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【Azure基礎用語解説】
「Geoレプリケーション」

2016.02.25

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Geoレプリケーションとは、地理的に離れた場所に同じデータを複製・格納し、大規模災害・障害が発生した場合に複製したデータを利用してシステムの可用性を担保する仕組みのことです。ジオレプリケーションや地理レプリケーションと表記されることもありますが、意味は同じです。

そもそもレプリケーションとは、データを冗長化することにより、災害・障害の発生に備えようというものです。元データと複製データは完全に同一であり、ユーザーがどちらにも継続してアクセスできる"透過性"が求められます。したがって、災害・障害が発生して複製データ側へのフェールオーバーが発生しても、ユーザーが違いを意識することはありません。バックアップと似ていますが、バックアップはある時点の元データを複製して長期にわたって保持しておき、万一の場合に障害発生ポイントに戻ってデータを復元するのに対し、レプリケーションは元データに合わせて常に更新が行われるという違いがあります。

このレプリケーションを地理的に離れた場所で行う仕組みが、Geoレプリケーションです。Azureでは、Azure SQL Database、Azure Storage、Cosmos DB、Azure Container Registry などのサービスにおいてGeoレプリケーションが利用可能です。

SQL Databaseでは、「アクティブGeoレプリケーション」が提供されています。(以前は「標準Geoレプリケーション」も提供されていましたが、2017年4月にリタイアしました。)
事前にペアとして指定されたリージョン(例えば東日本リージョンでSQL Databaseのプライマリデータベースを運用している場合は、西日本リージョンがペア)にセカンダリデータベースを作成し、データベースの地理的冗長性を実現します。レプリケートは非同期で行われるため、特定時点のセカンダリデータベースはプライマリデータベースよりも古い可能性がありますが、プライマリデータベースを変更した際のトランザクション上の整合性は常に保証されます。

ちなみに現在、アクティブGeoレプリケーションは、SQL DatabaseのBasic/Standard/Premium いずれのレベルでも利用可能です。2017年4月まで提供されていた標準Geoレプリケーションと同様、データベースの障害が発生した場合のフェールオーバー推定復旧時間が30秒未満、目標復旧時点が5秒未満で、セカンダリデータベースは最大4つのオンライン (読み取り可能) で作成されます。このため、セカンダリデータベースをレポート生成のようなデータベースを読み取るだけのワークロードに利用し、データベースへのアクセスを負荷分散する用途にも利用可能となっています。

Azure Storageでは、Geoレプリケーションではなく「Geo冗長ストレージ(GRS)」と呼んでいます。呼び方は異なっていても、プライマリリージョンにあるデータをセカンダリリージョンへデータを複製し、災害・障害に備えるという役割に変わりはありません。プライマリリージョンとセカンダリリージョンのペアも決まっており、日本国内では東日本/西日本リージョンがペアになっています。

GRSを有効にしたストレージアカウントでは、データを更新するとプライマリリージョンにコミットされ、そこで3回レプリケートされます。続いてセカンダリリージョンに対して非同期でデータをレプリケートします。ここでもレプリケートは3回行われます。

Azure Storageでも、SQL DatabaseのアクティブGeoレプリケーションのような「読み取りアクセスGeo冗長ストレージ(RA-GRS)」が用意されています。これはセカンダリリージョンのデータでも読み取り専用アクセスを可能にするもので、プライマリリージョンでデータが使用不可能になった場合、アプリケーションはセカンダリリージョンからデータを読み取ることができるので、ストレージの可用性は大幅に向上します。

データ更新頻度が低く、災害・障害復旧について高度なSLAが不要なアプリケーションなど、すべてのシステムでGeoレプリケーションを必要とするわけではありません。しかし、Azure上でミッションクリティカルな基幹業務システムを運用する場合、可用性をより高めるためにもGeoレプリケーションは欠かせない機能と言えるでしょう。

PoP

Geoレプリケーションの利用イメージ

photo:Thinkstock / Getty Images

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