ソフトウェアを「欲しい機能」を「欲しいタイミング」で「欲しい人」へ
はじめに
2017年7月にDevOps Hubのブログに投稿してからかなりの月日が経ってますが、今も楽しくレッドハットで働いている中澤です。現在はISVビジネスを推進しております。ソフトウェアサービス企業様とお話しさせて頂いている際の体験も踏まえて投稿させてもらいます。
本論1:ソフトウェアサービス企業の皆様は、ユーザーが「欲しい機能」を「欲しいタイミング」で「欲しい人」にサービス提供することができてますか?
多くのソフトウェアサービス企業の皆様は、やりたいけど出来てないのが現状なのではないでしょうか?国産ソフトウェアの多くは品質の高さが強みである一方で、新たなニーズへの対応に時間がかかるという課題も抱えています。
最近の第三者機関による国内外のISV(独立系ソフトウェアベンダー)を対象とした調査によれば、自社ソフトウェアに付加価値を追加するための取り組みとして、上位3つに「AI/ML」「クラウドネイティブアーキテクチャ」「IoT」が挙げられています。また、それらのソフトウェアが対応するプラットフォームとして、Kubernetesが選ばれているケースが50%を超えているという興味深いデータも示されています。
この調査結果と、一般的に期待されるKubernetesやクラウドネイティブのアプローチによる効果を踏まえると、既存ソフトウェアに新機能を追加する際に、「欲しい機能」を「欲しいタイミング」で「欲しい人」に提供できるプラットフォームとして、Kubernetesが、そして手法としてクラウドネイティブアプローチが受け入れられつつある状況と考えられます。
本論2:Kubernetesを利用時の考慮点
Kubernetes の価値は、このDevOps Hubで色々なブログで話されているので割愛しますが、使う時の大きく4つの考慮点があると思ってます。最初はスモールスタートして、その後はその時考えれば良いと思っていれば、下記の4つの壁に当たると考えております。最初から検討して進めることをお勧めします。
- コンテナとKubernetesに加えて開発&運用に必要なツールが動作検証されたパッケージ
- 製品ライフサイクルが一定期間の提供
- ROIを最大化するための開発チームと運用チームとの連携体制
- テクノロジー習得環境
上記の4つを上げた背景には、Kubernetesプラットフォームを利用して、ソフトウェアをSaaSで提供している企業様などと会話する機会があります。その際、「運用基盤チームは日々OSSのKubernetesのバージョンアップに伴う、周辺製品との動作検証に追われており、気がついたら基盤の維持だけで本来やらないといけない価値提供までの活動が出来てない。」「開発チームだけの考えてKubernetesの利用や開始や、基盤チーム側だけの考えてKubernetesの利用開始になると、効果が半減され、何のための基盤なのか見失い、従来の仮想化基盤の方がよかった」なんて話が浮上したりします。またテクノロジーの学習に関しては、学習コストもそうですが、Kubernetes周りの製品の多さやアップデートが早いのでキャッチアップし続けるに非常に苦労する話も聞こえてきます。
Red Hatとしてご支援できる部分は下記になります。
1.・2.はRed Hat OpenShift Platform のサブスクリプション
3.は、有償コンサルティングサービスのRed Hat Open Innovation Labs
4.はパートナー様限定ではありますが、Red Hat ISVまたはTechnology Partner ProgramのPartner Training PortalやRed Hat Partner Subscriptions
また、パートナープログラム内でRed HatはOpenShiftなどの認定プログラムも持っております。エンドユーザ様に必要なソリューションを見つけてもらうこと、また安心して利用してもらうためにご提供している認定制度になります。認定取得いただいた製品は、Red Hat Catalogに掲載することも可能になります。Red Hat ISVまたはTechnology Partner Programは無償でありますので、登録いただければと思います。
最後に、ソフトウェアサービス企業様の取り巻く環境が市場のニーズもそうですが、IT技術によって大きく変化してきております。特にブロードコムによるVMware買収の件で、次期基盤の策定などは大きな課題になってきていると思います。そのような企業様向けに「レッドハットが考えるソフトウェアサービス企業の成長戦略と実践アプローチ」と題して、2024年12月4日(水) 17:00-18:00 のオンラインセミナーを開催させていただきます。今後の検討にお役に立てる情報をご提供させていただきたいと思ってますので、参加いただければ幸いです。
まとめ
「AI/ML」「クラウドネイティブアーキテクチャ」「IoT」など技術の進化とともに、ソフトウェアサービス企業を取り巻く環境はますます複雑化し大変ではあります。大変とは大きな変化のある時であり成長と新たな機会の扉も開いてくれます。このブログや今後のセミナーが少しでも皆様の参考となり、さらなる飛躍のきっかけとなれば幸いです。
次回は前回より短い間隔でブログを投稿させていただきたいと思います。
関連リンク
この記事の著者:中澤陽彦
ISVビジネス推進室 室長
2009年 レッドハット株式会社に移籍後、ディストリビューター営業部とシステムインテグレータービジネスの立ち上げに従事、その後、ミドルウェアとRed Hat OpenShift ビジネスデベロップメントを担当。現在ISVビジネス推進に従事中。
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