FortiClientとは?VPNとの違い・できることをわかりやすく解説
「FortiClient=VPN接続用のクライアントソフト」という印象を持つ方は少なくありません。実際、FortiGateと組み合わせたVPN接続手段として広く知られています。
しかし、FortiClientでできることはVPNだけではありません。端末状態の可視化やポリシー適用、ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)など、リモートアクセスと端末セキュリティを支える役割も担います。
本記事では、FortiClientとはどのような製品なのか、FortiClient VPNとの違いや主な機能、FortiGateやFortiClient EMSとの連携についてわかりやすく解説します。
目次
はじめに:FortiClientはVPNの延長なのか?

山口くん
FortiClientって、まずVPNソフトという認識でいいんでしょうか。お客様にもそう伝わっていることが多いですよね
入口としては間違っていません。ただ、今のFortiClientはVPN接続だけのソフトではありません。端末状態の把握やZTNAの実装まで含めて、端末側の役割を担う統合エージェントとして見たほうが実態に近いですね

中川さん
FortiClientとは
FortiClientは、PCやスマートフォンなどの端末に導入して利用するクライアントソフトです。SSL-VPNやIPsec VPNによる接続手段として広く知られていますが、それに加えて、端末状態の可視化やZTNAの実装を支える役割も担います。
そのためFortiClientは、単なるVPNクライアントではなく、安全なリモートアクセスと端末統制を支える統合エージェントとして理解するのが適切です。
FortiClientでできること
FortiClientには、VPNをはじめ、エディションに応じてさまざまな機能があります。
| 主な機能 | できること |
|---|---|
| VPN | 社外や自宅などから安全にリモートアクセス |
| ZTNA | ユーザーや端末の状態に応じてアクセスを制御 |
| 端末状態の可視化 | 利用している端末のセキュリティ状態を確認 |
| ポリシー適用 | 企業のセキュリティルールに沿った設定を端末へ適用 |
| エンドポイント保護 | エディションに応じて端末の脅威対策を実施 |
| 一元管理 | FortiClient EMSを利用して複数の端末をまとめて管理 |
VPNによるリモートアクセス
FortiClientは、VPNによるリモートアクセスに利用できます。在宅勤務や外出先など、社外から社内ネットワークへ安全にアクセスしたい場合に活用できます。
端末状態の可視化とポリシー適用
企業で複数の端末を利用する場合は、「誰が接続しているか」だけでなく、「どの端末が、どのような状態で接続しているか」を把握することも重要です。
FortiClientと管理基盤を組み合わせることで、端末状態を可視化し、企業のルールに応じたポリシーを適用できます。
ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)
FortiClientは、ZTNAを利用したアクセス制御にも活用できます。
ZTNAでは、ユーザーだけでなく端末の状態なども確認し、条件に応じて必要なアプリケーションへのアクセスを制御します。
「ネットワークにつながれば利用できる」という考え方ではなく、誰が、どの端末から、何にアクセスするのかを確認しながらアクセスを制御したい場合に有効です。
FortiClientとFortiClient VPNの違いは?
FortiClientを調べていると、「FortiClient」と「FortiClient VPN」という名称を目にすることがあります。
FortiClient VPNは、VPNによるリモートアクセスを主な用途とするクライアントです。
一方、法人向けのFortiClientでは、利用するエディションに応じて、ZTNAや端末状態の可視化、エンドポイント保護、FortiClient EMSによる一元管理など、VPN以外の機能も利用できます。
そのため、「VPN接続だけが必要なのか」「企業として端末の管理やセキュリティ対策まで行いたいのか」を整理すると、必要な構成を判断しやすくなります。
FortiGate・FortiClient・FortiClient EMSの役割
Fortinet環境でFortiClientを利用する場合は、FortiGate、FortiClient、FortiClient EMSの役割を分けて考えるとわかりやすくなります。
- FortiGate:ネットワーク側でVPNやアクセス制御などを担う
- FortiClient:PCなどの端末側で動作し、VPN接続やZTNAなどを担う
- FortiClient EMS:複数のFortiClientを一元管理し、ポリシーや端末状態の管理などを担う
特に多数の端末を企業として管理する場合は、FortiClient EMSが重要な役割を担います。

FortiClient EMSでできることや、どのような場合に必要になるのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
→ FortiClient EMSとは?一元管理の仕組みと導入メリットを詳しく見る
FortiClientのよくある質問
FortiClientはWindowsやMacでも利用できますか?
はい。FortiClientは、Windows、macOS、LinuxといったデスクトップOSはもちろん、iOSやAndroidなどのモバイルOS、さらにはChromebook(ChromeOS)でも利用可能です。ただし、アンチウイルスや自動隔離など、OSの種類やライセンスの種類によって利用できる機能に一部制限がありますので、導入前に対応表をご確認ください
FortiClient EMSは必ず必要ですか?
有償版の機能を社内で統合管理・運用するためには必須となります。 ZTNAにおける端末タグ付けの自動化、セキュリティポリシーの配布、パッチの集中管理、マルウェア検出時の自動隔離といった機能は、すべてEMS(またはFortiClient Cloud)を通じて制御されます
まとめ|FortiClientはVPNだけではない
FortiClientはVPN接続用のクライアントとして知られていますが、現在はそれだけではありません。
利用するエディションや構成に応じて、端末状態の可視化、ポリシー適用、ZTNA、エンドポイント保護など、端末側のセキュリティを支えるさまざまな役割を担います。
FortiClientを検討する際は、単体の機能だけを見るのではなく、VPN接続だけでよいのか、端末管理やZTNAまで必要なのかを整理することが重要です。

山口くん
整理すると、FortiClientって“VPNソフト”というより、“端末側の制御や管理まで担うエージェント”として見たほうがよさそうですね
その理解が近いですね。VPNを主な目的として利用する場合と、端末管理やZTNAまで行う場合では、必要な製品やライセンスが変わります。FortiGateやEMSとの連携も含めて、何を実現したいかから考えることが大切です。

中川さん
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サイバーセキュリティのマーケティング担当。
専門的な内容でも、読者にとって親しみやすく、実践につながる形で伝えることを大切にしています。