【知っておきたい】GitLab最新ブログのご紹介 Part1

自律型AIをクラウドへ迅速かつ安全にデプロイしたいというニーズが高まっています。
今回紹介するのは、Google の Agent Development Kit（ADK）と GitLab CI/CD を組み合わせて、AIエージェントを Google Cloud Run にシームレスに展開する方法を解説した内容です。
この記事では、公式ブログのポイントをわかりやすく整理し、AIアプリをクラウドに効率的に展開するための全体像を紹介します。

Agent Development Kit（ADK）とは

ADK は Google が提供する AI エージェント開発キットです。

主な特徴は次のとおりです。

• AIエージェントの動作をモジュール化して管理しやすくする
• Vertex AI など Google Cloud の各種サービスと連携しやすい
• テスト、デプロイまでの流れを統一して扱える

複雑な AI エージェントでも、標準化されたフレームワークで開発を進められる点が魅力です。

GitLab CI/CD と ADK を組み合わせるメリット

1. 開発からデプロイまでが自動化される

GitLab にコードを push すると、自動的にテスト、ビルド、デプロイが実行され、開発サイクルが非常にスムーズになります。

2. セキュリティを確保したクラウド環境と統合できる

Google Cloud の IAM、サービスアカウント、Secret Manager などと連携し、認証情報をリポジトリに残さない運用が可能です。

3. Cloud Run によるスケーラブルな運用

Cloud Run は自動スケール、高可用性、リクエスト単位課金により、AIエージェントを効率よく運用できます。

4. デモアプリ Canada City Advisor の紹介

ブログでは、Google 提供のデモアプリ「Canada City Advisor」を例に、AIエージェントの構成とデプロイ方法を紹介しています。

このアプリは、都市の情報を収集、分析し、ユーザーの質問に応じて回答する AI エージェントを実装したものです。
ADK を使ったエージェント構築の実例として非常にわかりやすい内容になっています。

デプロイ手順の流れ

1. ADK プロジェクトを GitLab に用意

ADK テンプレートを使用してエージェントを作成し、GitLab に push します。

2. Google Cloud の設定

Cloud Run、Artifact Registry、Secret Manager など必要なサービスを有効化します。
サービスアカウントや IAM 設定を行い、認証情報を安全に扱えるよう準備します。

3. GitLab CI/CD の設定

CI/CD の設定ファイルを作成し、以下を自動化します。

• コンテナイメージのビルド
• Cloud Run へのデプロイ
• 認証情報の安全な参照

4. Cloud Run 上で AI エージェントが稼働

デプロイ完了後、Cloud Run の URL にアクセスすれば AI エージェントが動作し、API やアプリから利用できるようになります。

おすすめの読者

• AI アプリをクラウドに効率よくデプロイしたいエンジニア
• DevOps と AI 開発を組み合わせたい方
• セキュリティ要件の高い環境で AI を運用する開発チーム
• GitLab と Google Cloud を連携した AI 開発事例を知りたい方
• AI アプリの更新が頻繁に発生するチームにとって、GitLabとADKとCloud Runの組み合わせは非常に強力な選択肢です。

感想

今回の内容を読んで特に印象的だったのは、AI アプリ開発がついに一般的なアプリケーション開発と同じ生産性を持つ段階に入ったという点です。

ADK と GitLab CI/CD の組み合わせにより、開発からデプロイまでが一貫したプロセスに統合され、
セキュリティとスケーラビリティを確保しながら AI エージェントを運用できる仕組みが整っています。

企業で AI を本番運用する際には、どうしてもセキュリティや運用負荷が課題になりますが、Google Cloud のサービスと統合されたこの構成は、導入のハードルを大きく下げてくれます。

プリセールスの立場としても、顧客に提案しやすく、メリットが伝わりやすいアーキテクチャだと感じました。
AIエージェントの社会実装が加速する中で、こうした標準化された開発環境は今後さらに重要性が高まっていくと思います。

参考：GitLabで自律型AIをGoogle Cloudに安全・高速デプロイ