Microsoft Azureでは、OpenAI社が開発したGPT-4等の生成AIのモデルとそれに対するAPIが使用できるサービス「Azure OpenAI Service」を提供しています。
利用するには、当然ながらAzureを契約しその料金を支払う必要があります。
今回は、Azure OpenAI Serviceの料金体系の概要をご紹介します。
1.Azure OpenAI Serviceの料金体系の特徴とは?
Azure OpenAI ServiceはAzure AIサービスの一部であり、GPT-4シリーズなどを利用可能です。
OpenAIはAPIサービスも提供していますが、Azure OpenAI Serviceで提供されるAPIも仕様やライブラリは基本的に共通ですし課金の考え方もほとんど同様です。
ここではAzure OpenAI Serviceの料金体系の特徴をご紹介します。
●料金体系の特徴
Azure の利用料金もOpenAIのAPIサービスも従量課金制ですが、Azure OpenAI Serviceについても然りで利用した分だけ料金が発生します。
単価は利用するリージョンやモデルによって異なり、随時更新されています。そのため公式ページを随時参照して単価を確認しましょう。
【関連リンク】
出典:Microsoft公式サイト「Azure OpenAI Service の価格」
GPTのような言語モデルであれば、料金はAPI使用に際して消費したトークンの数に基づいて支払い料金額が決定されます。1,000トークンあたりの利用料金が設定されており、入力と出力それぞれ課金される仕組みになっています。
【参考】トークンとは
データを処理する際に使用する単位で、単語数や文字数とは異なります。
2.Azure OpenAI Serviceで利用できるモデルの種類と料金設定
Azure OpenAI Serviceで利用できるモデルの種類と料金の考え方について確認していきましょう。
【関連リンク】
Microsoft公式ドキュメント「Azure OpenAI Service モデル」
●言語モデル/微調整モデル
レガシなGPT-3.5-TurboやGPT-4などの言語モデルについては、各モデルごとに、入力出力トークンそれぞれの料金が設定され消費量(数)に応じて課金されます。
なお微調整用のモデルを利用する際には、入出力トークン数に加え微調整をしたモデルに対してホスティング費用が時間に応じて、さらにトレーニングに使用したトークン数に対しての費用も発生しますのでご注意ください。
【参考】微調整(ファインチューニング)とは
事前にトレーニングされたモデルに追加で学習させパラメータを微調整することを意味します。これによって事前学習によって構築されたAIモデルをカスタマイズして、特定のタスクや用途に完全に適応したモデルを再構築することができます。
●埋め込み(Embedding)モデル
入力された単語や文章を数値データ(ベクトル)化するモデルです。自然言語が定量化されることで、文書同士の類似度を計算でき検索などに利用できます。トークン消費数に応じて課金されます。
●画像モデル
入力言語から画像を作成するモデルであり、DALL-Eが使用できます。自然言語で柔軟に生成画像の画風や特徴を指示できます。画質と解像度によって価格は異なりますが、生成する画像100件あたりの料金が設定されています。
●音声モデル
音声データをテキストへ変換するモデルです。OpenAI社が開発したWhisper以外にもMicrosoft社が開発したモデルも使用可能です。前者であれば利用時間で課金され、後者であれば読み上げた文字数で課金されます。
3.Azure OpenAI Service利用開始までの流れ
Azure OpenAI Serviceはどのように利用開始できるのでしょうか。
前述したとおりAzure OpenAI Serviceは、Azureにおいて提供されるサービスの一つであることから、Azureの他サービスと同様、Azureの利用料金として支払うことになります。
そのため、まずAzure自体の契約が必要になります。契約と有効なサブスクリプションを準備すれば基本的には利用開始できます(以前はMicrosoft社にAzure OpenAI Serviceの利用申請を行い、承認を得る必要がありました)。
ただし、不正利用監視やコンテンツフィルターといった「限定アクセス」機能を利用する場合には専用の申請フォームから申請が必要です。
【関連リンク】
Microsoft公式サイト「Limited access for Azure OpenAI Service」
4.まとめ
Azure OpenAI Serviceは多様な料金体系のモデルがあることから、最適なものを選びましょう。
またAzureを利用する際には単純にEntra IDテナントやサブスクリプションを準備するだけでなく、そもそも自組織に適切な契約を選択するなど複雑な考慮事項が多く存在します。Azureの契約などでお困りの際には、まずは法人でのAzure導入前の相談窓口であるAzure相談センターまでお気軽にお問合せください。
加えてAzure OpenAI Serviceを活用するシステム環境を整えることは、自組織ではなかなかむずかしい場合もありますので、お困りの場合には、「Azure OpenAI Service導入支援サービス」をご提供しておりますので、ぜひご活用ください。
Azure OpenAI Service導入支援メニュー
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【関連リンク】
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