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仮想ネットワークとオンプレミスネットワークを接続するには?

2022.08.08

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オンプレミス環境とパブリッククラウド環境を組み合わせたハイブリッドクラウド利用を行う際、オンプレミス側のネットワークとパブリッククラウド側の抽象化されたプライベートネットワークを接続させてそれぞれに所属するコンピューター同士をプライベートIPアドレスで通信させたい場合が多々あると思います。

そこで今回は、Azureの仮想ネットワーク(VNet)とオンプレミスネットワークを接続させてこれらのネットワークをまるで一つであるかのように運用する方法についてご紹介します。

2種類の接続方法

VNetとオンプレミスネットワーク、つまり拠点間を接続するにはインターネットを介したVPN接続か閉域網(専用回線)で接続する方法があります。

いずれの場合でも必要になることは、対象となるVNetの出入り口として、ゲートウェイ専用のサブネット(ゲートウェイサブネット)を作成して、そこに所属しパブリックIPアドレスを持つ「VNetゲートウェイ」というリソース(2つ以上のVMで構成される)を作成することです。
なお、ゲートウェイサブネットには必ず "GatewaySubnet" という名前を付けなければなりません。
また、VNetゲートウェイには種類によってそれぞれ異なる複数のSKUが用意されており、指定するSKUによってスループットやサポートされる機能などが異なります。もちろん料金も異なります。

VPN接続

オンプレミスネットワークとVNet間をインターネットVPN ( IPsec ) で接続が可能で、S2S(サイト対サイト)接続と呼ばれます。この場合VNetゲートウェイは、「VPNゲートウェイ」として作成します。これがソフトウェアベースのVPNデバイスというわけです。

もちろん、オンプレミスネットワーク側にもVPNデバイスを用意します。検証済みのVPN デバイスとそれに対する構成ガイドも公開されていますので、こういった情報を元にサポートされる機器を選定してください。さらにこれを抽象的に扱うために「ローカルネットワークゲートウェイ」というリソースを作成し、オンプレミスネットワークのアドレス空間やオンプレミスVPNデバイスのエンドポイントの関連付けを行います。これによりローカル(オンプレミス)ネットワーク設定の構成情報を保持した抽象的なVPNデバイスが出来上がるというわけです。
そしてこれらのゲートウェイ(VPN/ローカルネットワーク)同士を接続させると、サイト間接続の出来上がりです。

なお、オプションとしてP2S(ポイント対サイト)接続も可能です。いくつかのVPNプロトコルがサポートされており単体のクライアント端末 ( Windows PCやスマートフォンなど ) からVNetに接続できるのです。ただしIPsecのルーティング方法としてはポリシーベースまたはルートベースのどちらかを選択しなければならないのですが、P2S接続の実現のためにはルートベースである必要があります。ちなみにこの選択はVPNゲートウェイ作成時にのみ可能なため、ポリシーベースで作成したものを途中でルートベースに変更できません。この場合には、ポリシーベースで作成した既存のものを削除して、ルートベースのVPNゲートウェイを新規に作成する必要があるのでご注意ください。

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また、VNet同士のVPNによるS2S接続を行うこともできます。それぞれのVPNゲートウェイ同士を簡単に接続させることができるのです。
しかしVNet同士をシームレスに接続したい場合、「VNetピアリング」という方法を使用する方が簡単なのでおすすめです。対象になるVNetに対して少々の値を設定するだけでピアリング接続を機能させることができ、VNetゲートウェイを使わずしかしインターネットも経由しない(Azureのバックボーンネットワークを使用する)プライベート接続を実現できます。

専用線接続

VPNのように仮想的な状態ではなく、オンプレミスネットワークとMicrosoftクラウドを閉域網(専用回線)で接続するためにExpress Routeというサービスがあります。この場合のVNetゲートウェイは、Express Routeゲートウェイ(ERゲートウェイ)として作成します。
VPNによるS2S接続に比べ、後述するサービスプロバイダーに関する料金も考慮する必要があるため基本的には総合的な費用が高くなると考えていただいて差し支えありませんが、帯域幅が保証され通信品質が安定しやすいです。

