皆さまこんにちは。SB C&Sの井上です。
今回はAzure仮想マシンのデータディスクのライブ拡張機能をご紹介します。
従来ではAzure仮想マシンのデータディスク容量を拡張するためには一度仮想マシンの割り当て解除を行う必要があり、必然的にダウンタイムが発生してしまいました。
今回ご紹介するライブ拡張機能を利用すると、割り当て解除を行う必要なく、ダウンタイムなしでデータディスクを拡張することができるようになりました。
これにより、サービスを実行中の仮想マシンのデータディスク容量が足りなくなった際のメンテナンスタイムを大幅に短縮することができ、サービス利用者への影響を最小限にすることができます。
こんな便利なライブ拡張機能ですが、この機能の利用にはいくつかの制限がございます。本編では、ライブ拡張機能の使い方、および制限について、データディスクのライブ拡張を実際の画面も踏まえてご紹介します。
1.データディスクのライブ拡張機能の制限
・仮想マシンのデータディスクでのみライブ拡張をサポート。
・拡張するデータディスクの容量が4TiB以下の場合、ライブ拡張できる最大容量は4TiBまで。
・拡張するデータディスクの容量が4TiB以上の場合、Azureディスクでサポートされている最大容量までライブ拡張可能。
・Ultraディスク/Premium SSD v2ディスクではライブ拡張は非サポート。
・共有ディスクではライブ拡張は非サポート
・ライブ拡張操作は以下のいずれかの方法で実施
a.最新のAzure CLI
b.最新のAzure PowerShellモジュール
c.Azure Portal
d.2021-04-01以降のAPIバージョンを使用するAzure Resource Managerテンプレート
・一部のクラシック仮想マシンでは非サポート
今回はこの制限をクリアしたAzure仮想マシンとデータディスクを作成し、Azure Portalからデータディスクのライブ拡張を行います。
2.データディスクのライブ拡張方法 (Azure Portalでの操作)
今回は事前にStandard B2ms仮想マシン (Windows Server 2022 Datacenter Azure Edition)を作成してOS設定で言語を日本語化し、Standard SSD E4 (32 GiB)のデータディスクをアタッチしています。
また、仮想マシン内のディスクマネージャーから新しいシンプルボリュームを作成し、ディスクをフォーマットしています。
1.Azure Portalでデータディスクを拡張する仮想マシンページに移動し、[設定]の[ディスク]をクリックします。
2.拡張したいデータディスクのディスク名をクリックし、ディスクページに移動します。
3.ディスクページで[設定]の[サイズおよびパフォーマンス]をクリックし、任意のサイズを選択して[保存]をクリックします。
(今回はStandard SSD E6 (64 GiB)を選択)
Azureではディスクに保存したデータの損失を防ぐため、現在のディスクサイズより小さいサイズのディスクに変更(ディスクサイズの縮小)することはできません。
3.データディスクのライブ拡張方法 (仮想マシンでの操作)
Azure Portalからデータディスクを拡張したら、OS上でディスクを使用できるようにするために、仮想マシンにRDP接続してディスクのボリュームを拡張します。
ボリューム拡張にはDiskPartかディスクの管理が使用できますが、今回はディスクの管理を使用する方法をご紹介します。
1. 仮想マシンにRDP接続し、検索バーに[diskmgmt.msc]と入力してエンターキーを押下し、ディスクの管理を開きます。
データディスクのパーティションにはAzure Portalで元の容量から拡張した容量分の未割り当てパーティションが追加されています。
(今回は32 GiBから64 GiBに拡張したため、差分の32 GiBが未割り当てとして認識されています)
2.既存のデータディスクのベーシックデータパーティションを右クリックし、[ボリュームの拡張]を選択します。
3.ボリューム拡張ウィザードが開いたら画面に従い設定を行います。
(今回は全て既定値で[次へ]をクリック)
4.データディスクの容量が拡張され、OS上から利用できる状態になったことを確認します。
4.まとめ
今回はAzure仮想マシンのデータディスクのライブ拡張機能についてご紹介しました。
データディスクのライブ拡張機能を利用すると、仮想マシンの割り当て解除やディスクのデタッチを行うことなく、ダウンタイム無しでデータディスクを拡張することができるようになります。
これにより、サービスを実行中の仮想マシンのデータディスク容量が足りなくなった際のメンテナンスタイムを大幅に短縮することができ、サービス利用者への影響を最小限にすることができます。
なお、ライブ拡張機能の制限をクリアしていない仮想マシンやディスクの場合(例えば仮想マシンのOSディスクを拡張したい場合など)は、従来通り仮想マシンを一度割り当て解除してからディスク拡張を行う必要があるのでご注意ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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【 著者紹介 】
井上 雄貴
・Azure Solutions Architect Expert
・JDLA Deep Lerning for ENGINEER 2019 #1
SB C&S株式会社 技術統括部 第1技術部 2課
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