セールスセンター2023.10.16
【徹底解説】セキュリティ費用の負担軽減!サイバーセキュリティ対策促進助成金の申請方法
サイバー攻撃や情報漏えい事件のニュースが巷で増えていますが、セキュリティ対策の費用の捻出に頭を悩ませる企業も多いのではないでしょうか。特に資金や人材に余裕のない中小企業ならなおさらです。
今回は、セキュリティ費用の負担軽減に役立つ情報として、東京都の「サイバーセキュリティ対策促進助成金」の内容や申請方法について紹介します。
申請準備の手順などは、東京都以外の値域でも共通点が多いため、他地域の企業様もぜひ参考にしてください。
参考:東京都中小企業振興公社「サイバーセキュリティ対策促進助成金」
この記事を読むのにかかる時間:約6分
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「サイバーセキュリティ対策促進助成金」概要
東京都中小企業振興公社が行っている「サイバーセキュリティ対策促進助成金」の概要は次の通りです。
対象となる経費:セキュリティ関連機器、メール訓練費用など
助成金の対象となる経費は、表のように広い範囲の情報セキュリティ対策費用が含まれています。
対象の製品・サービス | 概要 |
---|---|
統合型アプライアンス(UTM等) | 複数のセキュリティ機能を提供する製品 |
ネットワーク脅威対策製品(FW、VPN、不正侵入検知システム等) | 通信における不正の検出・防御を提供する製品 |
コンテンツセキュリティ対策製品(ウィルス対策、スパム対策等) | 特定のサイバー攻撃から端末を守るための製品 |
アクセス管理製品(シングル・サイン・オン、本人認証等) | 認証強化により情報システムの防御強化や対応の高速化に役立つ製品 |
システムセキュリティ管理製品(アクセスログ管理等) | 情報システムそのものを対象に、情報分析や防御強化などの機能を提供する製品 |
暗号化製品(ファイルの暗号化等) | 情報を暗号化することにより、情報漏えい時のリスクを抑える製品 |
サーバー(最新のOS搭載かつセキュリティ対策が施されたものに限る) | 各種のITサービスを提供する機器 |
標的型メール訓練 | メール攻撃のシミュレーションにより意識向上や対策検討に役立てるためのサービス |
シマンテック製品には、上記カテゴリーの複数の対策が含まれているため、導入費用について補助金を申請できます。申請時には、「コンテンツセキュリティ対策製品(ウィルス対策、スパム対策等)」のカテゴリーを選んでおけばOKです。
助成率・限度額:対象経費の1/2以内、最大1500万円
助成額は対象経費の1/2以内、最大で1500万円(下限額10万円)までとなっています。
対策項目 | 費用 |
---|---|
エンドポイントセキュリティ製品 | 2,000,000円 |
導入支援費用(外部業者) | 300,000円 |
メール訓練委託費 | 500,000円 |
費用合計額 | 2,800,000円 |
申請可能額 | 1,400,000円 |
※製品・サービスの金額は仮のものです。詳細は販売店にお問い合わせください。
助成対象事業者:IPAのSECURITY ACTIONの二つ星を宣言している都内の中小企業者・中小企業団体
この助成金の対象となるのは、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施しているSECURITY ACTIONの2段階目(★★二つ星)を宣言している都内の中小企業者・中小企業団体です(※)。
※準備がない場合、SECURITY ACTIONの二つ星の取得には1ヶ月程度必要です。スケジュールに余裕をもって準備していくようにしてください。
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申請の流れ、スケジュール
この助成金の申請は、次のような流れになっています。
上記のうち、黄色の部分は申請者自身で行う手続きです。
すでに1回目は募集が終了しており、次回は10月募集、1月募集となっています。
10月募集の申請エントリーを10月10日~12日と短い期間で行う必要があるため、事前に流れを確認し、エントリーの準備を済ませておくようにしましょう。
なお、助成金は予算が決められているため、申請状況によっては上記の予定よりも早く受付が終了することもあります。できるだけ早めに動くように心がけてください。
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申請に必要なもの
この補助金の申請で必要となるものは次のとおりです。準備のために2~4週間はかかりますので、計画的に準備していきましょう。
① 申請書(中小企業公社よりDL可能)
② 公社のネットクラブ会員登録
③ GビズIDプライムアカウント
④ IPAのSECURITY ACTIONの2段階目(★★二つ星)の宣言
以下、各項目について解説します。
①申請書
申請書は、本助成金についてのページからダウンロードが可能です。
申請書には、会社情報や助成の対象となる情報セキュリティ対策の計画、必要となる設備や金額などを記載する必要があります。上記ページの記入例を参考に、適切に作成しましょう。
②公社のネットクラブ会員登録
申請エントリーは東京都中小企業振興公社のネットクラブ会員サービス「企業Myポータル」から行います。登録に数日必要になるため、事前に会員登録を済ませておくことが必要です。
③GビズIDプライムアカウント
「GビズIDプライムアカウント」とは、法人・個人事業主向けの共通認証システムです。登録することで、さまざまな申請がオンラインで可能になります。
申請のエントリーは東京都中小企業振興公社の企業Myポータルで行いますが、書類の提出などは国が提供する電子申請システム「Jグランツ」を使用します。Jグランツの利用にあたり、GビズIDのアカウントが必要ですので、事前にGビズID公式Webサイトでアカウントを取得しておく必要があります。
④IPAのSECURITY ACTIONの2段階目(★★二つ星)の宣言
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の「SECURITY ACTION」とは、中小企業がセキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。要件を満たしていればSECURITY ACTIONのロゴマークをIPAからもらい、Webサイトや名刺などで利用できます。
SECURITY ACTIONには2つの段階があり、この補助金の申請には2段階目の「★★二つ星」の宣言が必要です。★★二つ星を宣言するための要件は次のようになっています。
- IPAが公開している「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」付録の、「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」で自社の状況を把握する
- 自社の状況に合った情報セキュリティ基本方針を定めて外部に公開する
情報セキュリティ自社診断は難しくありませんが、情報セキュリティ基本方針の作成は難易度が高いため、公開されているサンプルをもとに、自社に合わせて修正して使うとよいでしょう。下記は公的機関が公開している情報セキュリティ基本方針のサンプルです。
セキュリティ基本方針の作成ができたら、IPAの情報セキュリティ対策支援サイトの専用ページから申請します。確認に1~2週間かかりますので、助成金の申請エントリーまでに完了できるように進めてください。
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まとめ
国や自治体から提供されている補助金を利用することで、セキュリティ対策にかかる費用負担を抑えられます。今回は東京都の補助金を挙げて紹介しましたが、他の地域でも類似の補助金が利用できる場合がありますので自社の地域でも探してみるとよいでしょう。