日本の場合、Equinixや@Tokyoのデータセンター内に専用回線の入口(物理ルーター)があるので、そことMicrosoft社のバックボーンネットワークを通じてプライベートピアリング構成にてERゲートウェイにつなげる(論理接続する)ことでこのサービスの回線(以後ER回線)になります。ちなみに、このルーターはMicrosoft Enterprise Edge Router (MSEE)と呼ばれており、既定でMicrosoft社側に2系統存在しており冗長化されています。

なお、ER回線を用いて通信を行う場合には「プライベートピアリング」もしくは「Microsoft ピアリング」のどちらかのピアリングを構成する必要がありますが、今回の記事のようにVNet(にデプロイされたリソース=プライベート IP 帯)であれば前者を構成します。後者は、Microsoft 365などのマイクロソフトクラウドサービスやAzure PaaSサービス(=パブリック IP 帯)の場合に構成します。

ソフトバンクの回線を経由してAzure ( VNet ) に接続可能

ER回線によりMSEEまではつながりましたが、まだAzure(VNet)へのアクセスポイントを整備したという状態です。ここからオンプレミスネットワークまでをつなげないと意味がありません。つなげるためには、接続(回線)サービスプロバイダーを利用する/しないという選択肢がありますが、利用しない場合にはかなり導入のコストやハードルが高くなるので特別な要件がある場合を除きおすすめできません。そのためサービスプロバイダー経由で配線するのが一般的と考えていただいて差し支えありません。
ぜひソフトバンクにお任せください!

  • ソフトバンクの閉域網サービス SmartVPNと、Microsoft の提供するクラウドサービス Microsoft Azure™ の専用線接続サービス ExpressRoute® の接続をご提供するサービスです。
  • OnePort ダイレクトアクセス for Microsoft Azure

Azure VMware Solution ( AVS ) の場合

以前に掲載したこちらの記事でもVMの移行の際に閉域網での接続が必要になることについて少しだけ触れました。当然ここにもER回線が絡んでいます。ただし少しだけ応用の形です。
まずAVSの場合にはそれぞれのプライベートクラウドにDedicated Microsoft Enterprise Edge (D-MSEE)という専用のエッジルーターがデプロイ時に割り当てられます。プライベートクラウドをデプロイした直後のD-MSEEは外部ネットワークとの接続は未構成の状態ですので、本記事のようにオンプレミスのネットワークと繋ぎたい場合にはこことピアリングを行う工程が必要です。
そこで登場するのがGlobal Reachという機能であり、オンプレミスネットワークとつながっているMSEEと割り当てられたD-MSEEを接続できます。この機能を使った結果、デプロイ時にバックエンドでプロビジョニングされるプライベートクラウド用のER回線とERゲートウェイとMSEEをつなげているER回線とをリンクさせることができ、オンプレミス環境とAVS環境が接続された状態になるというわけです。

VPN接続と専用線接続の併用

前述したとおりER回線(=経路)は冗長化されていますが、アクセスポイントの災害/障害対策(冗長化)は別途必要になります。これを実現するためにもう1本ER回線を用意する選択肢がありますが、コスト負担が増大するので費用的に見合わない場合にはこの判断は下せません。

そこでVPNを併用することでコスト負担を軽減しアクセスポイントの冗長化を図る選択肢があります。ER回線が正常な時はこちらですべての通信に優先的に使用し、障害が発生した際にはS2SのVPN接続に切り替えるのです。

なお、このような使い方をする場合、P2Sの場合と同様にルートベースのVPNゲートウェイである必要があり、SKUについても「Basic以外」を選択しなければなりません。

VPN-gateway-SKU.png

最後に

こういったネットワーク(拠点)間接続も踏まえてハイブリッドクラウド運用をご検討されたい場合に、特にExpress Routeを使用する専用線接続は少し複雑かもしれません。ご不明な点がございましたら、まずは法人でのAzure導入前の相談窓口であるAzure相談センターまでぜひお気軽にお問い合わせください。Azure に精通したスタッフが丁寧にご回答いたします。

  • 【 著者紹介 】
    八釼 友輔 - Azure エヴァンジェリスト
    SB C&S株式会社 ICT事業本部 クラウド・ソフトウェア推進本部 クラウドプラットフォーム推進統括部 マーケティング部 販売推進課

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