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AIとは?モデルとは?深入りしすぎない程度に基礎知識を紹介

2023.11.01

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皆さまこんにちは、SB C&Sの八釼です。
ChatGPTなどの生成AI大規模言語モデルは、様々なサービスに組み込まれ一般の人が日常で利用する状況になりましたし、ビジネスシーンにおいても当たり前に活用される時代になりました。つまり現代人にとってビジネスパーソンにとって非常に人工知能が身近になったのです。そしてこれからさらに便利なサービスが登場してくることは確実ですし、ビジネスパーソンにはそれを生み出していくことが求められます。

そうなってくると、そもそものAI(人工知能)について知ることから逃れることはできません。生成AIというのは当然ながら人工知能の一種だからです。もちろん一般のビジネスパーソンが機械学習エンジニアや研究者などのAIを専門的に扱う職種の方のレベルまで深入りする必要はありません。事前学習済みのモデルを扱うことになるわけですし。

ということで、今回の記事では深みにはまりすぎない程度に(前提知識としての)AIとは何か?について紹介するので、Azure OpenAI Service(AOAIS)をはじめとするAzure AIの活用にお役立てください。

AI(人工知能)とは

最も端的に表現すると人間の能力を模倣するソフトウェアです。
Microsoft Learnラーニング パスAI エンジニアリングへの準備 > モジュール人工知能を定義するにて詳細をご確認いただければと思いますが、例えば視覚的な入力を解釈することであったりセンサー測定値の異常を認識して意思決定を行ったりできます。自然言語処理 (NLP) やボットはChatGPTに大いに関係ありますね。

人間の能力の模倣

人間の脳の神経細胞(ニューロン)を、もっと言うとそのネットワーク(ニューラルネットワーク)を模倣してその性質を数式で単純化して表したものが(現代の)AIと言えます。なお、あくまで模倣ですので人間の脳とはやはり違います。現時点では、あくまで何かの入力に対して何かを出力するという機能(能力)となります。ChatGPTについてもプロンプト(入力)を与えると、それに対してコンプレッション(出力)が返されるかと思います。逆に何も入力しなければ、何も出力されません。この機能を数式で表すわけですので、つまり関数ということです。関数は、変数に入力値を与えたので出力を返すことができます。与えない限り機能しないのです。非常に似ているというか、同じです。
このように考えてみると関数(f)が人工知能であるとも言えるわけです。

ソフトウェア

以前にChatGPTに関する記事を掲載しましたが、ここでChatGPTはプログラム(ソフトウェア)と捉えられることもお伝えしました。もちろんAIも然りです。つまり人工知能は数式(関数)をプログラムで実装したものと表現することもできるのです。(神経)細胞はタンパク質などの物質で構成され存在しますが、AIの場合はプログラムとして存在することになります。人間の脳は人体の生命システムに組み込まれることで動作(機能)しますが、AIについてもコンピュータシステムに組み込まれることで動作するのです。インフラやプラットフォームも含めた実行環境が必要なのです。

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AIの歴史

現在に至るまでAIは数回のブームを繰り返してきました。本章ではAIの歴史を簡単にまとめたいと思います。

1956年のダートマス会議で、ジョン・マッカーシーによって「人工知能( Artificial Intelligence )」と名付けられ、第1次AIブームが訪れました。その後、1960年代までAIの研究は進みましたが、単純な課題を扱うことしかできず、1970年代には冬の時代が到来します。
1980年代に入ると第2次AIブームが訪れます。特に、多数のエキスパートシステムが出現したことで、事業に導入されるなど実用的な活用もされました。しかし、人間による大量のインプットを必要とするなどの課題もあり、1990年代には再び冬の時代を迎えます。
その後、2000年代にビッグデータの出現と共に第3次AIブームが訪れます。特に、ディープラーニングにより学習と推論の精度が向上しました。第3次ブームは現在まで続いています。

AIの種類とは

AIの種類について様々な切り口でご紹介します。

特化型AIと汎用型AI

一般的なAIの種類として、特化型AIと汎用型AIに分けられます。特化型AIは特定のタスクを効率的に達成するために設計され、音声認識や画像認識などの分野で活用されます。一方で、汎用型AIは様々な領域のタスクを一つのシステムで処理するAIです。まだ研究段階であり、実用化はされていません。

生成AIと認識系AI

生成AI(Generative AI)は、学習データを基にオリジナルのアウトプットを創造するAIです。最近話題のテキスト生成AIや画像生成AIなどはこちらに含まれます。認識系AI(Discriminative AI)は従来のAIとも呼ばれ、学習データを基に予測や判別を行うAIです。画像認識AIや文字認識AIなどが含まれます。

クラウドAIとエッジAI

AIが存在する場所による分類です。クラウドAIとは、クラウド上にあるAIをインターネット経由で利用できる仕組みもしくはサービスを指します。エッジAIは末端のデバイスにAIを搭載したシステムを指します。

関連記事:クラウドAIとは?エッジAIとの違いやメリット・デメリットを解説!

