2026.03.03

GitLab Duo Agentic Platformの紹介動画が公開!

佐藤梨花
SB C&S株式会社 ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第2技術部 2課
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こんにちは。
SB C&Sの佐藤です。

以前の記事でもご紹介しているGitLab Duo Agentic Platformですが、この度公式紹介動画が公開されました!動画は英語ですが、日本語字幕も付いています。
また紹介ページでは動画だけでなく関連PDF資料も多数掲載されているため、是非併せてご確認ください。
本記事では約1時間の動画に含まれる内容の紹介と、感想をまとめさせていただきます。

概要

動画は主に以下の内容で構成されています。
  • 開発ワークロードにAIを導入する際に重要な点と、GitLab Duo Agentic Platformの貢献(★)
  • 各種AIエージェントやフロー機能を使用したデモ(★)
  • GitLabがAI×開発において最適な理由(★)
  • アセスメントプログラムの紹介
  • インテリジェントオーケストレーションについて(★)
  • ロードマップ
  • Value Acceleration Servicesの紹介
  • 事例紹介
★の付いた内容について、更に内容を深掘りしていきます。

開発ワークロードにAIを導入する際に重要な点と、 GitLab Duo Agentic Platformの貢献

  • コーディングプロセスのみの短縮では全体の数%に留まる(AIパラドックス)ため、 開発ライフサイクル全体へのAI導入が重要。
  • 本番環境で発生したシグナルの検知が、AIにとって重要なインプットとなる。
  • 単なるコーディング速度向上ではなく、高いレバレッジと効果的なソフトウェアイノベーションを実現。
これまでのAI×開発という文脈では「コーディング支援」がメインでした。しかしここで語られたように、開発ライフサイクルにおけるコーディングが占める時間というのは、そこまで大きくありません。
そのためコーディングのみに焦点を絞りAI導入をすると、思ったような結果が得られずビジネスインパクトも小さいままプロジェクトが終了してしまうという可能性もあります。
GitLabは「開発ライフサイクルワンプラットフォームツール」です。元からライフサイクル全体をカバーし深い知見と多数のデータを持つGitLabだからこそ、真の意味での「開発×AI」を実現できるということに改めて気づかされる内容でした。 1.png

各種AIエージェントやフロー機能を使用したデモ

  • Plannerエージェント   
    要件整理やタスク分解を支援するエージェント。開発初期段階の計画立案を効率化します。CLIでの使用方法も紹介されました。
  • パイプライン自動修正フロー   
    失敗原因と修正タスク、期待される結果等が表示されます。MRの自動作成も可能です。
  • コードレビューフロー   
    カスタム指示でプロジェクトの規約に沿ったコードレビューが可能です。
  • セキュリティ分析エージェント   
    セキュリティの概要や推奨される対処方法、テスト項目等を提示
実際にチームメンバー達のとある1日を再現するようなデモで、デフォルトで用意されているエージェントやフローがどのように動作し、どのような結果を得られるかが分かり、短い時間ながらとても見ごたえがありました。
個人的にはパイプライン自動修正フローセキュリティ分析エージェントが使い勝手が良さそうで気になっています。パイプラインエラーや脆弱性の問題は発生するとなかなか原因特定がされず時間がかかる部分ですが、修正方法自体は機械的な場合が多いので、AIの力を十分に活用できると感じています。
GitLabのエージェントフローについて、是非公式ドキュメントで確認してみてください! 2.png

