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Azure OpenAI Serviceのモデルを展開するのは簡単だけど・・・
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Azure OpenAI Serviceのモデルを展開するのは簡単だけど・・・
皆さまこんにちは、SB C&Sの八釼です。
OpenAI社が提供する機械学習モデルを自組織の専用環境で運用できるサービスであるAzure OpenAI Service(AOAIS)を利用するユーザーはどんどんと増え続けており、今後ぜひ活用していきたいと考えている経営層/マネジメント層の方も多いのではないでしょうか?
過去に掲載したこの記事にて、Azure OpenAI Serviceだけでは価値が小さいとお伝えさせていただきましたが、今回はこれについて少しだけ深堀したいと思います。AOAISのモデルをデプロイするとはどのような状態なのか?ビジネスで活用するには最低限どのようなことを考えておかなければならないのか?といったことを今回の記事ではお伝えします。AOAIS LLMアプリケーション導入の第一歩として参考にしていただければと思います。
まずは何をするにもモデルをデプロイしないと始まりませんが、臆することはありません。詳細については以下の公式ドキュメントをご確認いただければと思いますが、モデル(プログラム)が動作する環境とデプロイしたい具体的なモデルを指定するだけです。色々慎重にやったとしても20分あればすべて終わると思います。どこのリージョンにデプロイしたいとか各リソースを識別するための名称だけ考えておけば、Azure portalからでもコマンドライン(Azure CLI)からでも簡単にデプロイできます(なんならコードでも可能です)。これでAPIエンドポイントやアクセスキーも発行されるので、基本的な準備はこれで整ったという状態です。
公式ドキュメント | 方法 - Azure OpenAI Service を使用してリソースを作成し、モデルをデプロイする - Azure OpenAI | Microsoft Learn
前述の通りモデルを展開するのは非常に簡単なのでここについてはそれほど気にする必要はありません。考えなければならないのはそれ以外の部分です。
具体的には、ユーザーインターフェースとコネクタ(APIに対してリクエストを送るプログラム)です。
そもそもAOAISは、OpenAI社のモデルとそれを呼び出すAPIを提供してくれるサービスですので一般(非技術系職種)ユーザーのためのGUIは用意されていません。AOAISにおいて何の準備なく唯一使えるGUIはAzure OpenAI Studioのプレイグラウンドです。もしくはCUI (curlコマンド) を使用するという選択肢もありますが、一般ユーザーにとっては少々抵抗感があると思いますし、そもそもこれでプロンプト/コンプレッションを扱うことは良質なUXからは程遠いです。
ということは、最適なGUIをユーザー側で用意しなければならないということです。独自のWebやスマホ、デスクトップアプリケーションを開発することでもよいですし、既存のチャットツールやサービスをインターフェースにすることでも構いません。
ちなみに、最近では過去に掲載したこの記事にて紹介したAzure App Service(Web Apps)を使ってチャット形式のモデルに対しては非常に簡単にWeb UIをデプロイすることができます。
既にデプロイされているちょうど良いWeb Appがあればそれにデプロイすることもできますし、新たに作成したいのであってもChatGPT プレイグラウンドから簡単にデプロイまで可能です。
詳細については以下の公式ドキュメントをご確認ください。
公式ドキュメント | Web アプリをデプロイする
ただし非常に簡素な作りになっているので、もっと凝ったフロントエンドが必要だったりより多くの機能が必要な場合にはユーザー側でしっかりと開発する必要があります。
フロントエンドの操作画面だけあっても当然ながら活用できません。もちろんバックエンドプログラムが必要です。このプログラムからAPIにリクエスト(プロンプト)を送ってそれに対する出力をUIから確認するわけです。つまり、UIとモデルを繋ぐものが必要になるわけです。
これは例えばPythonのようなプログラミング言語のコードで書く以外にも、Power Appsのようなローコードツールを活用するという選択肢もあります。
公式ドキュメント | GPT-35-Turbo および GPT-4 モデルの操作方法を説明します
公式ドキュメント | Power Apps (プレビュー) でテキスト生成モデルを使用する
UIとコネクタが揃ってチャットアプリケーションとしてはとりあえず完成となるわけです。
どのような手段を選択するかはさておき、モデル展開後に最低限必要となるUIとコネクタを整えたとします。
さて、これで皆様のビジネスに貢献するLLMアプリケーションが手に入りましたでしょうか?
・・・おそらくなっていないはずです。OpenAI社が提供するSaaS型チャットボットアプリケーションの簡易版が準備できた、といった感じなのではないでしょうか?もちろんプロンプトが追加学習に使用されるリスクが排除できたことや、ユーザー独自のモデルの(本家のものよりはコントロール性のある)動作環境が手に入りはしたのですが・・・日本リージョンでもデプロイできるようになりましたし・・・
経営層/マネジメント層の方は、自組織の内情の考慮や提供するサービスに最適化したものが欲しいはずです。そういったLLMアプリケーションでなければ投資対効果が薄いのです。そのようなものには❝色々な仕組みや仕掛け❞が必要で、それらがAOAISのモデルと連携して成り立ちます。❝色々な仕組みや仕掛け❞は本当に様々であり、これ次第でLLMアプリケーションは想像もつかないような効果をもたらしてくれるのです。
とはいえ、無数に選択肢がありすぎてどのようなものを開発してよいものか路頭に迷ってしまう可能性があります。そのような場合はまずはMicrosoft Base コンテンツ ポータルのリファレンスアーキテクチャを参考にしてみてください。
といった具合に情報が公開されています。
自組織の専用環境にOpenAI社が提供するモデル(プログラム)をデプロイすること自体はそれほど難しい話ではないのですが、望む出力(コンプレッション)を得ることは容易でなく、また事前学習している情報からだけではどうしてもビジネスにおける活用のような高度なものへは手が届きません。
また、前述したように❝色々な仕組みや仕掛け❞が必要になりますが、それらはどこにデプロイしますか?色々と選択肢はありますがAzureが手っ取り早く、AOAISのリソースとの親和性が高いのではないでしょうか?
このようなことからもOpenAI社のモデルを活用したLLMアプリケーションを開発するのであれば本家のものよりもAOAISがおススメと言えます。❝色々な仕組みや仕掛け❞もどんどんとAzure上へデプロイするのが簡単になっていっています。
Azure環境を前提としたOpenAI LLMアプリケーションの開発にあたっては色々とお困りごとが出てくるかもしれませんが、その際にはぜひとも法人でのAzure導入前の相談窓口であるAzure相談センターまでお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。弊社では、ユーザー様のご状況やご要望を踏まえて最適な形でのAzureの導入のご支援を提供しており、Azure に精通したスタッフが丁寧にご回答させていただきますし皆様のAzure OpenAI Serviceを活用したサービス開発の一助となるべく尽力いたします。
関連記事:そもそもAI(人工知能)とは?画像生成AIなど種類やモデルを解説
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