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Azureに関わるならぜひとも知っておきたいベストプラクティス(フレームワーク+α)
Azure相談センターSB C&Sは、Microsoft Azureを推奨します。
Azureに関わるならぜひとも知っておきたいベストプラクティス(フレームワーク+α)
皆さまこんにちは、SB C&Sの八釼です。
何か新しい取組みを実施する際、自身(自組織)でさまざまな手法の試行錯誤を繰り返して最善のやり方を見つけ出すことは容易ではなく時間も費用も大きく消費します。すでに効果が実証された優れた手法やプロセス、つまりその分野において標準とされるやり方を採用すれば短期間でかつ確実に成果を上げることができます。それがベストプラクティスを活用するメリットです。それはクラウドの導入や利用についても然りです。
当然クラウドの世界にもさまざまなベストプラクティスが存在しAzureにおいても色々とあるので、Azureを利用する立場の方や提案する側の立場の方はもちろんITエンジニアでない方でも少なからず業務上関りがあるのであれば大枠は知っておくべきです。
そこで今回は、Azureに関わる立場であれば最低限存在や概要を知っておくべき三つのベストプラクティスについて紹介します。
細かなものは数多くありますが、以下の三つが前提になっていると考えていただいて差し支えありません。
一言で言えば、「Azure導入を成功に導くフレームワーク」であり、ソリューションアーキテクトやITエンジニアをはじめとしたITプロフェッショナル、ビジネスの意思決定者がAzureの導入目標を達成すべく活用できるものです。Microsoft社は実証済みガイダンスとしての体系化されたナレッジ(ドキュメント、実装ガイド、ベストプラクティス)やツールを提供しています。
情報量は膨大ですので、詳細な部分について興味がある方はぜひ以下の公式ドキュメントをご確認ください。
押さえておくべきこととしては、クラウド導入に向けた取り組みのそれぞれのフェーズです。つまり「CCoE (Cloud Center of Excellence) チームの構築」、「戦略定義」、「計画」、「準備」、「導入」、「ガバナンス」、「管理」という全体像です。
少々聞きなれない単語と思われるCCoEチームについて簡単に解説しますと、「Azureの導入に関する諸問題に組織横断的にコーチングできる組織内プロフェッショナルチーム」です。組織において指導的立場でビジネスと開発の双方の課題を解決でき、深い技術の知見と能力を持つ人材を集めたチームが必要なのです。もちろん最初からこのような機能をしっかり発揮するのは難しい場合が多いと思いますので、育成戦略を立てる必要は往々にしてあります。また、組織横断的であるということが重要です。
こちらについては過去のいくつかの記事で触れておりますが、「優れたAzureアーキテクチャに不可欠な柱や設計原則を解説したフレームワーク」です。一般的な基本設計原則の上に、以下の5つの柱を持っています。
こちらについても情報量は膨大ですので、詳細な部分について興味がある方はぜひ以下の公式ドキュメントをご確認ください。
信頼性
すべてのレベルで障害を予測するように設計し、利害関係者や顧客が要求する時間内に障害から復旧できるシステムを設計する必要があります。なぜならば、復旧手段がない状態でアーキテクチャがダウンすることは最悪の事態であり、絶対に避けるべきだからです。
この柱では、「回復性」と「可用性」がキーワードです。
セキュリティ
この柱では、設計と実装からデプロイと運用まで、アプリケーションのライフサイクル全体を通してセキュリティを考えます。Azureでは、ネットワークへの侵入やDDoS攻撃などのさまざまな脅威に対する保護が提供されますが、それでもアプリケーション、プロセス、組織の文化にセキュリティを組み込む必要があります。
重きを置く部分としては、認証によってアーキテクチャへのアクセスをセキュリティで保護し、アプリケーションやデータをネットワークの脆弱性から保護することです。
コストの最適化
この柱では、使用量に応じた課金である運用コスト(Operational Expenditure: OpEx)が前提となるAzureにおいてコスト効率の高いワークロードを作成するための、ビジネス目標と予算の正当化のバランスを取る原則を考慮します。適切なリソースを選択するのはもちろんパフォーマンスのニーズに合わせてリソースの動的な割り当てと解除を行う、需要に合わせてスケーリングさせるなどさまざまなことを環境全体にわたって考慮する必要があります。
