2017.12.28

DevOps国内事例 in Red Hat Forum 2017

中澤陽彦
レッドハット株式会社
ISVビジネス推進室 室長
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Red Hat Forum 2017が10月20日にウェスティンホテル東京で開催され、来場者2,200名を超え盛大に終えることができました。今年のイベントではお客さまからの導入事例セッションが11セッションと例年に比べて多く、また、コンテナ/Red Hat OpenShift Container Platform絡みのセッションが多数でありました。今回はソフトバンク株式会社のDevOps事例について、お伝えさせていただきます。

ソフトバンクは国内で構築したシステムを海外でもそのまま使えるように「グローバルITプラットフォーム戦略」構想を持ち、2018年度までに国外のグループ会社でも使えるITプラットフォームの構築を目指し、コストを半分にし、生産性を2倍にする「Half and Twice」を目指しています。しかしながら、ウォーターフォール手法では開発時間の短縮に限界があると感じ、またIT開発技術の進化のスピ―ド自体も早くなっていることに対して、DevOps手法の活用は開発スピードの向上に効果があると考え、具体的な導入の検討を開始しました。

今回ソフトバンクは、まず初めにRed HatのDevOpsディスカバリーワークショップを受講しました。(DevOpsディスカバリーワークショップは次号で説明予定)

DevOpsの定義やその目的を整理し、DevOpsで実現するアジャイル開発手法、テストの自動化、CI/CDのパイプラインなどといった7つの実践項目について、成熟度判定や実現レベルを確認・議論し現在の課題を明確化しました。その後、DevOpsコンサルティングサービスへ移行し、レッドハットの専任DevOpsコンサルタントが7つの実践項目についてスケジュールとKPIを決めテスト開発プロジェクトが進められました。

その結果として、セッション内では色々な効果について語っていただきましたが、DevOps手法が取り入れられた結果、これまでは2週間に1回のデプロイ回数が、118回と大幅に増加し、また、開発作業量やワークフローが可視化できるようになったことでチーム全員が透過的にプロジェクトの進捗を確認でき、自身のタスク以外の作業を手伝うなど、個人だけでなくチーム全体の効率化を考えられるようになり、コミュニケーションの向上も計れたとのことでした。

Red HatのDevOpsの重要な要素として、「文化/人」「プロセス」「テクノロジー」の3つがありますが、まさしく、テクノロジーを使いプロセスの改善・文化/組織の改善が計られた良い事例だと思います。ソフトバンクはこの結果を受け、DevOpsで開発を進めるチームを1チームから6チームに拡大し、2018年度末までにプラットフォーム統括部門が開発・運用するシステムのうち、半数以上でDevOps手法を活用した開発へ移行する予定とのことです。

私は、この事例を聞きRed Hat Forum2017で弊社CEOのジム・ホワイトハーストの講演の中でありました「遅れれば遅れるほど追いつくのが大変になる」のコメントを思い出しました。まさしく、ビジネス変化・技術の進歩が格段に早くなり、成功法とされてきたことが通用しなくなってきております。いかに早く行動に移し、失敗から学び改善するフィードバックループを創り上げることが、成功への近道であり、まずは一早く行動に移すことが今できる最善の方法であると改めて感じました。

また、この事例にもあるように、会社のビジョンより企業戦略が創られ、自社のサービス・製品を如何にお客さまへ価値を提供できるかが重要になってきます。会社のビジョンは変わりませんが、戦略、サービス/製品、お客さまへ届ける価値は常に改善する必要があります。その際、DevOpsプラクティスが非常に有効だと感じております。


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この記事の著者:中澤陽彦

レッドハット株式会社
ISVビジネス推進室 室長

2009年 レッドハット株式会社に移籍後、ディストリビューター営業部とシステムインテグレータービジネスの立ち上げに従事、その後、ミドルウェアとRed Hat OpenShift ビジネスデベロップメントを担当。現在ISVビジネス推進に従事中。


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