JSP・サーブレットといえば Red Hat JBoss Web Server (Apache Tomcat)#1
はじめに
みなさんこんにちは、SB C&Sの佐藤です。今回はRed Hat社のRed Hat JBoss Web Serverについてご紹介します。
JSP・サーブレットといえば Apache Tomcat
Java言語でのWeb開発といえばJSP・サーブレット、JSP・JSPサーブレットといえば Apache Tomcatと言えるほどに有名なApache Tomcatですが、軽量性で高性能、オープンソースであり数多くのモジュールが出回っており拡張性にすぐれる、ということで、ある程度までの規模のWebシステムであれば、様々な場所で使われているのが Apache Tomcatです。
鉄板の組み合わせをサポートする Red Hat JBoss Web Server
Red Hat JBoss Web Serverは、Apache Tomcat を Upstream としてビルドされており、Apache Tomcat とセットで使われることが多い Apache HTTP Serverをセットでサポートします。
機能面ではコミュニティ版のApache Tomcatと同等ですが、コンポーネントとしてVault、Hibernate、CXFを追加でサポートします。特に Vault は、Tomcat 設定として記述せざるを得なかった接続先DBのパスワードなどの機密情報を安全に暗号化して保存しておくことが可能で、エンタープライズ用途でセキュリティ面が向上します。
また、Red Hat 社はセキュリティパッチを独自に適用している点が異なります。エンタープライズ用途ではセキュリティアップデート時に機能面でのアップデートを含みたくないというユースケースがよくあり、Red Hat ビルドでは互換性を維持したままセキュリティアップデートのみが行えるようになっています。
一方、Red Hat社がサポートを行うのは、コミュニティビルドではなく、Red Hat 社がビルドしているバイナリのみである、という点に注意が必要です。
Red Hat JBoss Web Server は長期サポートが行われるのも特徴で、Extended Lifecycle Support(ELS)サブスクリプションとあわせると、最新の6.x系(Tomcat 10.1相当)は最長で2031年11月30日までサポートが可能です。
Red Hat JBoss Web Server サブスクリプション価格
Red Hat JBoss Web Server の1年あたりの定価ベースの金額(2023年12月時点)は以下のようになっています。
Red Hat JBoss Web Server は複数の種類のサブスクリプション種類で購入できるのが特徴で、大別すると単体購入、ミドルウェアバンドル、プラットフォームバンドルの3種類があります。大きな特徴として、Windows Server もサポート対象に含んでいるという点があります。
ミドルウェアバンドルやプラットフォームバンドルってなに?という質問への解答は、また別の回で情報をお届けする予定です。
ご検討をはじめたいお客様は、ぜひ「DevOps Hub お問い合わせ」よりお問い合わせください!
New! Red Hat Enterprise LinuxへのApache Tomcatの同梱が再開
Red Hat Enterprise Linux 7までは Apache Tomcat が含まれていましたが、OS のライフサイクルに近いリリース形態をとっていたため、OS のリリース後期ではバージョンが古すぎて使いにくいという難点を抱えておりました。そういった理由から Red Hat Enterprise Linux 8 への Apache Tomcat の同梱はされなくなり、JBoss Web Server のサブスクリプションを別途利用する必要がありました。
Red Hat Enterprise Linux 8.8 もしくは 9.2以降で再度 Apache Tomcat が同梱され、追加のサブスクリプションを必要とせず利用することができるようになりました。
以前とは異なり、OS のコア機能とは切り離されたライフサイクルになったため新しいバージョンを Red Hat Enterprise Linux からご利用いただけるようになりました。一方、OS リリースに伴ってApache Tomcat のバージョンが変更される可能性がある点に注意が必要となります。また、Red Hat Enterprise Linux には Hibernate、CXF、Vaultのコンポーネントは含まれない点が異なります。
おわりに
今回は、Apache Tomcat を Upstream とした Red Hat JBoss Web Serverのご紹介でした。Red Hat JBoss Web Serverは、既存サーブレット資産を今後も継続して活用していく予定で、セキュリティ対策が必須のお客様におすすめの製品です。
次回は、Red Hat Single Sign-Onあらため、Red Hat build of Keycloakのご紹介です。
関連リンク
https://www.redhat.com/ja/technologies/jboss-middleware/web-server
https://access.redhat.com/ja/support/policy/updates/jboss_notes#p_jws
Red Hat製品に関するお問い合わせはこちら
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この記事の著者:佐藤梨花
勤怠管理システムの開発(使用言語:Java)に約8年間従事。
現在はエンジニア時の経験を活かしたDevOpsやDX推進のプリセールスとして業務に精励しています。
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