CASE STUDYAzure導入事例

リモート研修でも細かいサポートが可能
授業・研修支援ツール
「Mieroom」がAzureで進化

株式会社オーシャンブリッジ

2022.02.02

文部科学省が進めるGIGAスクール構想やプログラミング教育の必修化など、教育現場におけるIT環境の整備の必要性が急速に高まってきています。さらに昨今の新型コロナウイルス感染症の影響によって、教育現場はもちろん企業活動においてさまざまな制限が発生し、特に「人が集まる」ことに対して非常に神経質にならざるを得ない状況です。

株式会社オーシャンブリッジ(以下、オーシャンブリッジ社)はこのような状況に対して、「使える」ITツールを提供することで、教育機関や企業の課題解決に貢献しています。どんなツールでどのように課題を解決するのか、同社の担当者様に具体的なベネフィットや活用方法、展開方法などについてお話をお聞きしました。

SECTION 01きっかけ

遠隔リモートや画面共有などコロナ禍での課題解決を支援

オーシャンブリッジ社は、日本では知られていないユニークで便利なソフトウェアやITサービスを世界各地から発掘。国内向けにローカライズした上で、パートナー企業などを通じて提供するのが同社のビジネスモデルです。現在英国や米国、スロベニアなどの各国製品を中心に、アクセス監査やログイン管理、画像・文書ビューア、リモートコントロールツールなど様々なつかえるツールを提供しています。

「昨今、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でテレワークが増え、さらに企業訪問も難しいために、オンラインで積極的に営業活動に取り組む企業が増えています。それに伴い当社では『ISL Online』というリモートコントロールツールや、Web画面共有ツール『Surfly(サーフリー)』などの製品に対するニーズが高くなってきています」と現状を説明するのはオーシャンブリッジ社パートナー営業部の藤堂慶氏です。

また、GIGAスクール構想の推進やプログラミング教育の必修化によって、学校教育の場におけるITを活用した授業や取り組みが盛んになってきます。一方特にIT系企業では、人同士の接触が制限されることで、オンライン環境での研修や製品デモ、サポート体制をより充実していく必要性が増しています。

このような課題に対応するために同社では、先程のリモートコントロールツールISL Onlineをカスタマイズし、モニタリングやリモートコントロール、画面共有など多彩な機能を備えた授業・研修支援ツール「Mieroom(ミールーム)」を提供開始しました。
今回こちらの新サービスのクラウド基盤として、Azureを採用して頂いております。

SECTION 02施策内容

画面共有や遠隔操作、ロック機能によりインタラクティブなオンライン授業を可能にする「Mieroom」をAzure上で提供

Mieroomは、「クラスルーム」と呼ばれる部屋をオンライン上に作成。そこに先生や生徒が入室することで画面共有などを可能にするツールです。

「Web会議システムなどでも参加者全員の顔を確認できますが、参加者のデスクトップ画面をまとめて確認することはできません。Mieroomでは、入室した生徒の画面を先生が一覧表示で確認できます。加えて、生徒の画面を遠隔操作したり、ロックしたりするなど積極的に働きかけることもできます」(藤堂氏)

授業支援ツールの多くは、各PCにプログラムをインストールする必要があります。しかしMieroomはインストール不要で、実行ファイルベースで利用できます。例えば学校の場合、生徒が持参したPCでも実行ファイルをダウンロードするだけで即利用可能。研修用のPCを増設する場合も素早く対応できます。

「多くの授業支援ツールは、そのツールアプリ内で行っていることを先生と生徒で共有するという形式が多い。しかしそのやり方だと、そのアプリでやれることしか共有できません。Mieroomの場合、OSレベルでPCのデスクトップ画面を共有できるので、特定のアプリケーションに依存せず原則PC上で稼働しているどのような画面や作業ウインドウでも共有できます」(藤堂氏)

従来主にオンプレミス形態で提供してきましたが、SB C&SのMicrosoft Azure(以下、Azure)と組み合わせて「Mieroom for Azure」としてプライベートクラウド※ライセンス形態で提供を開始。これにより利用ユーザー様は、自社でネットワークの調整やリソースの準備をしなくても、社外向け用途にMieroomを活用できるようになります。また、今回クラウド基盤としてAzureを用いているのには理由があります。

※注:ここで表現する「プライベートクラウド」とは、”お客さま専用のAzure環境を払い出し、その上でSaaSとして提供されるMieroomを提供する” という意味です。ここで利用するAzure は、一般的な呼称では「パブリッククラウド」と表現される形態のものです。

