2018.11.19

企業のDX推進をサポート!ネットアップ合同会社技術者向けコミュニティ「NDX Lab」

DevOps Hub編集部
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DevOps Hubでは、DevOpsを実践している企業のインタビューをお届けしています。第9回は、ネットアップ合同会社の技術者向けコミュニティ「NDX(NetApp Digital Transformation)Lab」についてお話を伺います。

ネットアップ合同会社は1992年に創業した米NetApp, Inc.の日本法人です。1998年5月の設立以来、ストレージおよび、プライベート/パブリック/ハイブリッド クラウドなど様々な環境下におけるデータ管理ソリューションを提供しています。

(写真:ネットアップ合同会社 システム技術本部 ソリューションアーキテクト部 ソリューションアーキテクト 渡邊誠氏)

あらゆる環境下で一貫したデータ管理を実現するNetAppのソリューション

──貴社の事業について、教えてください。

渡邊:弊社は、1992年にアメリカでストレージベンダーとして設立し、日本法人は今年で20周年となり、ストレージやNASの販売を中心に事業を展開していました。2014年頃より、クラウドからオンプレミスにわたって一貫したデータ管理を提供する「NetApp Data Fabric」というコンセプトの元、Microsoft AzureやAWS、Google Cloud Platformなどのサービスと連携したクラウド上で使えるストレージソフトウエア、オンプレからクラウドへのデータ転送ツールなど、クラウドソリューションを拡充し続けています。直近では、エンタープライズ向けのハイパーコンバージドインフラ(HCI)ソリューションを提供しています。今後、SaaSのデータ管理・モニタリングサービスもリリース予定です。

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ネットアップのクラウドソリューションポートフォリオ: https://cloud.netapp.com/

──渡邊さまはどのような業務を行われているのでしょうか。

渡邊:我々のチームは、ネットアップを活用したソリューションの価値をお客さまに訴求することをミッションとしています。ソリューションをお客さまへ届けるための準備やそもそもソリューション自体を知ってもらうための活動をしています。わかりやすい例でいうと、イベントのサポートやセッションのスピーカーなどを行っています。技術者向けコミュニティ「NDX Lab」の企画・運営も担っています。

ワークショップでDXシナリオを実装・検証できる「NDX Lab

──NDX Lab」は、どういったきっかけで立ち上がったのでしょうか。

渡邊:弊社では2020年に向けて、「マルチハイブリッドクラウド環境下でのお客さまのデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援できる、信頼されるデータマネジメント企業になる」というビジョンを掲げています。DXの時代が来て、色々なアーキテクチャーが変化しているのですが、例えば「コンテナ」などのキーワードでお客さまから弊社にお声がけをいただけていない状況でしたので、まずはお声がかかる状態にしようということで企画しました。

元々ハンズオントレーニングは実施していたのですが、よりお客さまの実務に直結したコンテンツにしたいと考え、最終的に半日のワークショップ形式にすることにしました。「NDX Lab」では、DXを支える技術とNetApp製品を組み合わせて、特定のシナリオに沿った関連技術の組み合わせを検証・実装いただきます。

シナリオには、目的と流れのみを記載しておりまして、参加者の方ご自身で自由に試したり、考えて実装していただく内容となっています。わからない部分があれば、NetAppの担当者にいつでも聞ける体制を取っていますね。ワークショップ終了後には、参加者の皆さまと懇親会を行っています。

──ハンズオンよりも、実務に役に立ちそうですね。参加に条件等はあるのでしょうか。

渡邊: DXのプロジェクトを進められている、もしくは検討フェーズに入ってスケジュールも決まっている段階のお客さまに参加いただいています。ご興味を持っていただいた企業さまには、訪問して内容の詳細を説明した上で参加の検討をいただいていますね。

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ネットアップ合同会社 システム技術本部 ソリューションアーキテクト部 ソリューションアーキテクト 渡邊誠氏

──NDX Lab」では、どのようなコンテンツを実施するのでしょうか。

渡邊:現在は企業がDXを推進するにあたりアプリケーションやサービスのフィードバックを高速化するために検討されるコンテナ技術をテーマに、企業でコンテナを適用する際に必要となるステップをLevel 1~5までのコンテンツとして展開しています。技術的にはDockerやKubernetesをテーマとしています。

Level 1~3では、アプリケーションのコンテナ化、ステートフルコンテナの実現、CI/CDパイプライン構築、

Level 4~5では、本番運用構成の検討、マイクロサービス化を行います。

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「NDX Lab」のコンテンツ

──かなり充実したコンテンツですね。このボリュームを半日で完了できる方はいらっしゃるのでしょうか。

渡邊:ある程度理解されている方でも、Level 3の「CI/CDパイプライン構築」に突入するぐらいで時間切れになってしまいます。実は、1回目を実施した際に、Level 3で大多数の方が止まっちゃったんですね。理由がわからなくて、なぜだろうと思っていたのですけど、1回目の振り返り時に社内のメンバーから「CI /CDってインフラエンジニアの方は書かないよね」と言われて、 2回目以降は、Level 3はパイプラインを構築したい方向け、Level 4は運用をメインとされている方向けと選択式にしています。

