【知っておきたい】GitLab最新ブログのご紹介 Part12

本記事では、GitLab公式ブログで公開された「GitLabとCodeSonarで組み込みシステムのコンプライアンスを自動化」の記事を簡単にまとめて紹介させていただきます。
本記事はタイトル通りではございますが、組込みシステム開発では、品質や安全規格への準拠が欠かせないかと思います。
日本の主要産業でもある自動車、医療、産業機器などの産業では、ISO 26262、MISRA C、DO-178C、IEC 61508といった厳密な規格への適合が求められているかと思います。
しかし現場では...
- コードレビューや解析が属人的
- 後工程で問題が見つかり手戻りが発生
- 証跡の整備に膨大な工数
- コンプライアンス対応が開発スピードの足かせ
という課題を多くの組織やチームが抱えているかと思います。
今回はそんな課題に対して、GitLab公式ブログを通じて解決策を提案していますのでご紹介します。
参考:「GitLabとCodeSonarで組み込みシステムのコンプライアンスを自動化」
CodeSonarとは?
CodeSonarとは、静的解析ツールで、特に組込みシステムで広く使われています。
CodeSonarが得意とするのは
- C/C++コードの深い静的解析
- メモリ破壊、データ汚染などの重大バグの検出
- MISRAやCERT Cなどの規格適合チェック
- 複雑な制御フロー・データフローを高精度に分析
GitLabと組み合わせることで、この解析をすべてのコミット・MR単位で自動化できます。
GitLabとCodeSonarを統合すると何ができる?
公式ブログでは、GitLab CI/CDパイプライン内にCodeSonarを組み込むことで、以下のような自動フローが実現できると説明されています。
① CI/CDの一部として静的解析を自動実行
GitLab RunnerからCodeSonar Hubに解析ジョブを送信し、ビルド生成物を対象にスキャンします。
② CodeSonarレポートをSARIF形式で出力
GitLabはSARIFをネイティブに読み込めるため、解析結果を「セキュリティ検出結果」 としてMR画面に表示できます。
③ コンプライアンスルールに基づきパイプラインを自動制御
例えば:
- ISO 26262 ASIL-Dでは重大レベルの指摘は必ずブロック
- MISRA違反があればマージ不可
- 既知問題のみを許容する "ウォールリスト" 方式にも対応
これにより、安全規格に準拠したコードのみがメインブランチに入る仕組みが構築できます。
④ 証跡管理が自動化
GitLabは以下を自動で残します。
- 誰がいつコードを変更したか
- どの解析で何が検出され、誰が承認したか
- コンプライアンス違反がどのように修正されたか
これらは監査対応の負担を大きく削減します。
GitLabが提案する導入メリット
-
組込みの安全規格に 開発スピードを犠牲にせず 対応
従来の後工程チェックから、開発サイクルの中で常に検証する世界へ移行できます。 -
コード品質・安全性が向上
人的レビューでは見逃しやすい欠陥も機械的に検知。 -
チーム負荷と手戻りを削減
早期に問題が見つかることで修正コストが大幅に下がります。 -
監査・証跡整備が自動化
安全規格で特に重視される「正確な開発履歴管理」をGitLabが一括で実現。
感想
今回紹介されたGitLab × CodeSonar連携は、「組込み開発のコンプライアンスは負担」が大幅に下がることが期待できる内容だと感じました。
- 規格対応を追加作業ではなく、プロセスに組み込む
- MR画面に解析結果が統合されることで、レビュー効率が向上する
- 証跡が自然に蓄積されるため監査準備の工数が削減される
など、現場が持つ課題への解決策になり得る内容であったかと思います。
また、複雑な組込みシステムほど、「GitLab×CodeSonar」の組み合わせが、「解析の深さ × 自動化の仕組み」として、価値を生み出し、組込み開発チームや組織にとっては強みになると感じました。
関連リンク
GitLab公式ブログ:https://about.gitlab.com/ja-jp/blog/
DevOps Hub GitLab関連ブログ: /devops-hub/blog/gitlab/
この記事の著者:近藤泰介 -Taisuke Kondoh-
SB C&S株式会社
主にデジタルワークスペース実現のためのソリューション展開、案件支援、先進事例の獲得、協働パートナーの立ち上げを経験。
現在は新規事業開発やDevOps・クラウドネイティブに関する提案活動、販売代理店の立ち上げ、
国内外の新規商材発掘(目利き)/調査といったTec Scouting活動に従事。
また、Microsoftを中心としたビジネス領域の調査・プリセールスも行う。
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