2017.07.19

働き方改革〜Red Hatが考えるDevOpsとは??〜

中澤陽彦
レッドハット株式会社
ISVビジネス推進室 室長
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ある調査会社のレポートでは、アメリカの上場企業S&P500の平均寿命は1960年に60年だったものが、2010年では3分の1になり、非常に短くなってきているとの結果が出ています。日本でも長年優良企業と思われていた大手の企業が経営悪化で海外企業に買収されるなど、まさに今ビジネスの変革が問われているのではないでしょうか。

昔との大きな違いの1つとしては、IT(ソフトウエア・クラウドなど)の力がビジネスに大きく関わってきていることです。例えば、自動車業界は、昔は馬力のあるエンジンの開発などの「モノ」での差別化をしておりましたが、今はソフトウエアで実現する衝突安全機能、運転支援機能など「コト」が差別化要因となってきており、将来的には自動運転技術など、まさしくIT・ソフトウエアで実現する世界が広がるでしょう。

私たち消費者に関しても体感・満足度が昔と変わってきており、商品や食事場所を探す時でも「本」ではなく「Web」へ、さらには「Webの口コミ」を参考にしながら探すのが増えてきています。情報入手方法もメディア・ベンダーが発行する本や雑誌などの媒体だったものが、FacebookやInstagramなどのSNS、Rettyや価格.com、Tripadvisorなどの個人評価をネットで自由にいつでも取得できるようになっています。このため、誰かが高く評価した商品やサービスは瞬く間に話題となり、急激にヒット商品になるのです。このように個人の評価も企業の業績を左右する時代になっています。

では、このようにどのタイミングでどのようなものが流行るのかが、不透明な世界で、ITはどのようにビジネスに貢献することができるのでしょうか? 長時間をかけてヒット商品を作り出すことも当然重要ですが、趣味嗜好が多岐にわたる現代では、アイディアやサービスをいかに早く市場に投入し、お客様のフィードバックをいかに早く取り込むかが、ビジネスが成功するかどうかの大きな鍵になってきています。そこで、今回のテーマである「DevOps」が重要になってくるのです。

Red Hatが考えるDevOpsとは、「ビジネスの価値・競争力の向上・成長を目的とした、リードタイム短縮および継続的改善のためのIT運営プラクティス」と考えています。この1文だけでは、どんなものなのか?どのようなことを指しているかわかりにくいと思いますので、この連載を通してRed Hatが考えるDevOpsとともに、主要成功要因である「人・文化」「テクノロジー・アーキテクチャー」「プロセス」を、そして、DevOpsを実現するのに重要な技術要素である継続的インテグレーション(CI)・継続的デリバリ(CD)を備えたコンテナプラットフォームであるOpenShiftについて紹介したいと思います。

ちなみに、OpenShiftはBMWのコネクテッドカーサービス基盤やドイツ銀行の標準基盤など金融、製造、政府など業種問わず導入が急速に広がっており、先進的なビジネスサービスを支える開発実行基盤となっています。導入のキーワードがまさに「DevOps」なのです。

日本では昨年よりDevOpsを進めるにあたり、何から始めたら良いのか?そもそもDevOpsって?っていう方向けに方法論や診断から実践までの支援サービスとしてDevOps Discovery Session/Workshopを提供開始しており、日本のお客様より多数のサービス提供や問い合わせを頂いております。

日本は世界から取り残されている感がありましたが、ここ1年で日本でも着実にDevOpsの必要性・重要性が上がっていると実感しています。確実にここ2−3年でビジネスを大きく変える重要な要素になると確信していますので、本ブログを通して熱い熱い想いを伝えていきたいと思います。

では、また次回をお楽しみに。

この記事の著者:中澤陽彦

レッドハット株式会社
ISVビジネス推進室 室長

2009年 レッドハット株式会社に移籍後、ディストリビューター営業部とシステムインテグレータービジネスの立ち上げに従事、その後、ミドルウェアとRed Hat OpenShift ビジネスデベロップメントを担当。現在ISVビジネス推進に従事中。


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