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クラウドAIとは?
エッジAIとの違いやメリット・デメリットを解説!

2023.10.20

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クラウド上でAIが学習を行う「クラウドAI」は、ビジネスにおいてはすでに多くのシーンで有効活用されています。クラウドAIとはどのような特徴があるのか、またエッジAIとの違いやメリットとデメリット、クラウドAIの活用シーンと活用事例をご紹介します。

クラウドAIとは

クラウドAIとは、クラウド上にあるAIをインターネット経由で利用できる仕組みもしくはサービスを指します。

クラウドサービスにおいては、ユーザーがインターネット経由でサービスを利用する形態となります。

また、AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、日本語で「人工知能」と称され、主に人間の知能を人工的に再現し、多様な判断や動作を可能にするためのシステム指します。

AIにはデータを用いて推論を行う仕組みが備わっていますが、クラウドAIにおいては、通信を行ってデータの送受信を行い、クラウド上でAIが学習や推論を行うのが特徴です。

クラウドAIが注目されている背景として大きいのは、コスト面が挙げられます。AIは近年、文字起こしや翻訳、顔認証、お問い合わせ窓口としてのチャットボットなどさまざまなビジネスシーンで活用されています。企業からしてみればAIの利活用を積極的に行いたいですが、高度な専門知識や技術を持った人材や高性能なサーバーなどが必要になるため、コスト負担が大きいところが懸念点となっています。

クラウドAIサービスにおいては、サービス提供者がクラウドサーバーを管理し、整ったAI技術を提供することから、自社でサーバやAIを用意することなか、コスト負担少なく利用できます。

関連記事:そもそもAI(人工知能)とは?画像生成AIなど種類やモデルを解説関連記事:Azureで使えるAI系サービスについて、まとめてみた!

エッジAIとの違い

クラウドAIと似た言葉に「エッジAI」があります。クラウドAIとはどう違うのでしょうか。

エッジ(edge)は直訳すると「端」「末端」であり、末端のデバイスのことをエッジデバイスと呼びます。末端とは外部と内部をつなぐ末端の位置にあるという意味合いがあります。

そのエッジデバイスにAIを搭載したシステムをエッジAIと呼びます。

一般的にエッジデバイスと呼ばれるものは現場に設置するため、AIは端末内のコンピュータに存在します。クラウド上にAIが存在するクラウドAIとは設置場所が異なります。

またエッジAIは端末内部でリアルタイムにデータ分析と判断を行うため、高速処理が可能です。一方、クラウドAIはデータを集めてクラウド上で処理を行うことからデータの往復送信が発生するため、その分、エッジAIよりは速度が劣ります。ただし、これはあくまでもエッジAIと比較したときのことであるため、クラウドAIの処理速度に関して遅いということはありません。実務に耐え得る十分な速度を有します。

さらにエッジAIは処理の際にクラウドAIよりも通信量が少なくて済むので通信コストが抑えられるともいわれています。

一方、エッジAIは処理能力の点で、エッジ側の限られるコンピューティング能力に頼ってしまうので、クラウドAIに劣るといわれています。そのため、エッジAIは処理能力よりも、リアルタイムのデータレスポンスが求められる現場に導入するのに適しています。

クラウドAIのメリット・デメリット

クラウドAIは、利用者にとってどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。主なものをご紹介します。


【メリット】

・大量データの処理に向いている

AIは膨大な量のデータを処理して推論や解析を行うため、一般的なパソコンでは容量の点で処理ができないことがあります。その点、クラウドAIではAIの処理に耐え得る大容量のクラウドサーバーが用意されているため、大規模なデータ処理ができます。
また、必要なときだけ利用し、必要ではなくなったらサーバーを落とすなどの運用が可能であるため、オンプレミスよりも容量を節約できるというメリットもあります。