──Level 3が山場なのですね。Level 5の「マイクロサービス化」はどういった内容なのでしょうか。

渡邊:現時点では実際にアプリケーションを分解していくというわけではなく、サービスメッシュの実装をテーマとしています。Level 5を実施するためにはある程度の規模のアプリケーションが必要になり、どちらかというとマイクロサービスをどう設計するかという議題になります。そのため、このレベルでは、マイクロサービスを支えるためのサービスメッシュという題材にしています。

──参加されている方はどういったお客さまがいらっしゃるのでしょうか。

渡邊:お客さまの業界はさまざまで、インフラエンジニアの方が多いです。なかには実際の開発者を巻き込んで参加いただいているお客さまもいらっしゃいます。プライベートクラウドを検討している方や、コンテナを活用したい方、アプリケーションの開発を効率化したいといった方に参加いただいています。

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「NDX Lab」の様子

──実際参加された方からは、どのような感想がありましたか。

渡邊:アンケートなどで、「今まで受けたことのあるトレーニングとは違って、実務に合った内容だったので、身になりました。」というコメントを多くいただきました。新しく身に着けたスキルって、実案件が始まった時に覚えられるじゃないですか。ハンズオンですと忘れてしまうことも多いと思いますが、ワークショップではまず実践していただくので、覚えていただきやすいのかなと思います。懇親会では「やらなきゃなって思ってはいたもののなかなか踏み出せなかったんですけど、この機会に色々とできました。背中を押してもらえました。」という感想もいただきました。

──社外で時間を設けて実施することで普段できなかったことにもチャレンジできそうですね。

NDX Lab」に参加を検討されている方に、何かメッセージをいただけますでしょうか。

渡邊:コンテンツを見ていただくとわかるように、結構ハードな内容なので、半日でかなり詰め込めると思います。ドキュメントを見ながらやっていくと結構時間がかかるような実装作業を、この場に来ていただいて、わからないことがあれば聞ける環境で短い期間でがっつり試していただく機会として活用していただければと思います。社内でNetAppソリューションを検討していて、触れる環境がないので触ってみたいですとか、そういった使い方をしていただいても大丈夫です。お気軽にご参加ください。

企業のDX化を推進

──貴社の今後の展望を教えてください。

渡邊:企業のDXを後押しする、コンテナ適応のための永続化ストレージやクラウドソリューションを提供していきます。

コンテナでの運用にデータ管理・保護・可用性は必要不可欠です。本番環境にコンテナを適応した場合、現状のデータの保護レベル、可用性と同等かそれ以上のものが必要で、なおかつコンテナは様々な環境、プライベートクラウドなどへ移動が可能です。同様にデータも一緒に移動して、アプリケーション全体を稼働できるようにしなければいけない、そういった課題を解決するために、ネットアップのソリューションが活用できます。その中の1つとしてKubernetesと連携するストレージオーケストレータ「Trident」を提供しています。

1つの環境でオンデマンドにストレージをプロビジョニングしたり、削除したりすることができます。コンテナでアプリケーションのモビリティが実現でき、データも同じようにどの環境でも活用できるようになります。

Trident: https://netapp-trident.readthedocs.io/

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Tridentの概念図

渡邊:クラウド関連のソリューションでは、「NetApp Cloud Orchestrator」をリリースする予定です。デプロイ対象となる各環境下でKubernetesクラスタを自動的にプロビジョニングして、クラウドソリューションのサービスと連携する予定です。

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NetApp Cloud Orchestrator概要図

後日談

NetApp Cloud Orchestratorとも連携する NetApp Kubernetes Serviceも 2018/9/18 に登場しました。

様々な環境へKubernetesへのデプロイを可能とするものである。今後のロードマップとしてTridentとの連携やクラウドデータサービスとの連携を予定しています。

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NetApp Kubernetes Service: https://cloud.netapp.com/kubernetes-service

──NDX Lab」のコンテンツは今度どのように展開していく予定ですか。

渡邊:現状は、弊社だけでシナリオを作っている状況です。コンテナを検討されている方々はマルチクラウド環境での使い方を想定されているケースが多いので、今後は、パートナーさまと連携し、クラウドへのデプロイシナリオを拡充していきたいですね。また、Rancherなど、Kubernetes単体だけではなく連携するソリューションをたくさん取り入れていきたいです。

現状は企業がDXを推進するためのコンテナ適応というテーマですが、コンテナのシナリオだけではなく他のDXのシナリオを追加していく予定です。NDX自体は1つのDXの推進フレームワークとして運営していきたいと思います。

DXの推進を担っている方は、最新テクノロジーを体感できる「NDX Lab」を試してみてはいかがでしょうか。

この記事の著者:DevOps Hub編集部

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