CASE STUDYAzure導入事例

オンプレミスに比べ、
開発コスト4分の1を実現
製薬会社のインフラを支えるAzure

株式会社ヒューマンインタラクティブテクノロジー

2017.12.22

独立系IT企業として、Microsoft技術を中心としたインフラ系ソリューションやIT戦略立案、システム開発を手がける株式会社ヒューマンインタラクティブテクノロジー。

今回、設立間もない新しい製薬会社、LTLファーマ株式会社の事業立ち上げに際し、ネットワーク/インフラ整備を支援することになった同社が、最短の工数とコストでプロジェクトを進めるために選択したのがAzureでした。

SECTION 01きっかけ

新しい製薬会社のシステムインフラ開発を
短期・低コストで
進めるためAzureを選択

「システムを『提供する人』『使う人』『作る人』、すべての人に、想いと技術で応えたい」という思いを社名に込めた、株式会社ヒューマンインタラクティブテクノロジー。特徴は、エンドユーザーにも、一緒にシステムを開発するパートナーや社員に対しても、「どうすればベストなプロジェクトができるか」を考え、提案していく技術力です。

そんな同社が、2016年に設立された新しい製薬会社であるLTLファーマ株式会社(以下、LTLファーマ)のシステム構築案件に参画したのは、2017年4月はじめのことでした。LTLファーマは、長期収載品と呼ばれる特許の切れた先発医薬品の製造販売に特化した新しい製薬会社で、ちょうどこの3月末に、ほかの大手製薬会社から長期収載品を譲り受ける契約を締結した直後でした。

同年10月から本格的に事業を展開するため、契約締結と同時に、オフィスの準備と業務システムをはじめとするインフラ整備がスタート。プロジェクトのコアメンバーとして参加したクラウドソリューションディビジョン ディビジョンマネージャの木暮裕康様は、「製品継承するに当たり、ビジネスを稼動させるために必要となるシステム環境を整備しなければなりませんでした。プロジェクトスタート時は、まだPCやメールシステムすらなかった状態でしたから、そうした最低限のコミュニケーション環境を整備しつつ、並行してシステム開発を進める必要があったのです。そこで、短期での導入を可能にするために、今回のプロジェクトの要件を洗い出していきました」と説明します。

そこであがった要件とは、事業開始の初期投資額をできるだけ抑えられること、運用負荷が少なく、かつ安定性と柔軟性のある環境であること、保有資産を抑えること、データのリカバリ/リストアが確実に実施できること、などです。これらの要件を照らし合わせた結果、採用したのがAzure Virtual Machinesを中心とするAzure IaaSサービスでした。

クラウドソリューションディビジョン 
ディビジョンマネージャ 木暮裕康様

SECTION 02施策内容

AzureとWindows 10のミニマムな構成で
フルクラウドVPNを
実現。
安全性と拡張性を担保

Azureのメリットは、回線やネットワーク、データセンターなど各種の契約をワンストップで結べることです。これにより迅速な開発スタートが可能になるほか、物理サーバを搬入・セッティングする必要なく、システムやインフラをすぐに利用できるので、効率的に開発を進めることができます。

また、製品承継に伴って膨大なデータも継承するのですが、データの格納やバックアップに際し、「物理サーバの導入と異なり、データを格納するストレージの容量を気にせず、別にロケーションを組むことで安心・安全に保管できる点もよかったです」と木暮様は説明します。もともと実績のある製剤を継承したためシステム規模もサーバ数十台分と大規模なものでしたが、こうしたサーバの増設や拡張も柔軟に進められたそうです。

そして、クライアントPCに最新のWindows 10を採用し、Azureと組み合わせて標準技術を活用することで、保有資産を抑えて安心・安全なリモートアクセスを実現しました。サービス&ソリューショングループ 宮崎友幸様は「Windows 10標準のVPNクライアントを通じ、社外からAzure Virtual Network へのVPN接続が実現したことで、リモートアクセスのために専用の設備を組むことなく、セキュアなアクセスを可能にしました」と振り返ります。