モデル(model)とは

ChatGPTも含めてAIに関わっているとかなりの高確率でモデルという言葉に(しばしば)出くわすと思います。この記事でも冒頭で(大規模言語)モデル(Large Language Model)と記載しましたし、AOAIS絡みでも「モデルの選択」とか「モデルのデプロイ」とか普通に会話で用いますしそもそも活用を考える上では避けては通れないです。一般的には模型や模範を意味しており、数学では対象となる事象の本質や仕組みを簡潔に表現する数式や理論を意味するのですが、機械学習(AIの分野)では、学習後の具体的な計算式や計算方法を指します。つまりここまでの話を考慮すると、具体的な関数もしくはプログラムと表現できます。

なお、念のため補足しておくとLLM(大規模言語モデル)は分類を示す単語なので「代表的なLLMであるGPT」のような使い方になり、何か特定のモデルを表すものではありません。

AIとモデル

モデルに関しては「具体的」が重要なことでした。ではAIは・・・?そう「抽象的」ということです。より広い意味であったり概念のような表現でも良いかもしれません。例えばChatGPTはAIであると言えますが、AIはChatGPTであるとは言えません。

関数という見方で両者を考えてみると、人工知能は関数(f)という抽象的な表現になりますが、モデルの場合には例えば皆様も学生時代習ったであろうy = 3xのような具体的な数式で表されるわけです。
プログラムという見方では、人工知能は漠然としたプログラムやソフトウェアを示しますが、モデルについては実際に機能する実物として落とし込まれた具体的なプログラムとなります。

ただし、「人工知能」という単語は包括性があるためモデルをAIと置き換えて使用しても基本的に意味は通ります。若干抽象度が上がるくらいです。

関連記事:Azure OpenAI Serviceとは?概要やChatGPTの利用についても解説

生成AIとLLM

LLMは生成AIに分類されます。つまり生成AIは人工知能の一種であり、さらに生成AIの一種としてLLMがあるということになります。なお大規模かどうかはさておき、言語モデルとは単語や⽂章が⽣成される確率をモデル化したものであり、簡単に言うと入力として与えたテキストの続きを予測してくれるプログラムです。

ではそもそも生成AIとはどのような人工知能かというと、ディープラーニング(深層学習)により学習したモデルが入力として与えた情報をもとに出力として新しくテキストや画像、プログラムソースコードなどを生成します。LLMはこれの一種なのでありNLPを前提にします。つまり入力は自然言語で行うわけです。

ちなみに元々はテキストを生成するモデル、コードを生成するモデル、のように出力するコンテンツによって分かれていましたが最近では必ずしもそうではなくなってきました、ChatGPTについても然りですね。

機械学習における重要な用語

これは参考情報なので読み飛ばして頂いて問題ありませんが、生成AIとLLMはディープラーニング(機械学習の一種)を前提としています。機械学習とはデータ内の関係性を検索して予測モデルを作成することであり、大きく四種類(教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習、強化学習)に分類されます。ここでしばしば目にする重要ないくつかの用語についても簡単に紹介しておきます。

ラベル

一つ一つのデータに対して与えられている正解を示す情報(数値や分類)のことです。教師あり学習で使用されます。

特徴量(feature)

分析対象データの中の、予測の手掛かりとなる変数のことであり、物事や事象などの特徴が表現されたデータです。数値である場合もあればそうでない場合もあります。さらにその一部(もしくは全部)に、目的変数(予測したい変数)と説明変数(目的変数を説明することができる変数)があります。ちなみに、説明変数と目的変数どちらも学習に使用するのが、教師あり学習であり、説明変数のみを学習に使用するのが教師なし学習です。

関連記事:データ連携とは?メリットから課題、基盤構築方法を解説
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AzureでAIを活用するには

Azureでは様々なAI系サービスを利用できます。

例えば、Azure Cognitive Serviceは、視覚や聴覚など「人間の認知(Cognitive)機能の一部」をWeb APIとして利用できる"AIパーツ"です。学習済みのAIモデルの予測機能を利用でき、AIに関する専門的な知識が無くても、様々な機能としてAIを活用できます。

関連記事:誰でも簡単にAIを作れる?Azure Cognitive Serviceとは

また、Azure OpenAI Serviceは、最近話題のChatGPTを含むGPT-4やCodexなどのAIモデルを利用することができ、AIモデルを簡単にアプリケーションへ組み込むことができるサービスです。

関連記事:Azure OpenAI Serviceとは?概要やChatGPTの利用についても解説

その他、機械学習を簡単にできるAzure Machine Learning、より高度なマシン構成やネットワーク構成が可能なData Science Virtual Machineなど、Azureでは難易度や構成の自由度によって様々なAI系サービスを活用できます。

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最後に

最近の生成AI/LLMブーム以前では、企業や会社のような組織が事業に人工知能を活用するのであれば独自にモデルを開発しアプリケーションに組み込むのが一般的でした。つまり機械学習により精度の高い出力を行う有用なモデルを独自に構築する必要があったということです。そのための専門的な人材や大量の学習用データも必要です。しかし昨今ではそのハードルは下がりさまざまな組織がざっくりとAIを活用しやすくなりました。ただしまた新たなスキルや知見が必要になった面があるにはあります。

なお、AzureにおけるAIサービスはAOAISに限定されず、そもそも独自に機械学習モデルを構築・運用できるプラットフォームや言語モデル以外のものもあります。AIをビジネス活用したい場合には多くのお困りごとが出てくるかもしれませんが、その際にはぜひとも法人でのAzure導入前の相談窓口であるAzure相談センターまでお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。Azureに精通したスタッフが丁寧にご回答させていただき、みなさまのAzure上でのAIサービス開発の一助となるべく尽力いたします。

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  • 【 著者紹介 】
    八釼 友輔 - Azure エヴァンジェリスト
    SB C&S株式会社 ICT事業本部 クラウド・ソフトウェア推進本部 クラウドプラットフォーム推進統括部 マーケティング1部 販売推進課
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