FortiClient EMSとは?FortiClientを一元管理する仕組みと導入メリットを解説
FortiClientは、VPN接続やZTNAなどを支える端末側のエージェントとして活用されます。一方、企業で複数の端末を利用する場合には、「それぞれのFortiClientをどう管理するか」という課題が生まれます。
そこで重要になるのが、FortiClient EMSです。
FortiClient EMSは、FortiClientを導入した複数の端末を一元管理し、ポリシーの適用や端末状態の確認、脅威への自動対処などを支えるセキュリティ管理基盤です。
本記事では、FortiClient EMSとは何か、何ができるのか、どのような場合に必要になるのかをわかりやすく解説します。
目次
FortiClient EMSとは?
FortiClient EMSは、FortiClientを一元管理するための管理基盤です。
FortiClientが端末側でVPN接続やZTNAの実行を担うのに対し、EMSはそのFortiClientを企業として統制する役割を担います。
それぞれの役割を整理すると、次のようになります。
- FortiGate:ネットワーク境界側でVPNやアクセス制御などを担う
- FortiClient:PCやスマートフォンなどの端末側で動作し、セキュリティ保護やVPN接続、ZTNAの実行などを担う
- FortiClient EMS:複数のFortiClientを一元管理し、ポリシーや端末状態を管理・統制する
FortiClientそのものの機能やFortiClient VPNとの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 【コラム】FortiClientとは?VPNとの違い・できることを詳しく見る
FortiClient EMSでできること
FortiClient EMSを利用すると、端末ごとにFortiClientを個別管理するのではなく、企業としてまとめて管理しやすくなります。
| 主な機能 | できること |
|---|---|
| 端末の可視化 | 管理している端末やFortiClientの状態をまとめて確認 |
| ポリシー管理 | 複数の端末へ共通の設定やポリシーを適用 |
| 端末状態の確認 | 端末が企業のセキュリティ条件を満たしているか確認 |
| 端末・接続状況の把握 | 管理対象となる端末の情報や運用状況を確認 |
| ZTNA運用 | 端末状態などを利用したアクセス制御を支援 |
エンドポイントの可視化
FortiClientをインストールした端末を一覧で把握できます。
バージョンや接続状況を確認できるため、どの端末が利用されているかを組織単位で管理できます。
ポリシーの一括配布
VPN設定やセキュリティポリシーを集中管理し、端末へまとめて適用できます。設定のばらつきを防ぎ、統一された運用を実現します。
コンプライアンスチェック(端末状態確認)
企業が定めた基準(OSの状態やセキュリティ設定など)を満たしているかを確認できます。基準外の端末に対しては、接続制御を行うことも可能です。
ログ管理と追跡
接続履歴やポリシー適用状況を確認できるため、トラブル対応や監査対応にも活用しやすくなります。
ZTNA運用の基盤
FortiClient EMSは、端末状態を含めたアクセス制御を支える基盤でもあります。ZTNAを実装する際にも、端末管理とポリシー統制の中核として機能します。
FortiClient EMSが必要になるのはどんなとき?
FortiClient EMSは、特に複数の端末をまとめて管理したい場合や、企業として統一したセキュリティ運用を行いたい場合に検討します。
例えば、FortiClientを利用する端末が増えて個別設定が負担になってきた場合や、複数端末へ同じポリシーを適用したい場合、テレワーク端末も含めて状態を一元的に把握したい場合などです。
判断のポイントは、「接続できればよいのか」「企業として複数の端末を継続的に管理したいのか」です。
FortiClient EMSのよくある質問
FortiClient EMSはFortiClientを利用する場合に必ず必要ですか?
FortiClientの利用目的や構成によって異なります。複数のFortiClientを一元管理したり、ポリシーや端末状態を企業として管理したりする場合は、FortiClient EMSを含めた構成を検討します。
FortiClient EMSは何台くらいから導入すべきですか?
単純な端末台数だけではなく、管理方法や必要なセキュリティ機能によって判断します。
台数の目安としては、一般的に管理者が手作業で設定を管理するのが難しくなる数十台規模から検討されるケースが多いです。
また、台数が少なくても「テレワーク端末のセキュリティ状態の監査が必要」「ZTNAによる通信ごとの認証やポスチャチェックを行いたい」という場合は、台数に関わらず導入すべきタイミングとなります。
まとめ|FortiClient EMSを導入すると運用はどう変わる
FortiClient EMSを利用することで、FortiClientの運用を「端末ごとの個別管理」から「企業としての一元管理」へ移行しやすくなります。
| EMSを利用しない個別管理 | EMSによる一元管理 |
|---|---|
| 端末ごとに設定やVPNプロファイルを作成・配布する | 複数端末へまとめてポリシーや設定を配信・適用できる |
| 端末の状態を個別に確認 | 管理対象の端末をまとめて確認 |
| 設定にばらつきが生じやすく、脆弱な端末がそのままVPN接続されるリスクがある | 企業として統一したルールを適用し、状態の悪い端末は自動で検知・アクセス制限できる |
| 端末が増えるほど管理負荷が増える | 多数の端末を一元的に管理しやすい |
端末の可視化やポリシー管理、端末状態の確認などをまとめて行えるため、端末数が増えた場合でも、企業として統一したセキュリティ運用を行いやすくなります。
FortiClient EMSを検討する際は、「VPNなどで接続できればよいのか」「複数の端末を企業として継続的に管理したいのか」を整理することがポイントです。
FortiClientデータシートをダウンロード
FortiClient EMSによる端末管理やZTNA、FortiClientの機能・エディション・ライセンスについて詳しく確認したい場合はこちらをご覧ください
サイバーセキュリティのマーケティング担当。
専門的な内容でも、読者にとって親しみやすく、実践につながる形で伝えることを大切にしています。