サーバーの障害対策を徹底解説!
サーバーの障害が起きると、Webサイトやサービス、業務への直接的な影響や社会的信用の失墜等、さまざまな弊害が生じ、深刻な事態となります。ぜひ日頃から対策や準備は徹底して行っておきたいものです。今回は、サーバー障害とは何か、その原因と対策、障害が起きた際の対処法をご紹介します。
1.サーバー障害とは
サーバー障害とは、サーバーにトラブルが発生し、サーバー機能が停止してしまうことです。原因は、サーバーを構成する機器の不具合や故障だけでなく、サーバーにインストールされているソフトウェア、サイバー攻撃、ヒューマンエラーなどさまざまです。
サーバー障害が生じると、主に次のような影響があります。
●Webサイト訪問者の減少
サーバーを用いてECサイトやWebサイトの運営を行っている場合、Webサーバーが障害を受け、停止してしまうことで、訪問ユーザーの大きな減少を招きます。
●経済的損失
サーバー障害によって各種サービスが停止しまうことで、売上の減少につながることもあります。
●社会的信用の低迷
サーバー障害によるサービスの停止は、社会的な信用低下につながることがあります。対応によってはクレームや風評被害に遭うなどのリスクもあります。
●社員の業務停止・生産性の低下
会社のサーバーは社員の業務に直結することが多いため、メール送受信ができない、サーバーを用いた各種業務が使えない事態となれば、生産性低下を招きます。
2.サーバー障害の原因
サーバー障害の原因は、大きく外的要因と内的要因に分かれます。
主な原因は以下のものがあります。
1.外的要因
・アクセス集中
サーバーの処理能力を超えるアクセスが集中してしまうと、サーバーはリクエスト処理が追いつかず動作が遅くなったり、機能が一時的に停止してしまったりします。
・サイバー攻撃
不正アクセス、データ改ざん・破壊、ウイルス感染、DDoS攻撃などのサイバー攻撃によるものです。意図的にサーバー障害による業務停止に追い込んだり、身代金を要求したりするケースもあります。DDoS攻撃は、複数の端末からサーバーへ大量のリクエストを送り付け、意図的にサーバーに極度の負荷を与え、ダウンさせるサイバー攻撃で、深刻な被害をもたらすといわれています。
・自然災害
地震や水害、落雷等の自然災害が生じると、電力や水道、コンピュータ施設の損壊により、サーバー障害が起こり得ます。
2.内的要因
・ヒューマンエラー
サーバー運用に重要なファイルを誤って削除してしまうなどの人為的な操作・設定ミスや、プログラム上のバグ、メンテナンス不備などが考えられます。
・ソフトウェアのバグ
サーバーにインストールして利用しているソフトウェアそのものの不具合「バグ」によってサーバー障害が起きることがあります。
・ハードウェア故障
ハードディスクや部品の老朽化や、長時間高負荷で稼働させ続けることなどによる故障により、サーバーを構成するハードディスクや部品が故障して障害が起きることがあります。
3.サーバー障害を未然に防ぐ対策
サーバー障害を未然に防ぐ対策としては、主に次の方法があります。
●サーバーをもう一台準備する
サーバーが故障した際に、もう一台、予備のサーバーを用意しておく方法です。これを冗長化と呼びます。機能や保存データなどをまったく同一のサーバーを準備しておくことで、障害時等にすぐ差し替えられるため、サービスや業務停止を回避できる対策です。
●負荷を分散する「ロードバランサー」を導入する
万が一、大量にアクセスが集中してしまっても、複数のサーバーに負荷を分散する仕組みである「ロードバランサー」を導入しておくことも有効な障害対策です。
●バックアップにより復旧をスムーズに行えるように準備する
サーバー障害時にスムーズかつ迅速に復旧できるよう、あらかじめサーバーの運用に必要なデータのバックアップをとっておく障害対策です。
●監視システムを導入する
24時間365日稼働するサーバーを監視するシステムを導入しておくことで、サーバーに何らかの異常が生じた際にも早期発見・早期対応につながります。
●シミュレートを行い障害対応の準備を行う
万が一、サーバー障害が発生したときに、どのような対応を行うのかの準備・マニュアルの準備も欠かせません。「Chaos Engineering(カオスエンジニアリング)」として障害をシミュレートしておくのも有効な対策です。Chaos Engineeringとは、サーバー等のシステムやリソースに対して意図的に障害を発生させ、障害に対応できるインフラには何が必要か検証し、必要なものを構築しておくことで、実際の障害に対する予防策を行う方法です。
4.サーバー障害が起きてしまったときの対処法
実際に、サーバー障害が起きてしまったときの対処法をご紹介します。
1.影響範囲を推定・特定する
サーバー障害によって影響が出る範囲を確認し、特定したうえで、関係者に迅速に情報共有して対応体制に入ります。
2.サーバー障害の原因を特定
実際にサーバー障害の原因を特定していきます。ハードウェア、OS、ネットワーク、アプリケーション、サービスのレイヤーごとに検証していきます。サイバー攻撃の場合は、その種類の特定や最善の対処法を知る意味でも、システム保守ベンダーやセキュリティの専門家に相談することが重要です。
3.特定した原因に基づき復旧作業
原因が特定できれば、復旧作業を行っていきます。このときにスムーズかつスピーディーに実施できるよう、あらかじめ障害ごとの対応手順・マニュアルを用意しておくことが重要です。
5.まとめ
サーバー障害はどの企業でも起き得るトラブルです。どれだけ未然に準備を整えておけるかが重要になります。それはオンプレミス・クラウドサーバー共に重要です。
クラウドサーバーとして Microsoft Azure を採用している場合には、Azureサービスに障害が発生した際にどのように対処すべきかを事前に計画して、障害対応の検証を行うためのChaos Engineeringが行えるAzureサービス「Azure Chaos Studio」利用がおすすめです。下記のページでは、「Azure Chaos Studio」について詳しく解説しています。サーバー障害対策のご参考に、ぜひご覧ください。
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