GitLabがAI×開発において最適な理由

  1. 開発ワークフローに関わるあらゆるデータを保持している:コンテキストの充実
    前述の通りGitLabではコードだけでなく、開発ワークフローに関わる様々なデータを保持しています。そのため生成のためのコンテキストが充実しており、よりプロジェクトに沿った出力が可能になっています。
    またAIがプロジェクトの時間軸を理解するための履歴ビューも開発中であり、これにより過去の履歴を保持することで、人間が行ってきた変更の意図(ニュアンス)を理解した生成が可能になります。可能こちらも期待大です!
  2. インナーループ:複数のツールを跨がず、GitLabの中で完結する
    複数ツールを跨ぐことで認証やレート制限、データセットの分断が発生し、生成結果に影響を及ぼします。そのためこれまでのような自由なツール選択がビジネス成果にまで影響を与えてしまいます。
    GitLabは1つのクラウド上に集約しているため、エージェントが開発者と同じコンテキストにアクセスできることで最大限の効果を発揮でき、さらにガバナンスや生成に関わるデータの可視性も担保するというメリットがあります。
  3. エンタープライズレベルでの保護
    エージェントがアクセスすることができるデータセットを細かく制限することが可能です。またアクセスや操作履歴といった実行メタデータの可視化もGitLab内で行えるため、安全にAIを組織運用することができます。
これらの内容から分かるように、GitLabがAI×開発に適しているという点はかなり合理的だと感じます。
特にコードだけでなくIssueやMR、パイプライン結果などのワークフローデータを一元的に保持している点は大きな強みです。生成AIにとって最も重要なのはコンテキスト(データ)であり、単体ファイルではなくプロジェクト全体の履歴や議論を踏まえた提案ができるのであれば、実用性は大きく高まります。履歴ビューによって変更の意図まで解釈できるようになれば、レビュー支援やリファクタリング提案の質も向上するはずです。
またインナーループ設計は認証やデータ分断によるノイズを減らすという意味で現実的です。コンテキストが統合されていることは精度だけでなく運用面でも有利になります。さらにアクセス制御や実行メタデータの可視化が可能な点は、エンタープライズ利用では不可欠なので、企業利用としては嬉しいポイントです。
細かい部分やエンタープライズ利用までカバーするこういった目線は、ワンプラットフォームのGitLabならではだと感じました。 4.png

インテリジェントオーケストレーション

組織全体でのAI活用をGitLabがいかに実現しているか、という内容になります。以下の3点について言及されました。
  1. Agentic Core
    GitLabno内部でAIエージェントを動かすために、機能毎の展開ではなく、ワークフロー全体にAIを提供しオーケストレートするという視点です。内容はさらに以下の3点に分かれて言及されました。
    ①エクスペリエンス:人間とエージェントの共創
    UIでの動作やデフォルトエージェント、カスタムエージェント、AIカタログ、外部エージェント統合
    ②コントロール:既存コントロールプレーンの拡張
    エージェントフロー、カスタムフロー(Soon)、MCPクライアント、MCPサーバー(Soon)
    ③統一されたデータ:エージェントが関連する全てのデータを安全に利用
    ナレッジグラフ(年内に使用可能可)、インテリジェンスダッシュボード(チームや品質に対しAIがどのように作用しているかをDORAメトリクスの指標に沿って確認可能)

  2. 統合されたDevOpsとセキュリティー
    開発ライフサイクルをいかに安全にまわしていくかという問題に対し、以下のような新機能や既存機能の強化が発表されました。
    ※カッコ内は動画内で言及されたリリース時期になります
    ・AIファーストなCI/CDパイプラインビジュアルビルダー(計画中)
    ・セルフホスト型アーティファクト管理(年内予定)
    ・AI生成にも対応した新しいSBOMセキュリティモジュール(今年)
    ・シークレットマネージャー(導入予定)
    ・カスタム指示でプロジェクトの規約に沿ったコードレビュー

  3. エンタープライズガードレール
    自社の要件や厳しい規制、コンプライアンス要件にどのように対応していくかに関するGitLabの対策(選択の柔軟性)が以下のように発表されました。
    ・要件に応じたGitLab展開先:セルフマネジメント、マルチテナントSaaS(GitLab.com)、GitLab Dedicated、GitLab Dedicated for Goverment
    ・AIモデルについて、自社インフラ上で動作する独自のモデルを選択可能