・サーバーの用意・管理コストが不要

クラウドAIは、サービス提供者の用意したサーバを利用するため、自社でサーバを構築したり、管理したりする必要がありません。特にAIが処理できるサーバは大容量であり、管理負荷も多くなります。
ユーザー側は管理の必要がなく、サービス利用コストのみで利用できるため、この点は大きなメリットといえます。


・既存サンプルデータを活用できることもある

サービスによっては、クラウド上にサンプルデータが用意されていることもあります。そのサンプルデータを自社で用意したデータと併せて活用すれば、よりAIの活用の幅が広がるでしょう。

【デメリット】

・セキュリティリスクを考慮する必要がある

クラウドAIでは、インターネットにつながったクラウドサーバ上でAIがデータ処理を行うため、不正アクセスや情報漏洩のリスクがあります。その点を踏まえ、セキュリティ体制が万全なクラウドサービスを選ぶ意識や、ID・パスワードの徹底管理など、自ら情報漏洩を防ぐ慎重な行動が求められます。


・データ転送・処理には時間とコストがかかる

クラウドAIにおいてAIがデータ処理を行うには、通信が必要になります。AIが処理する大量のデータを送受信するため、その分、通信コストがかかります。またデータの量が多いと送受信や処理に遅延が発生するため、その点踏まえて設計する必要があります。

クラウドAIの活用シーンと事例

クラウドAIは、実際にどのようなシーンで活用されているのでしょうか。活用シーンと事例をご紹介します。

AIを用いた不良品の検知

ある食品メーカーは、一日あたり4~5トンもの原料に対し検査を行っており、大きな負担でした。検査には熟練の技術が求められるため、安易に人を増やせない状況でした。
そこでAIがベルトコンベアー上を高速に流れていく原料をカメラでとらえ、不良品を検知する仕組みを作りました。その際にクラウドAIを利用しました。
人的負担やコストの削減になったほか、AIが判断できなかったものは熟練のスタッフが処理する仕組みにし、生産性を高めています。

AIを用いた商品の需要の予測

あるスーパーマーケットは、AI需要予測による自動発注システムを導入しました。当時はコロナ禍で需要と供給の変動の予想がつきづらく、変動も起こりやすい状況でしたが、クラウドAIを導入することよってカバーできました。結果、欠品や廃棄ロスを未然に予防し、適切な量の発注が実現しました。

ECサイトにおけるレコメンド

あるゲーム販売のECサイトは、サイト上でAIを活用したレコメンデーション機能を提供しています。クラウドAIを活用してユーザー分析を行い、ユーザーにおすすめの製品を表示できるようにしたのです。結果、クリック率やコンバージョン率、売上が向上し、良い効果につながりました。

関連記事:AIのビジネスへの活用方法から事例、メリットまで解説!
関連記事:ChatGPTだけじゃない!Azure OpenAI Serviceでできること

まとめ

クラウドAIは、サーバ構築や管理などのコスト負担が少なく、膨大なデータを取り扱うAIを活用できることから、業務効率化や売上向上などが期待されています。

クラウドAIを利用する際には、サービスを利用することになりますが、数あるサービスの中でも、Microsoft Azureで提供されている「Azure OpenAI Service」がおすすめです。

Azure OpenAI Serviceとは

AIの研究開発を専門に行う米国のNPO OpenAI 社によって開発されたAIモデルを、 Azure上でマネージドサービスとして提供するものです。昨今、話題のブラウザベースのチャットボット「ChatGPT」も利用できます。

関連資料:Azure OpenAI Serviceとは?概要やChatGPTの利用についても解説

Azure OpenAI Serviceを利用するメリット

Azure OpenAI Service を利用するメリットとして、次の3点が挙げられます。
(1)Azure上で提供されているため手軽に利用を開始でき、開発環境を整えやすい
(2)Azureのスケーラビリティや可用性の利点を享受できる
(3)Azure上の他のサービスへ組み込んだり、セキュアに開発を進めたりできる

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関連資料:Azure OpenAI Serviceの概要と活用例
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