2026.02.12

【知っておきたい】GitLab最新ブログのご紹介 Part19

近藤泰介
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GitLabで実現するアジャイル開発の魅力

現代のソフトウェア開発ではビジネス環境の変化に素早く対応できることが求められています。そのニーズに応える開発手法として アジャイル開発 が注目を集めています。
アジャイル(Agile)とは「素早い」「俊敏な」という意味の言葉で、計画・実装・テストを短いサイクルで繰り返し、継続的にソフトウェアを改善していく開発アプローチです。従来のウォーターフォール型開発のように長期間かけて一度に大量の機能をリリースするのではなく、小さな機能単位で頻繁にリリースとフィードバック収集を行うことで、開発期間の短縮と柔軟な方向転換を可能にします。

アジャイル開発とは?そのメリットとは

アジャイル開発では、開発プロジェクトを短いスプリント(反復作業期間)に区切り、各スプリントで計画から実装、テスト、振り返りまでを完了させます。これにより以下のようなメリットが得られます。

開発の迅速化と適応力向上:
短いサイクルで開発とリリースを繰り返すため、市場やユーザーの変化に迅速に対応できます。
要求の変更や機能追加にもスプリント単位で柔軟に対処でき、プロジェクト全体の遅延リスクを減らします。品質向上とリスク低減: 定期的にテストとレビューを行い、問題点を早期に発見・修正できます。一度に大規模な変更を行わないため不具合の影響範囲が限定され、大きな手戻りが発生しにくくなります。

ユーザーフィードバックの活用:
各イテレーション(反復)ごとにリリースを行いユーザーやステークホルダーからのフィードバックを収集することで、最新のニーズに合った機能や改善を次のサイクルに素早く反映できます。これによりプロダクトの市場適合性を高め、価値の高いソフトウェアを提供し続けられます。

チームコラボレーションの強化:
アジャイル開発では開発チームとビジネス側が密に連携し、進捗や課題を継続的に共有します。定期的なミーティング(デイリースクラムやスプリントレビューなど)や振り返りを通じてチーム内のコミュニケーションが活性化し、組織横断的な協力体制が醸成されます。
要するに、アジャイル開発は「変化に強い開発プロセス」です。不確実性の高い現代のビジネス環境において、計画通りに進めるだけではなく状況の変化に合わせて柔軟に方向修正できることが成功のカギとなっています。そのため、ソフトウェア開発の現場のみならず企業のビジネス戦略全般においてもアジャイルの考え方が取り入れられるようになっています。

GitLabでアジャイル開発を実践する

GitLab は開発ライフサイクル全体を一元管理できるDevSecOpsプラットフォームであり、アジャイル開発手法を強力にサポートするよう設計されています。
GitLabを使うことで、計画からコード管理、CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)、デプロイまでを単一のプラットフォーム上で行うことができ、ツール間の切り替えによるロスや情報の断絶を防ぎます。ここからは、GitLab上で具体的にどのようにアジャイル開発を進められるのかをご紹介するためにGitLabで提供されている機能をほんの一部ですが簡単にご紹介します。

アジャイルの概念とGitLab機能のマッピング

アジャイル開発で登場する主な要素(アーティファクト)と、GitLab上の機能の対応関係は以下の通りです。

  • ユーザーストーリー → 「イシュー」
    説明: ユーザーストーリーとはユーザーにとっての価値やニーズを一つの機能要件として記述したものです。GitLabではこれをイシュー(課題管理項目)として表現します。

  • タスク → 「タスク」
    説明: ユーザーストーリーをさらに具体的な作業単位に分解したものがタスクです。GitLabではイシュー内にチェックリストとしてタスクを管理できます。また、サブイシュー機能によって個別のタスクを独立した項目として追跡することもできます。

  • エピック → 「エピック」
    説明: エピックは関連するユーザーストーリー群をまとめた大きな機能やテーマのことです。GitLabのエピック機能を使うと、複数のイシュー(ユーザーストーリー)を階層構造で紐付け、一目で大きな取り組み全体のロードマップを把握できます。

  • 見積もりポイント(ストーリーポイント) → 「イシューのウェイト」
    説明: 各ユーザーストーリーやタスクの相対的な作業量を示すポイントは、GitLab上ではウェイト(重み付け)という属性で管理します。これにより、チームは合計ポイントからスプリントの負荷を見積もり、計画に役立てることができます。

  • プロダクトバックログ → 「イシューボード」
    説明: プロダクトバックログは実装予定のユーザーストーリーの一覧です。GitLabのイシューボード機能にバックログ用のボードを作成し、優先度順にイシューを並べて管理します。プロダクトオーナーはこのボード上でアイテムの優先順位を調整し、ステークホルダーと共有できます。

  • スプリント(イテレーション) → 「イテレーション」
    説明: スプリントは通常1〜4週間程度の開発期間を指し、その期間内で完了させる作業項目を計画します。GitLabではイテレーション機能を使ってスプリント期間を設定し、その間に対応するイシューやマージリクエストをひも付けて管理できます。

  • アジャイルボード(看板ボード) → 「イシューボード」
    説明: カンバン方式で作業の進行状況を「未着手」「進行中」「完了」などのカラムで視覚化するボードは、GitLabのイシューボードで実現できます。ドラッグ&ドロップでイシューを別の列に移動し、現在の進捗状況をチーム全員で把握できます。

  • チームの作業負荷管理 → 「担当者別のイシューボード」
    説明: GitLabではイシューボードを担当者でフィルタリングしたビューを作成可能です。各メンバーに割り当てられたイシューのみが表示されるボードを用意すれば、誰がどの程度タスクを抱えているかがひと目で分かります。これによりマネージャーやスクラムマスターはチーム内のワークロードの偏りを確認し、適切に調整できます。