ただのAI活用に留まらない複合的な観点での機能が多く、いかにスムーズに、そして安全にAIを活用するかがしっかりと考慮された状態で新機能が実装されていると感じました。
新機能では「GitLab公式MCPサーバー」の開発が進んでいるという点に大きく期待しています。これによりさらなるコンテキスト集中といったサードパーティツールとの連携強化はもちろん、MCPサーバーを活用した新たな利用シナリオの創出といった点にも期待ができます。
既存機能の強化に言及がされている点も素晴らしく、特にセキュリティやガードレールといった組織活用において避けては通れないポイントがGitLab内に統合されている状態で強化されれば、より安全に、そしてスピード感を持って、AI活用及び開発ライフサイクルのイノベーションを進められるというのが嬉しいポイントです。

3.png

まとめと感想

今回の動画を通して最も強く感じたのは、AIを単なるコーディング支援ツールとして扱っていない点です。
AIパラドックスでも触れられていた通り、コーディング工程だけを最適化しても、開発全体へのインパクトは限定的です。本動画では、計画・実装・レビュー・テスト・セキュリティ・運用までを含めたワークフロー全体へAIを統合することの重要性が一貫して語られていました。
そのため、開発×AIにおける以下の3点の重要性を改めて感じられる1時間でした。
  • ワークフロー全体への統合
  • ガバナンスと可視性の確保
  • コンテキスト(データ)統合の重要性
特に「コンテキスト(データ)統合の重要性」は個人的にも注目しているポイントです。なぜなら、生成AIの精度はコンテキストの質と量に大きく依存するからです。GitLabはコードだけでなく、Issue、MR、レビュー履歴、パイプライン結果、セキュリティレポート、本番環境からのシグナルなど、開発ライフサイクル全体のデータを保持しています。
この「ワンプラットフォーム」という設計思想があるからこそ、AIエージェントが断片的な情報ではなく、プロジェクト全体の文脈を理解したうえで提案できるという強みは、AI活用におけるGitLabの大きな優位性です。

さらに、GitLabの既存機能や開発思想はAIとの相性が非常に良いと感じました。理由としては以下が挙げられます。
  • 単一アプリケーションアーキテクチャにより、ツール間のデータ分断が発生しない
  • DevSecOpsプラットフォームとしての統合データモデル(Issue〜デプロイまでの一貫性)
  • 監査ログ・権限制御・ロール設計が成熟していること
  • CI/CDが中心にある設計思想(自動化前提)
AIエージェントが最大限の効果を発揮するためには、「どこまでアクセスできるか」「誰の権限で動くのか」「何を根拠に判断するのか」が明確である必要があると日々感じております。GitLabはもともとエンタープライズ利用を前提とした統制機能を備えているため、AIを後付けするのではなく、統制可能な形で組み込める基盤が既に存在している点が、様々な企業にとってGitLabを選択する大きなポイントだと感じました。
また、トレンドのAI機能だけでなく、セキュリティ機能の強化が並行して進んでいる点も非常に好印象でした。

本動画は抽象的な説明や、AIの可能性を語るだけでなく、
  • どの工程に効くのか
  • どのようなデータを使うのか
  • 組織としてどう統制するのか
  • セキュリティとどう両立するのか
まで踏み込んでいる点で、非常に学びの多い内容でした。こちらに書かせていただいた内容以外にも、実際の画面操作やデモを交えながら具体的な利用シナリオが提示されていますので、見応え抜群です!
単なるAI機能紹介ではなく、「AI時代のDevSecOpsプラットフォームとは何か」を学べるため、是非一度動画をご覧いただくことをおすすめします! 5.png

関連リンク

動画リンク:https://learn.gitlab.com/transcend-tokyo/transcend-broadcast-jp

GitLab公式ブログ:https://about.gitlab.com/ja-jp/blog/

DevOps Hub GitLab関連ブログ: /devops-hub/blog/gitlab/

GitLabの特設サイトはこちら

フォームに必要GitLab特設サイトでは、GitLabの製品情報や トライアル(無償試用版)をお申込みいただけます。 ぜひ、特設サイトをご確認ください。事項を記入いただくことで、資料がダウンロードできます。

この記事の著者:佐藤梨花

SB C&S株式会社 ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第2技術部 2課

勤怠管理システムの開発(使用言語:Java)に約8年間従事。
現在はエンジニア時の経験を活かしたDevOpsやDX推進のプリセールスとして業務に精励しています。


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