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Azure 最新テックガイド#1
機械学習を身近にした Azure Machine Learning

2016.02.24

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マイクロソフトがクラウドベースの機械学習サービス「Azure Machine Learning」を正式リリースして丸1年が経過しました。"第3の人工知能ブーム"と言われる今、機械学習の注目度は高く、Azure Machine Learningもビジネスのさまざまな場面で利用され始めています。

マイクロソフトの技術を結集

機械学習とは、人間の学習能力と同等の機能をコンピュータで実現する技術のことです。コンピュータが繰り返しデータを学習して隠されたパターンを見つけ出し、そのパターンを新しいデータに適用して将来の予測などに使われます。特に最近は、人間の脳神経を模したニューラルネットワークを用いた「ディープラーニング(深層学習)技術の発展が目覚ましいこともあり、"第3の人工知能ブーム"と言われるほど機械学習に対して注目が集まっています。

この機械学習をクラウドサービス(PaaS)として提供するのが、Azure Machine Learningです。マイクロソフトは1990年代初めから機械学習の技術開発に取り組んでおり、これまでにHotmail(現在のOutlook.com)の迷惑メール検知、Bingの検索エンジン、Kinectのジェスチャー認識、Skype Translatorの自動翻訳などで機械学習技術を磨いてきました。Azure Machine Learningは、そうした長年にわたるマイクロソフトの機械学習技術を結集したサービスなのです。

API呼び出しだけで簡単実装

Azure Machine Learningは、世界中のあらゆる人やデバイスがどこからでも機械学習にアクセスできるようになることを目的にリリースされたサービスで、さまざまな使い方が用意されています。中でも最も手軽な使い方は、アプリケーションからAPIを呼び出す方法です。Azure Machine Learningには、画像認識、音声認識、顔認識、異常検知、テキスト分析、レコメンデーションといったAPIがあらかじめ用意されており、それらをアプリケーションに組み込むことが可能です。

これはマイクロソフト自身の製品・サービスにも利用されています。例えば、最新のWindows 10(November Update)で実装された音声認識機能「Cortana」は、認識した音声をテキスト化してAzure Machine Learningに渡し、自然言語処理によって文脈を理解したうえで蓄積されたナレッジを参照し、回答したり操作したりする仕組みになっています。また、LINEを使ってチャットが楽しめる女子高生AI「りんな」も、Azure上に蓄積されたチャットデータやインターネットの検索結果などを基に適切な回答を推論しています。

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顔認識APIを利用したサービス提供の例(How-Old.net)

ビジネスへの活用が広がる

Azure Machine Learningには「Azure Machine Learning Studio」というブラウザベースの開発環境とテンプレートも用意されており、それらを利用して機械学習モデルを構築することもできます。テンプレートには不正検出、テキスト分類、売上予測、設備保全、顧客離反分析といった業務に役立つサンプルが多数用意されているので、それらをカスタマイズする形でビジネスに活用することもできるのです。

もちろん、Azure Machine Learning Studioを使って、テンプレートによらない新しい機械学習モデルを作成することもできます。Azure Machine Learningでは複数のアルゴリズムが提供されており、用途によって分析手法を選べます。例えば、データが所属するカテゴリを予測する「クラス分析」は、不良品検査、故障予兆、与信分析などの分野に適用できます。また、データに対応する実数値を予測する「回帰分析」は売上予測や品質管理、データを類似するもの同士に分類する「クラスタリング」は顧客グルーピングや細分化(セグメンテーション)、異常値の検出などに利用します。

すでに多くの企業に利用され、利益創出やコスト削減の効果をもたらしているAzure Machine Learning。今後さらに活用が進むことで、人の勘と経験による属人的な意思決定は排除されて合理的な予測や判断が可能になり、一層業務の品質や正確性が高められると期待されています。

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ブラウザで使えるAzure Machine Learning Studio

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