クラウドサービスを導入して
表計算ソフトのExcelは、非常に多機能で優秀なソフトです。データの集計やグラフの作成といった初歩的なことから、マクロやVBAを活用したスプレッドシートによる計算の処理といったことまで、Excelは多くの管理業務の変革を産み、ビジネスに大きなメリットをもたらしました。
また、その豊富な機能から、表計算以外の用途でも活用されています。たとえば、セルを方眼紙のように使うことで繊細なレイアウトが要求されるドキュメント作りが可能ですし、データベースへの接続機能などを利用すれば情報システムのクライアントのインターフェースとなるなど、さまざまな場面でExcelは使われています。
しかし、長い時間にわたって多くの人に使われ、大量のファイルが作成されてしまったからこその弊害も生まれてきています。今回は、そのようなExcelに関する課題の確認と長期的な解決のためのクラウドサービスの活用について考えてみたいと思います。
大量のExcelファイルから生み出された「弊害」
個々の担当者が自分の業務効率を上げるために作り込んだExcelファイルは、その活用によって個人の業務効率が飛躍的に向上しました。しかし、個人のパフォーマンス向上がそのまま組織のパフォーマンス向上に直結する時代はそれでよかったのですが、時間の流れとともに、組織のパフォーマンス向上は、個人の能力よりも、組織全体での情報共有と作業の平準化によるところが大きくなってきました。
そうなると、Excelのワークシートも、それの利用法がわかっている特定の個人だけが利用するのではなく、全員で共有していくことが求められるようになります。ビジネスロジックが記述されたワークシートを複数部門で共有したり、古くから使われていたワークシートを税率を修正しながら使い続けたりできれば業務が効率よく継続できるからです。
しかし、そのワークシートを作成したスタッフが異動や退職でいなくなってしまうと、解読が難しかったり、値が間違っていてもどこを修正したらよいかわからなくなるといった場合が少なくありません。個人でメンテナンスしていたワークシートには変更履歴を記したドキュメントの期待もできず、そのファイル自体がブラックボックスと化してしまうことも珍しくないのです。部門によってはブラックボックスとなったレガシーなワークシートばかりが増え続ける可能性もあります。そうなると、本来業務の効率化のために活用していたExcelが、今度は逆にボトルネックにもなりかねません。
おすすめはクラウドを活用した段階的な移行
とはいえ、新しく情報システムを導入し、Excelのワークシートから移行するのも楽ではありません。
恐らく、「すでにExcelで動いているものがあるのに、新たにシステムを導入したくない」
「ブラックボックスとなっているワークシートのロジックを解明してからでないと、そもそもシステムへの移行もできない」
などなど「移行しない理由」がいくつも上がってくるでしょう。情報システム部門としても、現場にそこまで言われると押しきれないのが悩みのタネ。
しかし、そのような場合、レガシーなワークシートを一気に移行するのは難しくても、段階的な移行ならできるかもしれません。そして、もし自社がクラウドサービスを利用していないのであれば、あわせてクラウドサービスの導入も検討してみてはいかがでしょうか。個人のパソコンで孤立していた重要なファイルを共有できる場所に置くという目的を、クラウドサービスで実現するのです。
クラウドサービスにアレルギーがある職場・経営層だったとしても、シンプルな目的・構成のものであればテスト導入しやすいかもしれません。そして、ファイル共有のメリットを実感してもらえれば、クラウドサービス導入への障壁を下げられる可能性もあるのです。
その場合、導入するサービスは、Excelの効率化ですから法人向けのOffice 365がよいでしょう。
クラウドで表計算ファイルを
共有する
最も「クラウドサービスのOfficeを入れなくても、ファイルサーバーにワークシートを置いておけば共有できるじゃないか!」と思う方もいるでしょう。しかし、クラウドで情報共有をすることには「営業などで外出しているスタッフが、外出先からでも簡単にOfficeファイルにアクセスできる」「1つのファイルを複数人で同時に編集できるようになる」など、簡単ではあるものの、大きなメリットがいくつかあります。
たとえば外回り中の営業マンが、自社のファイルにスマホなどでアクセスして顧客に最新の条件や製品などを提示することも可能ですし、あるいは、離れた場所にいる相手と遠隔で打ち合わせをした際の議事録作成や表の編集も1つのファイルをお互いに操作できるので効率的です。
まずはクラウドサービスを
使ってみる
もちろん、Excelファイルの共有といった細かなことをしなくても、BIツールなどを導入できるのであれば、それに越したことはありません。ただしその場合、作り込んだExcelファイルに合わせていた業務フローをBIツール向けに変更するなど、仕事のやり方も買変えなければならないかもしれず、そうなると、組織によってはアレルギーを示すことも考えられます。
業務の改善・効率化を図るのであれば、いきなり大規模なツールの導入を図る前に、ファイル共有の仕組みを整備するという小さな変更でクラウドサービスを使い始めてみたらいかがでしょうか?それなら万が一問題が発生しても、以前のやり方にすぐ戻せます。
まずはハードルの低い所でクラウドの便利な部分とそのメリットを経営層やスタッフに体感してもらい、他のクラウドサービスの導入を少しずつ進めていく。
システム全体へのクラウドの導入という、大きな目的を実現する第一歩の小さな変革をOfficeのクラウド化で踏み出してみるのはいかがでしょうか。
photo:Thinkstock / Getty Images
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