こうしてネットワークやシステムインフラの整備を進めつつ、社内のコミュニケーション実現に向け、メールシステムであるMicrosoft Exchange Onlineの立ち上げは、プロジェクト本格稼働からわずか2週間後の5月までに完了させました。8月までには、セキュリティ認証などを強化し、SharePoint Onlineなど情報共有環境の整備を終え、10月の事業展開に向け、各業務システムの開発のサポートに尽力したとのことです。

クラウドソリューションディビジョン
サービス&ソリューショングループ 宮崎友幸様

SECTION 03結果

Azureでインフラの品質が確保され、
開発コストや工数を
大幅に削減

Azureを採用したことで、開発工数とコストは大きく削減できました。
木暮様は、「Azureで各システムベンダの開発・テスト環境を整備し、アクセスコントロールしたことで、異なるロケーションで並行して効率的に開発を進めることができました。通常の物理環境を使った開発では、サーバの拡張や増設に際し、準備のためにどうしても開発の手をストップさせなくてはなりませんが、Azureはそうした工数が一切かかりません。また、環境整備に関する設計や準備が不要になるので、体感としては、手を動かす開発工数については半分以上削減できていると思います」と語ります。

また、システム規模が大きくなると、インフラの構成も複雑になるため、システム階層ごとに担当者が必要になりますが、今回はAzureというフルクラウドのインフラを活用したため、インフラの品質は担保されています。この結果、開発人数を抑えることができた点もメリットでした。

宮崎様は、「今回はAzureとWindowsというMicrosoft標準技術を採用した結果、サポートもワンストップで依頼することができた点も、大きなポイントでした」と説明します。標準技術で統一したことで、サポートのグレーゾーンが解消され、かつIT資産を保有しなくても済むというメリットも生まれました。

さらに、ストレージを気にせずデータのバックアップが担保されたことで、今後のBCPプランの品質も上がり、安心・安全なビジネス推進を支えることもできたといいます。こうしたことすべてを踏まえると、実感として「同じ規模で一般的な物理環境でシステム導入を進める案件に比べると、コスト感は4分の1くらいではないでしょうか」と、木暮様は説明します。

SECTION 04今後の計画

PaaSの活用や今後のAzureの進化により、
より低コストで品質の高いシステム環境を実現

2017年10月に本格的に業務を開始し、システムが本格稼働してからまだ日が浅い段階ですが、現在のところ「まったく問題なく稼働している」と、LTLファーマの方も満足しているそうです。実際、LTLファーマのオフィスに常駐のヘルプデスク担当者を1名派遣しているそうですが、通常の使い方サポート以外でのトラブル対応は、稼働してから1件もないとのこと。こうして、「運用負荷の軽減」という当初の要件にも対応できました。

いまはAzure IaaSサービスが中心ですが、将来的にはPaaSを活用することで、さらなるコスト面でのメリットを期待されています。またAzureは、常によりよい環境に向けて随時更新しているので、インフラ部分についても、VMインスタンスを削減しつつ、現在と同等の環境を維持できる可能性もありそうです。

今回の取り組みを通じて、木暮様は、「AzureはIT関係の予算も人員も限られている中堅・中小企業の強い味方になるのでは」と感じています。今後、限られた予算や期間の中で最大限にITを活用したいと考えているすべての企業に対し、Azureは期待に応えていくでしょう。

PROFILE 株式会社ヒューマンインタラクティブテクノロジー

「あらゆる人の想いに 双方向的関わりを通じて より高度な技術を提供する」ことを社名の由来とする、開発ベンダー。

戦略立案から保守サポートまでワンストップでサービスを提供するだけでなく、個別のワンフェーズでも対応するなど、顧客のニーズに着実に応える。2008年、マイクロソフト認定ゴールドパートナーに登録。

Azureとは

Azure導入でITコストの削減・
リモート環境を実現した企業事例をご紹介!
Azure導入事例集

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Azure導入でIT課題を解決した企業さまの事例をご紹介します。

  • Azureによるリモートワークの実現 ―JBグループ JBCC様
  • システムインフラの開発コストを4分の1まで削減 ―ヒューマンインタラクティブテクノロジー様
  • 快適で安全な仮想デスクトップ環境を構築 ―パーソルプロセス&テクノロジー様
  • AzureのオートスケールでWebサイトを効率的に運用 ―サークル・ドット・エムエス様
  • Officeサポート終了を含むレガシー人事給与システムをAzureに移行 ―クレオ様

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