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AzureにおけるAI関連のサービスの大枠を知っておこう

2024.04.01

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皆さまこんにちは、SB C&Sの八釼です。
OpenAI社のChatGPTが広く普及し認知されたことに伴ってAzure OpenAI Service(AOAIS)もまた一躍有名になりました。現在ではAzureの中でもフラッグシップサービスと位置付けて差し付けない存在です。AzureにおけるAIのサービスといえばAOAIS一択と考えている方も少なからずいらっしゃるかと思います。

しかしながら、AzureにおいてはAIに関連するサービスが数多く存在しますので、ざっくりとでも是非とも知っていただきたく紹介します。

AOAISは構成員

実は、Azure AI Servicesというサービス群が存在しこれがAzureにおける事前学習済みモデルを活用することができるサービスの総称です。これを構成する一つのサービスとしてAOAISが存在するのです。活用できるモデルは基本的にマイクロソフト社が事前学習を施していますが、AOAISのモデルは皆様ご存じの通りOpenAI社によるものです。

Azure AI Servicesとは?

サービス群である旨は前述しましたので、別の切り口で補足します。AOAISは基本的に(OpenAI社による)事前学習済みの生成AIモデルとそれを呼び出すためのAPIを提供するサービスですが、世の中で必要とされるAIはこのようなものだけではありません。生成AIとは端的に言えば、画像やテキスト(文章)といったデジタルコンテンツを作成するタスクを行ってくれるAIです。もっとやってほしいタスク(推論)はありますよね?

サービス群の中身

詳細については以下の公式ドキュメントをご確認していただければと思いますが、結構色々あります。単一のサービスのみを使う場合もあるかと思いますし、複数を組み合わせる場合もあります。一般的には、より複雑なことを実現したい場合や大きな恩恵を受けたい場合には複数サービスを組み合わせる必要性がでてきます。
公式ドキュメント | 利用可能な Azure AI サービス

もしかすると気になった方もいらっしゃるかと思いますが、結構な数の廃止のサービスもまた存在します。特に、後述するAzure Cognitive Services に含まれていたDecisionサービスは丸々お取り潰しになっていますしLanguageサービスへの統合もありますね。以前より活用しているユーザーにとっては注意が必要です。
また、Azure AI Document Intelligence (旧 Form Recognizer) やAzure AI Search (旧Azure Cognitive Search)のようにサービス名が変更なったものもあるので要注意です。

なお、このような状態になる前はAzure Cognitive Services(カスタマイズ可能なAIモデルを提供する認知サービス)とAzure Applied AI Services(一般的なビジネスプロセス用のターンキーAIサービス)というカテゴリで大別されていました。個人的にはこちらの方が各サービスについて分かりやすいというかイメージがつきやすく良いと考えていますが、変わってしまったので受け入れるしかないですね。
一点だけ有難いと思っていることは、Azure Cognitive Searchという名称がなくなりAzure AI Searchになったことです。というのも、Azure Cognitive ServicesとAzure Cognitive Searchって見分けるのに神経を使いませんか?私は実際によく見間違えたりしていました。そのため全然話が嚙み合わなくて途中で気づくこともよくありましたね。

ちなみに、AOAISは前者にカテゴライズされていました。つまりAOAISはCognitive Servicesの構成員だったのです。

AOAISと一緒に使われやすいサービス

断トツでAzure AI Search (旧Azure Cognitive Search)です。というのもLLMが知識として持ちえない情報も加味して問いかけに対する回答を返す需要は非常に高く、その実現手法としてのRetrieval Augmented Generation (RAG: 検索拡張生成)のアーキテクチャ構築が現時点での推奨となるためです。RAGは、外部の情報を検索してその結果に基づいてLLMに回答を生成させる手法です。ハルシネーションを軽減し回答精度を向上させることが可能ですし、例えば組織独自の(非公開)情報に基づいて回答を返すアプリケーションが開発できます。

そう、検索ということでAzure AI Searchの出番なわけです。AOAISのモデルは当然Azureにありますし、Azure AI Search のインデクサーがサポートするデータソースもAzure基盤上に存在するものです。つまりAzureリソースでRAGアーキテクチャを組んでしまうのが最も簡単なわけです。

その他にも例えば、感情分析のためにLanguage(言語)サービスと組み合わせる場合もあります。アイディアと要件次第ではさまざまな組み合わせ方がありますが、とりあえずは以下のリファレンスアーキテクチャをぜひ参考にしてください。
Microsoft Base コンテンツ ポータル | Azure OpenAI Service

機械学習だって可能

Azure AI Servicesは(カスタマイズも可能ですがいずれにせよ)基本的に事前構築済みのモデルを使用しますので、必ずしも機械学習が必要なわけではありません。昨今の生成AIブームで用いられるモデルも、基本的には外部の組織が事前に機械学習を施したものを使用しているかと思います。
しかし必ずしもこのようなモデルだけで皆様の課題解決やご希望を叶えられるわけではありません。独自に機械学習を行い、モデルを構築する必要も出てくるかと思います。

Azureにはもちろん機械学習のプラットフォームもありますので独自のモデル作成が可能です。それを実現するサービスがAzure Machine Learningです。もちろんそのモデルをAzure上にデプロイすることも簡単にでき、APIのエンドポイントも発行できます。

一点だけ当たり前のことを述べさせていただきますと、このサービスは独自の機械学習を行うわけですので活用するためには、機械学習に知見を有する人材を必ず必要とします。ざっくりといえば高度データ人材、言い換えると例えばデータサイエンティストが必要と考えてください。

ちなみに、LLMアプリケーションの効率的開発を実現するためのツールであるプロンプトフローをAzure Machine Learning Studioで使えたりもします。詳細については以下の公式ドキュメントをご確認ください。
公式ドキュメント | Azure Machine Learning プロンプト フローとは

最後に

昨今は第四次AIブームの最中であり牽引しているのが生成AIですのでついつい忘れがちですが、一口にAIと言ってもさまざまな種類がありますし活用方法やもたらされる利益もさまざまです。Azureは基盤を提供するサービスであり、さまざまなAIアプリケーションの開発/デプロイの基盤としてももちろん有用です。是非ともAzureのさまざまなサービスを組み合わせて活用し、皆様の経営課題の解決やDXを実現していただければと思います。

しかしながらAzureにおけるAI関連サービスを活用したアプリケーション開発をご検討される場合にはいろいろとお困りごとがでてくることもあるかもしれません。その際にはぜひとも法人でのAzure導入前の相談窓口であるAzure相談センターまでお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。弊社ではユーザー様のご状況やご要望を踏まえて最適な形でのAzureの導入のご支援を提供しております。

  • 【 著者紹介 】
    八釼 友輔 - Azure エヴァンジェリスト
    SB C&S株式会社 ICT事業本部 クラウド・ソフトウェア推進本部
    クラウド・ソフトウェア戦略企画部 1課

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