典 というライセンス特典が用意されており、購入したライセンスをAzure環境で利用することができます。簡単に言えば、BYOLを可能にする特典と考えてもらって差し支えありません。使用のための条件は当然ありますが、有償のOSやミドルウェアの権利を転用できるわけです。

対象となるライセンス

まずOSですが、マイクロソフト社が開発している Windows Server だけでなく、ありがたいことに有償のLinuxディストリビューションである Red Hat Enterprise Linux と SUSE Linux Enterprise も対象になります。

Windows Server はまさにマイクロソフト社ならではといったところですがOSS(オープンソースソフトウェア)であるLinuxも対象になっているのは非常に助かりますね。詳細については、ぜひ以下の公式ドキュメントをご確認ください。

次にミドルウェアですが、マイクロソフト社が開発しているRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)である SQL Server が対象になります。

なお、詳細な情報についてはマイクロソフト社より公開されているAzure ハイブリッド特典に関するWebページ製品条項におけるMicrosoft Azure についてのページをご確認いただければと思いますが、Windows Server と SQL Server についてはソフトウェアアシュアランス(SA)とコア数が重要な点です。これらについては、SAというライセンスプログラムの特典を使って、所有しているライセンス(数)に応じた数の仮想コアをAzureで利用できるという内容になります。

適用対象となるAzureのサービス

大枠の理解としては、IaaSとして提供されるAzure仮想マシンに対して適用するということで差し支えありませんが、実はそれだけではありません。

Windows Server と SQL Server については、専有ホスト環境であるDedicated Hostや Azure VMware Solutionにも適用させることが可能です。これについては、無制限の仮想化という権利もあり状況によってはぜひとも活用したいですね。

さらには、SQL Server については、PaaS(Platform as a Service)として提供される Azure SQL Database や Azure SQL Managed Instance にも適用させることが可能です。アプリケーションを開発するうえでデータベースは不可欠な要素であり、その基盤の運用・保守の労力が削減できるこういったサービスにも適用できるのは大変ありがたいですね。詳細については、ぜひ以下の公式ドキュメントをご確認ください。

ちなみに、Windows Server と SQL Server 向けの Azure ハイブリッド特典は組み合わせることもできます。つまり、SQL Server をホストするWindows Server の Azure VM を利用する場合には、Windows Server と SQL Server のライセンスコストを一気に削減できる可能性があります。

このようなTips的な情報もありますので、マイクロソフト社より公開されているAzure Hybrid Benefit についてのよくあるご質問についてもぜひご確認ください。

わざわざ購入して持ち込むのは得か?

ここまでは基本的にはすでに保有しているライセンスの有効活用の観点からご紹介してきましたが、この特典の適用を前提に新規にライセンスを購入するという選択肢もあるわけです。ではこの選択肢の価値はあるのでしょうか?

結論としてはあります。一定期間、特に長期の利用を想定している場合はお得になります。後述する計算ツールよりぜひ試算をしてみていただければと思いますが、半年以上の利用であればおそらくコストメリットがでてくるのではないかと思います。

おおよその利用料金を把握することは可能か?

特典の概要はわかりましたが、実際に適用した場合どのくらいコストメリットがでるのか、その料金は実際どのくらいなのかは気になるところですよね。そんなご要望を叶えるべく試算を行うことができるツールがマイクロソフト社より提供・公開されており、無償で利用可能ですのでぜひご活用ください。

なお、契約モデルや為替変動、料金改定の可能性などの要因があるため、実際に支払う料金を正確に算出するものではないので予めご了承ください。あくまで概算として大凡の料金を算出するものです。

Azure Hybrid Benefit 節約額計算ツール

ハイブリッド特典を適用する場合としない場合での違い(節約額)を算出できます。ただし2022年2月時点では円では算出不可で、ドルでのみ算出可能となっています。これからAzureを使い始めようとしておりこの特典による節約コストを試算したい場合はもちろん、すでに利用中の環境に対してあえてライセンス購入をしてその後の節約コストを試算したい場合にも役に立つツールです。

Azureで利用するインスタンスの条件や期間などによって、割引率や額が変動します。場合によってはコストメリットがほとんどもしくは全くないということもありますので、この特典の利用を目論む場合には必ず試算して内容を確認することをおすすめします。

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料金計算ツール

Azureの料金をハイブリッド特典も加味した形で見積もることができます。利用予定の各サービスを選択して条件を入力することで概算料金の計算を行うことができます。なお、見積もりを保存することもできます。

この特典を活用するか否かはラジオボタンで選択でき、その選択により金額が連動して算出されますので節約コストを試算することも可能ですが、利用する環境全体であったりサービス(群)といった単位での利用料金概算を弾き出すのがこのツールの本質的な使い方になります。

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最後に

今回はざっくりとAzure ハイブリッド特典についてご紹介しましたが、パブリッククラウド(Azure)の基本的な課金の考え方は従量課金であり、これは電気・ガス・水道といった光熱費の考え方と同じです。必要がなければ水を出しっぱなしにしないし、不必要に過剰に電力を消費する電化製品は選ばないし、お得な割引があれば活用しますよね?クラウドも同じです。

一般的にはTCOを削減しビジネス価値を向上させることが可能なクラウドですが、各サービスについての課金の仕組みを理解し適切に利用しなければ期待した効果は得られにくいです。

なお、コストの最適化は高品質で安定した効率的なクラウド アーキテクチャを構築・運用するための重要な要素の一つであり、Microsoft Azure Well-Architected Frameworkにおける 5 つの柱のうちの一つです。チェックリスト - コストの最適化にも記載されている通り、このような特典は積極的に活用すべき手段なのです。

弊社では、こういったコスト最適化も考慮したAzureへの移行のご支援を提供しております。このようなベストプラクティスに沿ったAzure運用を目指し移行をご検討されたい場合には、法人でのAzure 導入前の相談窓口であるAzure相談センターまでぜひお気軽にお問い合わせください。

  • 【 著者紹介 】
    八釼 友輔 - Azure エヴァンジェリスト
    SB C&S株式会社 ICT事業本部 クラウド・ソフトウェア推進本部 クラウドプラットフォーム推進統括部 クラウドプラットフォームマーケティング部 販売推進課
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