「フェニックスプロジェクト DevOpsシミュレーション研修」レポート
講師:ITpreneurs 飯久保 翔氏
はじめに
みなさんこんにちは。
SB C&Sの佐藤と申します。
2019年6月27日に「フェニックスプロジェクト DevOpsシミュレーション研修」を開催し、計11名さまにご参加いただきました。
(開催時間:9:00~18:00 / 開催場所:SB C&Sセミナールーム)
ということで、今回は「フェニックスプロジェクトDevOpsシミュレーション研修」の様子をご紹介させていただきます。
アジェンダ
フェニックスプロジェクトとは
DevOpsシミュレーション研修とは
研修の様子
気づき・感想
おわりに
フェニックスプロジェクトとは
DevOps研究の第一人者ジーン・キムが書いたITのデスマーチ・プロジェクトをテーマにした小説です。
(原書『The Phoenix Project』/ 邦訳『The DevOps 逆転だ! 究極の継続的デリバリー』)
主人公と仲間たちが数々の危機を乗り越えるなかで、開発と運用が一体となってシステムを構築していく「DevOps」に取り組んでいく様子を描いています。
小説を通して「DevOps」について学ぶことが出来ますのでぜひご一読してみてはいかがでしょうか。
DevOpsシミュレーション研修とは
今回ご紹介させていただく「フェニックスプロジェクト DevOpsシミュレーション研修」とは書籍『The Phoenix Project』をもとに構成された研修です。
以下が研修の概要になります。
研修目的
・DevOpsを実現する上で必要不可欠な組織文化と開発運用のプロセスについて学ぶ
研修人数
・10~12人
研修時間
・1日 (09:00~18:00)
対象者
・事業部門・システム開発・システム運用・その他IT部門の方
・自社のITソリューションの価値を高めたい方
・リーンやアジャイル・ITSMの原則を学びたい方
・組織内のカルチャーを形成してより良いコラボレーションを作り出したい方
研修内容
参加者全員で1つの企業の社員になり、2つのミッションの達成を目指します。
1.会社の売上を伸ばすこと
2.会社の株価を上げること
そして参加者それぞれに役割(CIO、IT運用担当VP、人事、アプリケーション開発、ITサポート等)が割り振られ、役割に応じたカード(担当する役割が抱えている課題、工数、コスト)も配られます。
限られた工数の中、プロジェクトのプライオリティ付け、効率化などを行いながら売上、株価向上を目指します。
研修は全4ラウンドに区切られ、各ラウンドごとにプロジェクトを進め、成果を聞き、振り返りをしPDCAを回します。
研修の様子
第1ラウンドは全員がなんの計画も立てずがむしゃらに進めてしまい売り上げも株価も逆に下がってしまいました。
DevOpsもrole & responsibilityも出来なかったです。
第2ラウンドでようやく「この判断は誰が行うのか」「この作業は誰が行うのか」などrole & responsibilityを定め、
ワークフローも定義しカンバンも作ることでDevOpsらしい文化、プロセスになりだいぶ効率よく作業を進めていくことができました。
第3ラウンドで第2ラウンドまでではできなかったプライオリティ付けの基準なども定め、いざ最終ラウンドへ。
最終ラウンドでは開発に必要な値の計算をEXCELを用いて自動化を試みました。
文化もプロセスも変革し、ついに自動化まで取り入れラストスパート!
と思いきや・・・
CXO(Chief x Officer)側が求めていた値が自動化ツールでは算出できず、はたまた開発側はツールを使うことに必死でチーム全体がツールに翻弄され空中分解して終わりました。
最終結果は講師が稀に見るほどの惨敗でした。
気づき・感想
・PDCAサイクルを回すこと
各ラウンドごとに振り返りを行い、さらに良くするためにはどうすればいいか議論し次ラウンドで実行することで劇的に効率が上がることを実感しました。
やはり継続的に改善を行っていく文化はDevOpsを実践する上で非常に重要です。
振り返りの時間があらかじめ用意されていなかったらと考えるとゾッとします。
・ワークフローを定義することの重要性
研修の中でたびたびインシデントが起こるのですが(講師がインシデントカードを嫌がらせのようにそっと置いてきます)最初は、優先順位を上げていいのか?誰があげると判断するのか?対処するとしたらどうしたらいいのか?など全く整備されておらずグダグダでした。
それを誰が何をどういう順序で対応すればいいのか明確に定義をすることで
第2ラウンドで迅速にインシデントに対応できたときは感動しました。
・自動化、ツールの導入が目的になってはいけない
自動化、ツールの導入はあくまで手段であって目的ではないと良く言いますが、まさに最終ラウンドで実感しました。
ツールは目的を達成する手段という認識が全員の中にあれば自動化ツールがうまく機能しなくとも、時間がないからツールを見切ってアナログに行う、もしくはツールをCXOのニーズにあった形に改変するなどの対応をすることができたかもしれません。
SB C&SでもたくさんのDevOpsツールを取り扱っておりますが、あくまで手段ですのでご注意ください!
おわりに
いかがでしたでしょうか。
プログラム最後に行った、全体を通した研修の振り返りでは、参加者の方々から「DevOpsを導入する上で非常に役に立つ研修であった」と好評の声をいただきました。
DevOpsを導入する上では、組織全体が変わる必要があるという気づきを促すのに最適なシミュレーション研修でした。
実際の現場でも今回で研修で学んだことを活かし、改善に取り組んでいこうと思います。
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