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導入したクラウドで失敗したくない!
リスクを減らすカイゼン的アプローチとは

2017.06.21

クラウドサーバーご検討中の方必見 お役立ち資料一覧

かつてMicrosoft Excelがさまざまな企業や個人の仕事を変革していったのは、Excelが元々持っている機能はもとより、それを使うユーザー自身が、自分が必要とするExcelの機能を十分に引き出していたからです。ツールというのは、それ自体が優れているだけではなく、ユーザーが使いこなせて初めて効果を発揮します。

クラウドの利用についても同じことが言えます。

どのようにクラウドを導入することが企業として正解なのか、また、クラウドの活用法・失敗しないクラウドの利用とはどのようなものかを、パブリッククラウドのエバンジェリスト・吉田パクえ こと吉田雄哉氏に解説いただきました。

クラウドに向いた「スタイル」
とは

吉田氏によれば「そもそもクラウドは、企業ITのあり方や価値観をガラリと変容するもの」です。つまり、現状の課題を解決するためだけの仕組みではないのです。

例えばクラウドでシステム開発をする場合、伝統的なウォーターフォール型の開発スタイルを踏襲しても、なかなかうまくいかないでしょう。これではツールとしてのクラウドを使いこなせておらず、その結果「クラウドの効果が得られなかった」というミスマッチを招いてしまいます。

クラウド活用で失敗をしない
ための
反復チェック

吉田氏は、クラウド活用で失敗しないためのポイントを
「クラウドを用いた小規模なプロジェクトをスピーディに立ち上げ、検証を繰り返しながら、自社にとって有益なサービスを選んでいく」
ことだといいます。

ここでポイントとなるキーワードが2つあります。それは「PoC」と「リーン」です。

PoCとは「Proof of Concept」の頭文字を取った言葉で、プロトタイプ以前の段階で概念やアイデアについて部分的にでもデモを行うことなどを指します。一方リーンは「カイゼン」で有名なトヨタの生産方式のように、プロセスの反復によって無駄を省く手法です。

モノ作りの世界では、小さな製品モデルの効果を計測し、その結果を次のサイクルに反映させるという考え方がリーンです。

リーンの考え方

リーンの考え方

クラウド開発の環境にPoCとリーンを当てはめたのが上図です。4つのフェーズをぐるぐる回していき、PoCを回すたびに新たな発見が得られるような状況を作り上げています。

フィードバック体制の構築が
最大のポイント

そして、クラウド活用を成功へ導く最大のポイントとして吉田氏が解説するのは「カイゼンのアプローチをシステムの開発や検討のプロセス全体に広げ、フィードバックグループを確立していくこと」です。

クラウドを取り巻く技術の進化は激しく、1つのプロジェクトから次のプロジェクトに移るというタイミングで、選択するべきベストな技術が変わってしまうということもありえます。

フィードバックグループ確立のプロセス

フィードバックグループ確立のプロセス

上図のように、1つの開発が運用監視のフェーズまで行っても、そこで得られた知見を次の設計にフィードバックする。そのような考え方を繰り返していくことで、クラウドを活用した開発が、より効果的・効率的なものになっていくのです。

「利用者の責任でサービスを使う」ということ

従来モデルとクラウドモデルの違い

従来モデルとクラウドモデルの違い

上図のように、クラウドの開発モデルと従来型のモデルでは開発体制がまったく異なります。

従来のウォーターフォールの開発では、作り込みに次ぐ作り込みで外部委託が重なり、作業やそれについての責任が次々と委譲されていきます。その結果、責任の所在があいまいになるだけでなくさまざまなリスクが高まり、時間や費用もかさんでいきます。

一方クラウドのモデルは、ユーザーとクラウドのサービス提供社との間で、サービスの内容に関して合意をし、それに基づいて開発を進めます。つまり、サービスの利用者は自分の直接的な責任でサービスを選び、使うことが基本になるので、外部への依存は低減し、その結果、時間と費用を抑えることができるというわけです。

とはいえ、一ユーザーであるサービス契約者単独の力では、サービスの選び方や組み合わせ方の判断・試行にも限界があります。こうしたときに頼れるのは、1つは協力会社。もう1つはクラウドを提供している企業でしょう。

このように、モデルと形態の整合性を取りながら開発を進めていくことが大切というわけです。

開発スタイルと開発体制の整合性を整えて
クラウドを
活用しよう

クラウドの利用においては、その特徴に合わせた開発体制、フィードバック体制を取ることで効果を高められます。ウォーターフォールの体制のままクラウドをどのように使っていくか、を検討するのではなく、クラウドを使うのにどのような手法がよいのか考えを切り替えて、開発に臨んでみてはいかがでしょうか。考え方の転換が、クラウドの利用を価値あるものに高めていけるはずです。

より詳しく吉田氏の考えていることに目を通してみたい、という方は以下のリンクからホワイトペーパーをダウンロードしてみてはいかがでしょうか。次のシステム開発フェーズから、すぐに役立つことが記されています。


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