「Mieroomでは、単にテキストや音声などの画面を共有するだけではなく、リアルタイムで画面や参加者の映像を共有する必要があります。従って、そういった動的なコンテンツを遅滞なく読み書きできるスペックが必要になります。第三者機関によるベンチマークテストでは、Azureは他の主なクラウドを比較して読み書きの速度が明らかに高速で、画面が固まったり動きがぎこちなくなったりするようなケース少なくなり、使い勝手が向上すると判断しました。また、他の海外発クラウドの場合、海外の法律に基づいたコンプライアンスが設定されている場合があります。しかしAzureの場合は、日本の法律に準拠しておりコンプライアンス的なリスクが低い。これは特に文教分野にMieroomを提供していく際の大きなアドバンテージになると考えています」(藤堂氏)

SECTION 03結果

細かな生徒・受講者サポートができるMieroom。Azure活用によりさらに利便性向上

Mieroomの導入が想定されるのは、公立の学校や専門学校を含む各種教育機関、IT関連企業やパソコン教室など常時研修やセミナーの実施が必要な企業が中心になります。

Mieroom活用のメリットについて、オーシャンブリッジ社技術部山田裕之氏は、「Mieroomは大きく教育分野と企業研修の2つの分野で活用いただけます。教育分野では、昨今ICTの活用が学校などで早急に進められている中、Mieroomをお使いいただくことで、パソコンを使った授業をオンラインで簡単かつ効果的に実施できるようになります。

教室内の授業の場合も、生徒の画面を一々覗きに行かなくてもMieroomによって状態が分かり、課題の進捗具合や授業の理解度などを教師が容易に把握できるところに大きなメリットがあります。また、リモートコントロール機能を用いて生徒一人ひとりに対してこまめにサポートできることも教師と生徒双方にとって心強い味方になります。

企業の利用シーンとしては、自社IT製品のトレーニングや新卒入社の方に対する研修、社外向けのウェビナー開催などが想定されます。特にIT製品のハンズオンセミナーでは、受講者の画面の確認と遠隔操作ができるので、講師から積極的にフォローすることができるようになり、満足度が向上することが予測されます」と説明します。

また、新たにAzure上で提供できるようになったことで、自社でインフラ等の準備をしなくても社外向け用途にMieroomを活用できるようになり、特に社外向けに製品トレーニングや製品サポート、ウェビナーなどで使用される企業様の利便性が向上。しかもAzureの管理はSB C&Sが担うため、面倒なクラウドの運用知識や運用作業が必要ありません。

加えて、ユーザーが遠隔地でも手軽に自社製品のデモやサポートができるという点が、感染症拡大などによって人同士の接触が制限される状況下において有効な機能となります。現在、公立学校を含めた各種教育機関やIT関連を中心とした企業において導入準備としてPoC(概念実証)を行っております。

SECTION 04今後の計画

クラウドの良さを生かしてさらに多分野へMieroomを展開。金融向け新サービスも計画中

授業・研修支援ツールとして多彩で使い勝手の良い機能に、クラウドの利便性と柔軟性を加えたMieroom。オーシャンブリッジ社では今後どのような展開を考えているのでしょうか。

「Mieroomは元々学校教育における授業環境をより良くしたい、という発想から生まれてきたものです。しかし、クラウドを活用したMieroom for Azureを提供できるようになり、今まで以上に多くの領域でご活用いただけるようになりました。今後はさらに使いやさを追求してUI(ユーザーインターフェース)を改善し、一般企業様が実施する研修などにも広くご活用いただけるよう展開していきたいと考えています。

例えば会計ソフトなどのアプリケーションは、製品内容をより深く知ることでお客様側の利用メリットも増大します。そのような製品を提供する企業様は、販売後にも定期的にセミナーを実施したり、製品サポートにも力を入れられたりしている場合が多いでしょう。また、専門学校様でもITベンダー様などの社会人向けのカリキュラムを多く提供している専門学校様もあります。今後はそのような領域でもMieroomがさらにお役に立てるようになればと思っています」(藤堂氏)

同社はMieroom以外にも、さらにISL OnlineやSurflyなどのリモートツールなどを活用した、金融業向けの顧客サービス・営業効率化ソリューションの提供を計画しているそうです。

PROFILE 株式会社オーシャンブリッジ

同社は「つかえるITを、世界から。」をミッションとして、日本でまだ紹介されていない海外製ソフトウェアの発掘と、日本における事業開発・マーケティング・販売・技術サポートを行っています。先進的・効率的なマーケティング手法を取り入れ、パートナーシップを組んでいる50社超の国内大手ITベンダーを通じ、大手企業を中心とする15,600社の顧客に対して幅広く事業を展開しています。(https://www.oceanbridge.jp/

Azureとは

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  • Azureによるリモートワークの実現 ―JBグループ JBCC様
  • システムインフラの開発コストを4分の1まで削減 ―ヒューマンインタラクティブテクノロジー様
  • 快適で安全な仮想デスクトップ環境を構築 ―パーソルプロセス&テクノロジー様
  • AzureのオートスケールでWebサイトを効率的に運用 ―サークル・ドット・エムエス様
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