  • バーンダウンチャート → 「バーンダウンチャート」
    説明: バーンダウンチャートはスプリント内で残っている作業量を折れ線グラフで示す進捗管理ツールです。GitLabにはスプリント期間中に完了した課題数や残作業をリアルタイムにプロットするバーンダウンチャート機能があり、計画に対する進捗状況を視覚的に把握できます。

上記のように、GitLabではアジャイル開発の重要な要素をカバーする機能が揃っており、従来は別々のツールで管理していた情報(例えばバックログ管理ツール、課題管理システム、WikiやCIツールなど)を一つのプラットフォームで一元管理できます。
これにより、データの整合性が保たれ常に最新情報が共有されるため、チームのコラボレーションが円滑になります。


GitLabプラットフォームを活用したアジャイル開発の流れ

GitLab上でアジャイル開発を進める具体的な流れを簡単にご紹介します。
まず、開発チームはプロダクトバックログ上で優先順位付けされたイシュー群から、次のスプリントで取り組む項目を選定します。選ばれたイシューはそのスプリント(イテレーション)に関連付けられ、チームメンバーそれぞれに担当が割り当てられます。各メンバーは自分の担当イシューについてタスクを洗い出し、必要に応じてサブタスクとして管理します。

スプリントが開始したら、チームはイシューボードを使って日々の進捗を管理します。ボード上には各イシューのステータスが列ごとに表示され、例えば「未着手」「進行中」「レビュー待ち」「完了」といった状態の遷移が一目で追えます。
チームはデイリースクラム(朝会)などでボードを確認しあいながら、障害となっている課題や進行状況を共有します。また、バーンダウンチャートを参照すれば、スプリント期間の経過に対して残作業が順調に減っているか(燃え尽きているか)を定量的に把握できます。もしバーンダウンチャートから進捗の遅れやタスクの積み残しが見えてきた場合、早めに対策を講じたりスコープを調整したりする判断材料となります。


GitLabのイシューボード画面。各課題の進捗状況(Todo、Doing、Doneなど)が視覚的に管理でき、ステークホルダーとの情報共有にも役立つ。ボードは担当者別やラベル別など自由にカスタマイズ可能。

スプリント期間中、GitLabの統合CI/CDパイプラインが開発スピードと品質担保を力強く支えます。コードがリポジトリにマージされると自動ビルドやテストが走り、問題があれば早期に検出されます。さらに、GitLabはレビューアプリの機能を提供しており、マージリクエストに紐づいた一時的なテスト環境を自動構築できます。これにより、まだ本番リリース前の新機能であっても、ステークホルダーやQA担当者が実際に動作するソフトウェアとしてレビューできるのです。スプリントの終わりにはこのレビューアプリ上で完成した機能のデモを実施し、関係者からフィードバックをもらいます。こうしたCI/CDとレビュー環境の自動化によって、アジャイル開発で重視される素早いフィードバックサイクルが一層強化されます。


GitLabのバーンダウンチャート例。横軸が時間(スプリント期間)、縦軸が残作業量を示す。このチャートにより、チームは計画に対する進捗度合いを直感的に把握でき、問題発生時に迅速な意思決定が可能となる。

スプリント完了後にはチームでレトロスペクティブ(振り返り)を行います。GitLabにはプロジェクトWikiやイテレーションレポート機能があるため、振り返りの結果を記録してナレッジとして蓄積することができます。「何がうまくいったか」「次に改善すべきことは何か」といった学びを共有し、次のスプリントへ活かすことで、継続的なプロセス改善が図れます。

以上のように、GitLabは計画->実装->テスト->デプロイ->振り返りに至るまで、アジャイル開発のライフサイクル全工程を一貫してサポートします。単一のプラットフォーム上で情報が統合管理されることで、チームメンバーや関連部門との間で常に最新の状況が共有され、透明性の高い開発プロセスが実現します。これにより、アジャイル開発に不可欠なチームの協調と迅速な意思決定を促進し、ソフトウェアの価値提供サイクルを加速することができるのです。


まとめ

アジャイル開発は現代のソフトウェア開発においてほぼ不可欠とも言えるアプローチになりつつあります。そのメリットを最大限に引き出すためには、開発プロセス全体を効率よく管理できるツールが重要です。
GitLabは、ソースコード管理からCI/CD、プロジェクト管理までを統合したプラットフォームとして、アジャイル開発の理想的な基盤を提供します。

私はGitLabを活用したアジャイル開発は単なるツール導入以上の価値を組織にもたらすと感じています。それは、開発チームの生産性向上だけでなく、ビジネス部門との垣根を越えたコラボレーションやDevSecOps文化の定着といった、企業全体のデジタルトランスフォーメーションにつながると思っております。GitLabはそうした変革を支えるプラットフォームとして年々進化を続けており、新機能の追加やユーザビリティの向上によってますますアジャイル実践を後押ししています。

ぜひGitLabを通じてアジャイル開発のメリットを体感してみてください。
無料トライアルも提供されていますので、自社プロジェクトでその使いやすさと効果を検証していただければと思います。素早いリリースと継続的な改善を実現し、競争力あるソフトウェア開発体制を構築する一助として、GitLabが皆様の力になれることを期待しています。

この記事の著者:近藤泰介 -Taisuke Kondoh-

SB C&S株式会社
主にデジタルワークスペース実現のためのソリューション展開、案件支援、先進事例の獲得、協働パートナーの立ち上げを経験。
現在は新規事業開発やDevOps・クラウドネイティブに関する提案活動、販売代理店の立ち上げ、
国内外の新規商材発掘(目利き)/調査といったTec Scouting活動に従事。
また、Microsoftを中心としたビジネス領域の調査・プリセールスも行う。


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