最も効果が大きい部分に予算を投入できるよう、不要な費用の削減と運用効率を向上させる方法を検討しコスト効率に優れた環境を設計するのは当然ですが、継続的にコストを監視した上での定期的なレビューの実施なども不可欠です。
オペレーショナルエクセレンス
アプリケーションがどのように実行中であるかをしっかりと可視化して、最適なUXを確保することを目指します。そのためには開発やリリースのサイクルのスピードアップは重要な要素であるため、DevOpsなどの最新の開発方法を前提としたアプリケーション設計、IaCやコンテナ化の活用も推奨されます。
また、障害や問題が発生する前にまたは遅くともユーザーが気づく前に検出できるよう、優れた監視アーキテクチャを整備することも重要な要素です。運用の機敏性を高めながら差異やエラーを除去します。
これらのことから、「自動化」がこの柱のキーワードであると言えます。
パフォーマンス効率
パフォーマンスとスケーラビリティを念頭に置いてアーキテクチャを設計することで、コスト効率を維持しつつ優れたUXを提供できます。そのためには、アプリケーションの需要と一致させるべくリソースをスケーリングすること、潜在的なボトルネックを識別して最適化すること、最高のパフォーマンスが得られるようコードを最適化することが求められます。
つまり、この柱のキーワードは「スケーリング」と「最適化」です。サービスの需要は変動するため、需要に応じた調整能力がアーキテクチャ側に備わっていることが重要です。
5つの柱に加えて、以下のようなアーキテクチャ全体で考慮すべき一貫した設計原則の理解が必要です。さらに言えばユーザー側とAzure(Microsoft社)側で負う責任の範囲(共有責任モデル)についても理解しておく必要があります。
アーキテクチャの進化を実現
静的なアーキテクチャというものは存在しないため、新しいサービス、ツール、テクノロジを利用できる場合は、それらを活用してアーキテクチャが進化できるようにするべきです。
データを使用した意思決定
データを収集して分析し、アーキテクチャに関する意思決定を行うために使用するべきです。また、コストデータからパフォーマンス、ユーザー負荷まで、データを使用することで、使用する環境において適切な選択を行う必要があります。
教育と有効化
開発・運用・ビジネスチームに対して、ビジネス上の問題を解決するための適切な意思決定とソリューション構築を支援する教育を行い、組織内の構成・決定・ベストプラクティスを文書化して共有する必要があります。
自動化
運用コストの削減や人為的なミスによるエラー発生を最小限化し、環境間の一貫性を確保するために手動作業の自動化が必要です。
実際のユーザーの活用事例から学んだ実証済みかつ確立されたさまざまなパターンと手法を使用してAzureでソリューションを設計するための情報です。その名の通りアーキテクチャの例について参照することができますし、設計のための体系化された方法も参照することもできます。
こちらについても情報量は膨大ですので、詳細な部分やリファレンスアーキテクチャの例について興味がある方はぜひ以下の公式ドキュメントをご確認ください。
それぞれのベストプラクティスを紹介しましたが、これらには関連性があり組み合わせて利用することで真価を発揮します。
全体像としては、
となります。
今回は本ブログの性質上Azure向けのベストプラクティスを紹介しましたが、これら三つは他のパブリッククラウドサービスでも大枠としては共通であり、実は基本的に同じ名前で同様に存在しています。切り口や視点などは少々異なる部分はありますが根本は同じであり、各社は大枠として同じ内容を提唱していると考えていただいて差し支えありません。つまりAzureのベストプラクティスには汎用性や可搬性があり、クラウドに共通した内容を学ぶことに等しいです。クラウド前提時代に突入しマルチクラウドも珍しくない状況になった今、知っておいて損はない内容と言えます。
もちろん正論(あるべき姿)であっても現場とのギャップがある場合や、直近で取りうる現実的・段階的なアプローチを検討する必要がある場合もあり、必ずしもベストプラクティスに従うことが最適とは言えない状況は存在します。
弊社では、こういったベストプラクティスを当然考慮しつつもユーザー様の状況を踏まえて最適な形でのAzureの導入のご支援を提供しておりますので、ぜひとも法人でのAzure 導入前の相談窓口であるAzure相談センターまでお気軽にお問い合わせください。Azure に精通したスタッフが丁寧にご回答いたします。
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